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さようなら、勝おじい

何時か必ず来るものとは分かってはいても、突然訪れる別れとは本当に悲しいものです。
もう十数年お世話になって来た鳩間島の勝おじいと、ついにお別れするときが来てしまいました。

毎年、鳩間島音楽祭の時、秋の十五夜の頃と、年に二度はお世話になっていた民宿「瑠璃」の御主人です、というよりは島の名物おじいでした。

小生が鳩間島音楽祭に出演するようになって、昨年で16年になると思います。

当初は、中森の方へ登って行ったU家に泊っていました。
一緒に出演するために来島するサンバ仲間が段々増えていき、U家には多い時で20名弱泊まっていたこともありました。

その頃から勝おじいの姿はしょっちゅう目にしていましたし、音楽祭の盛り上げ役として活躍されていました。
当時からとてもアクティブな方でした。

2003年頃だと思われる。
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春の音楽祭名物、鳩間古謡
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鳩間島を舞台としたTVドラマ「瑠璃の島」の撮影スタッフ用に、自宅の敷地内に離れを建てて、撮影が終了した後、民宿「瑠璃」として営業するようになりました。
当時、港に現在のような立派な桟橋や待合室はなく、日陰が殆どなかったので、瑠璃の縁側
で船が着くまで利用させていただくこともありました。

U家にあまりに人が来すぎるので、どこか民宿を探さなくてはということになり、勝おじいが快諾してくださって、それ以降昨年まで瑠璃にお世話になっていました。

今年は、コロナ禍で春の音楽祭が中止になってしまい、また、緊急事態宣言も発出されて行くことができませんでした。
昨年の秋、十五夜の時期に幸運にも天候に恵まれ、十数年ぶりに母屋の庭で月祭りができ、その後の敬老会にもお邪魔させていただいたのが最後になりました。

U家から瑠璃に島の拠点を移してからも、様々な我々の仲間が来島して、鳩間島の良さを満喫できたのも米盛さんご夫妻と瑠璃の存在のおかげだと思っています。

2007年頃、母屋でおじいの唄を楽しむ。

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民宿「瑠璃」の素晴らしさは大きく見て三点あると思います。

第一に「瑠璃」の立地。

桟橋から最も近い建物で、来島者は必ずこの前を通るので、間違えようがない。
海からの風が吹き抜けて行く、島で一番涼しいのではないかと思われる場所で、風が抜けていく離れの庭には手造りの素晴らしいテーブルがあり、そこで海を見ながら食事をとり、パゴーヂをし、宴会をし、夜が更けるまで楽しんだものでした。

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あんた、唄いなさい。
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第二におじいとおばあと家族的なもてなし。
「瑠璃」は基本、自炊なのですが、何かにつけておばあに面倒を見てもらい、おじいと飲む際にはおかずをいただいたり、また、島の話や色々なお話をさせていただいて、これが魅力で「瑠璃」に通っている人もいると聞いています。

そして第三におじいとの交流。
今から考えると、十数年前におじいと出会ってから、鳩間に来ておじいと一緒に飲まなかった日はおそらく一日もないだろうと思います。
そして様々な話をしました。
島の話、自分が若かった頃の話、音楽の話、人生の話、そして唄、三線を聴かせてくれて、必ず一緒に唄ったものでした。
音楽祭に仲間がたくさん来ているときは、毎日夕方からおじいを囲む飲み会が始まり、皆とても楽しみにしていました。

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小生自身、音楽をやっていることに何か煮詰まった想いを抱いてしまう時、ここへ来て唄を聴き、また自分の演奏を聴いてもらってまたやる気になったことが何度かありました。

おそらく、2008年頃からだと思いますが、春の音楽祭の我々のサンバのステージに、島太鼓の打ち手としておじいが一緒に参加してくれるようになりました。
我々も楽しかったし、お客さんも楽しんでくれました。

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足が悪くなってもうステージには上がれないと辞退された時は寂しかった。

その他、心に残っている想い出は数え上げるときりがありません。

秋に鳩間を訪問するのも習慣になっていましたが、石垣でとばらーま大会を見て、十五夜は鳩間で過ごすというのが理想でした。

何年前だったか忘れてしまいましたが、十五夜の天気と来島のタイミングが合って、母屋の中庭での月祭りをご一緒する機会に恵まれ、とても心に残って、それ以来タイミングが合えば毎年の十五夜をこんな風に過ごせればいいなあと思っていました。

しかし、台風シーズンや悪天候とかで船便の都合もまちまちで、ようやく昨年中庭での月祭り参加を実現できました。

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その後の敬老会では、偶然にもおじいの飛び入りで鳩間の数え唄を十五番まで聴くことができました。

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杖を突いて、歩くことは難儀そうでしたが、唄はけれんみがなくとても楽しいものでした。
思えば、あれがおじいの唄を聴いた最後でした。

もう年だし、民宿をやっていくのもきつくなってきたとの話はされていましたが、今年の音楽祭にはまた会えることをお互いに楽しみにしていました。

しかし、コロナ禍で音楽祭は中止、どころか自由な行き来もできないような雰囲気になってしまい、再会を果たすことはできなくなってしまいました。

誰からも愛されて慕われた島の名物おじい、後世では飲み仲間に事欠かないことでしょう。
先に行っていた島人達と飲んで思いっきり唄ってくださいね。

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ご冥福をお祈りいたします。

さようなら、勝おじい。

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