2014秋、八重山・沖縄と台風19号
今年の秋の沖縄行きは、例年、とばらーま大会の頃行くのだが少し遅らせた。
今年の旧暦の8月13日は9月の初旬で、時期が少し早く都合が合わなかった。
で10月7日石垣行きとなった。
台風18号が6日の午前中に関東上陸。
飛行機が軒並み欠航となるが、翌7日は台風一過の良い天気。しかし、フィリピン東海上には19号が日本を狙っていた。
台風18号の雲が去っていく。これは自宅にて。
まずまずの天気の石垣島。旧知のT先生が空港まで迎えに来てくれた。
最近お気に入りの美崎町の海邦ホテルに収まって一息。
18号の影響と既に19号の影響が出始めているのか上原、鳩間航路はここしばらく欠航の模様。
明日のライブの後明後日には鳩間島へ渡る予定なので、鳩間島とも連絡を取りながら様子を見てみようと思う。
ただ海邦ホテルは明後日には空きはないとのこと。
ま、何とかなると思うのでこの状況を楽しむことにする。
とりあえず、今日は移動のみ。夜は好きに過ごせる。
何となく不穏な雰囲気
翌8日は曇りがちの天気。
今夜は皆既月食が見られるということだがどうだろう。
T先生の所属する少年自然の家では観測会を開催するとのことだ。
こちらは、パパビゴーヂでのライブの日。久しぶりに石垣のシンガー、池原コーイチさんとの共演だ。
風はあまりないようだが相変わらず上原航路は欠航している。
台風19号の接近で明日からも天気が好転することはないように思えるので、明日もおそらく欠航だろう。
もしそれでも明日鳩間に渡ろうとすると、大原回りで上原までバス移動して郵便船に乗るということになる。
行けないことはないが、相当朝早い便に乗らなければならないのと、行ったら那覇への移動の12日に戻ってこれるのかという問題がある。
特に台風予報によれば11、12日は台風が最接近するとの予想だし、この19号は今年最強、いや戦後有数の強力さ900hps風速75mなんて言っている。
今日一日様子を見ることにした。
ライブは、お互いのソロ演奏を少しづつと共演をたっぷりとという構成になった。
コーイチさんは初めて会った頃は無頼漢という印象もあったが、最近は何度もお会いしているせいか共演もしやすい。
お客さんからもコーちゃんの唄は大人になったなどと言われていたな。
彼の唄は最近の若い男の子の軟弱な唄とは一線を画す男っぽく力強いもの。
そこが好きなところだ。
楽しく共演できた。
コーちゃん
曇りがちではあったが皆既月食の赤い月を見ることもできた。
終了後はおでん屋の一力で軽く打ち上げ。
この店も強力だ。地元率100%。
明けて9日はやはり欠航。風も強まってきた。
鳩間島とも相談して止むを得ず鳩間行は断念。
ということは本日の宿を探さないと。
知り合いのお家に厄介になるというのも気を使うし、ここは探してみようと。
しかし当日予約というのは結構高いし、なかなか空きがない。
結局海邦ホテルの紹介で先島ビジネスホテルに1部屋空きがあった。
サザンゲートブリッジのたもとで中心街から若干の距離はあるけれど、部屋も広くてwifiもつながるし、なかなか良いところだ。
サザンゲートブリッジのたもと
台風予報は11、12日に沖縄本島に最接近としている。
上原航路欠航どころではなく沖縄行きの飛行機が飛ばない可能性が大になってきた。
12日はおそらく沖縄から離れていくだろうからライブは大丈夫だろう。しかし12日の昼頃の飛行機は飛ばない可能性大と予想を立てて、明日那覇まで移動しようと決めて飛行機を探したら空きがあったのでそれに決定。
予定が決まって一安心。
そういえば国立天文台の4D映像が面白いよとの噂を聞いていたので行ってみることにした。
自然の家の北の山の上にある。
日本でも三鷹の天文台と並ぶ代表的な天文台だ。
ここのスタッフの人達とは去年観月会をやったことがある。
3D眼鏡をかけて係員の説明付きだ。
アンタレスだったか、赤いのでびーちゃーぶしと呼ばれていて、その星座はびーちゃーが釣竿を垂れているように見えるという説明が印象に残った。
立体映像は迫力がある。
無料で楽しめるのでお勧めです。
石垣のコンビニは今まで「coco」というチェーンしかなかったのが10月10日に初めてファミリーマートが開店するというので話題になっていた。
車があるついでにミュージッシャンの友達であるZAKI氏の家を訪問。
お経とのコラボなどを聞いて完熟バンシルー(グアバ)などを貰い受け、無農薬青レモンを送ってもらう手はずを整えた。
この無農薬青レモンは昨年初めて味わって丸かじりの味に感動したもので、今年も出来たら買いたいと思っていた。
夜、パパビゴーヂ開店当初の料理人だった、しんちゃんがやっている店がサザンゲートブリッジ近くにあるという。
ホテルの近所だ。
行ってみた。
海岸通り沿い。「パラダイスキッチン」通称「パラキチ」。こじんまりとした良い店だ。メニュー、味、量もとても好ましいもので、また一つ贔屓店が増えた。
パラキチの料理
ん・・・・・・???
