2025年 スリランカの旅 第6章 アヌラーダプラからポロンナルワ
第6章 2/23(日) アヌラーダプラからポロンナルワ
ホテルの部屋は広くて清潔、エアコンも良く効いていて申し分ないのだが、蚊には悩まされた。
トイレとの仕切りを開けたままにしておいたのが良くなかったのかもしれないが、かゆかった。
朝の散歩
朝食を頼んでおいたのでいただいた。
やはりココナッツとダルのカリーは付く。
今までと同様、かなり量がある。
今日は、10時