パラキチ
翌10日昼過ぎの便で那覇に移動。台風は刻々と沖縄本島に近づいていて、935hps位でどうも沖縄本島を横断するらしい。
ここ石垣島はコースからそれているのであまり台風の影響が感じられないが、予想通り明日の那覇発着便は全便欠航、12日も相当影響が残るとのこと。那覇空港でみた大量の修学旅行生の群れは困るだろうな。
ところで、石垣の地元ではスカイマーク乗ろう運動をやっているようだ。
というのは、スカイマークが沖縄・石垣間を安く運航しているからANA、JALも追随して安くなっていると。
もしスカイマークがこの路線から撤退したら元通りに高くなるだろう、事実、宮古がそうだったと。
うなずけるというより適正な運賃が今の値段だと思う。今だに国内線の運賃は高すぎる。
さて、さすがに暴風圏内に入っている着陸前の横揺れはかなりのものだ。
無事に到着してその足で10.10那覇空襲70年忌という集会へ。
そこで急遽、絵本読みのバックの演奏とギターソロをすることになったのだ。
某食堂のゆし豆腐チキンカツ付き、「付き」と言うには量が半端でない。
雨は降っていないが風がすごい。体を持っていかれそうな風だ。
首里石嶺の福祉センターは巨大な建物でビル風もあってか風がさらに激しく感じられる。
憲法9条解釈のうちなーぐちバージョンに興味を惹かれた。
例えば9条2項後段。「国の交戦権を認めない」は、「国ぬ、「いくさすんどー」んでぃいゆる権利んでぃ言しん、いかなしんみとぅみやびらん。」。
これを紙芝居師の佐渡山さんが朗読すると何ともしみじみと伝わってくるのだ。
10.10空襲は局地的ではあったが沖縄戦の端緒として捉えられている。
空襲体験の語り部
佐渡山さんの紙芝居の中で、八重山では酔っぱらいの方言として知られる「びーちゃー」が沖縄では、じゃこうねずみのことだと知った。
紙芝居装置
絵本読み
即興で音楽を付ける。
ソロ演奏
既に台風本体の雨風が激しくなってきて、それでもやるのかという問い合わせも多々ある中、来てくださったお客さんには感謝です。
明日はおそらく一日中外へ出れないし、停電も予想されるので風雨が強まってきた帰宅途中に食料などを買いこむ。
そして、11日は朝から風雨が強まり、那覇空港は閉鎖、モノレール、バスも止まり車もめったに見かけないしもちろん出歩く人はいない。丁度この南城市あたりを西に横断していくコースのようだ。
視界がどんどん悪くなる。
もう今日は一日閉じこもっているしかない。
特に昼過ぎから夕方にかけて風がすごいことになってきた。
ねこ目線で
それはわたし、まるちゃんです。
更に激しさを増す。
風上にあたる北側の部屋にいた。
強風が30秒ほど継続してこれでもかというほど吹く。
気のせいなんだろうけど風圧で窓がたわむように感じられる。
鉄筋コンクリートの強固な建物なのに揺れるような気がする。
風に煽られたドアで子供が指を切断されたというニュースもあったし、とにかくおとなしくこもっているしかない。
散々荒れ狂った風雨が夜8時頃になってパタリと静かになった。
どうも台風の目に入ったらしい。
目に入ると星が見えたりするという話もあるが、今夜はそうでもない。
ただ目に入っている時間がやたら長い。
深夜0時を過ぎてもまだ目の中らしい。
そんな中で、当主、大池氏は本来今夜やる筈であった月祭りを開催した。
本来なら集まってやる筈だったけれど、集まれなくても皆それぞれいる場所でやっている筈だと言う。
ありあわせでもごちそうになる。
明日のライブは台風が過ぎているだろうから多分大丈夫だろうということにして寝てしまう。
今日は一日引きこもって寝ていたのに、まだ寝れるもんだねえ。
翌12日もまだ風雨は強い。夕方まで飛行機は欠航らしい。早めに移動して正解だった。
ただ、徐々に明るくなってきているようでもあり、台風は去りつつあるという印象だ。
やはり本土、千葉県にいて来襲する台風とはわけが違う。
若くて生きの良い台風の凄まじさというものを今回はたっぷりと体験させていただいた。
これが古い木造住宅だったら生きた心地はしないだろうな。
大池氏宅に避難している黒猫まるちゃんがまとわりつく。
午後からはうっすらと日もさして来てライブには差し支えない。
ただ、今度は台風の後片付けで都合がつかないお客さんもいる。
しょうがないのだ。
b.の西川さん、ts.の千葉さんも無事到着した。
今夜はJazz Nightである。
こんなに自由にジャズができるのはこのメンバーだけ。
とても楽しみなのだ。
今夜、面白かったというよりは新鮮だったのは、My favorite things、Take five、てぃんさぐぬ花~Imagine。
もっとも、このバンドはts.の心もちで予想しない曲に飛んだりするので、細かいことは気にしない方が良い。
即興演奏の醍醐味だ。
お客さんも楽しんでくれるし、やっぱり格好つけないジャズは楽しい。
というわけで悪天候の中を来ていただいたお客さんに感謝、感謝。
翌13日、天気は良くなりつつあるが風はまだある。
台風が大きかったことと速度が遅かったことで丸三日、強風が吹き荒れたことになる。
鳩間島には行けなかったが早めに沖縄に渡ったのは良い判断だった。
台風一過
よく見ると人の顔だ。台風のせいだろうか足が一本取れている。
今日は、糸満に移動して、春に共演したフルートの藤沢さんとピアノの火いろさんとの共演だ。
彼らも本土からの移住組だがまだそんなに日は経っていないとのこと。
今日は糸満に引っ越して来てから当地での初めてのライブというこで、早速リハーサル。
お店は海沿いの新興住宅地のような場所にある。毎日の釣りポイントの近くらしい。
糸満の海
本日の現場
ここで火いろさんは、鍵盤ハーモニカを共鳴箱に組み込んだヒロニカなる自作の楽器を演奏した。
更に音が大きくなるのと演奏上の安定感が増す、箱を叩けばパーカッションにもなるという優れものだ。
音響機器はないので全て生音で演奏した。
ギターはちょっと大変だけど、思い切って弾けるので音量や音質に気を使うことがなく却って楽なのだ。
最後はお客さんも巻き込んでのダンスタイム。
打ち上げはお家で。
14日はさすがに台風の影響もなくなって良い天気。
ちなみに安栄観光のサイトをチェックしてみると上原・鳩間航路はまだ欠航している。もう二週間くらいになるのではないだろうか。
今日は首里のアルテAホールで昨日の3名にパーカッションの翁長巳酉さんを加えての演奏。
火いろさんたちはいつもカニを採りに行くらしく今朝も出かけていった。
はさみまで広げると30cmくらいの大物も珍しくないとのことで、これが実に美味しいらしい。
火いろさんは以前、所謂テレビ、ラジオ等の芸能界の仕事をしていたらしくその手の写真が結構あった。
年は小生よりちょっと上だが世代的には同じなので、時代的に懐かしい写真が多々あった。
そういえば大池邸での打ち上げも古いテレビ番組の話題で盛り上がったな。
30代以降はテレビを殆ど見なくなってしまったので古い話しかできないのだ。
それで十分だけど。
台風の影響だろうか釣果はなく、軽くリハーサルをしてから会場入り。
合間に本日が誕生日の小生のためにハッピーバースデーの演奏があって、ありがたい。
さらに感心したのは、ほんの5分の時間で火いろさんが3名分の弁当を作ってしまったこと。
確かに時間と金の節約になる。大事なことだ。
さて、演奏は翁長さんも加わったことでサンバ色が強まった。
サンバを演奏したいのだができる人が少ないということだ。
所謂ボサノバナンバーはできるわけで、これはジャズ系の演奏者からは入りやすい。
前々から感じていることだが、ボサノバはある時代にはやったブラジル音楽だから、サンバ奏者は演奏できるのは当たり前、しかしボサノバしかしらない人がサンバを演奏するのは難しい。
ジャズ奏者がサンバを演奏するのが難しいのと似ている。
コンサートはフラメンコダンサーの飛び入りもあって盛り上がった。
今日も打ち上げはお家で。
ここでまたまた感心したのは帰ってシュウマイを作ってそれをアテにして飲もうとの提案。
普通、えー、これから作るのとなりそうだが、帰りがけにシュウマイの皮を買って、帰ってすぐにシュウマイ作り。
実はこれに採れたカニを入れると最高に美味いのだそうだ。だが本日は運悪くボーズ。
そういうことだったのか。
でも3名で具を詰め込んでふかしあがったシュウマイはとても美味しかった。
ごちそうさまでした。
15日は予定通りの帰還日。
またの共演を約して空港へ。
お土産は荷物もあったし時間も中途半端だったのでモノレール駅から近いスーパーの食品売り場で今晩のおかず的な買い物。
それでもなんとなくそれらしくはなるのだ。
今回は台風18号が去った後に沖縄入りし最強台風19号の直撃を経験して、鳩間島には渡れなかったものの、良い経験をしたと思う。
ああいう状況でほぼ予定をこなせたのはラッキーだった。
いつもながらお世話になった方々には感謝に堪えません。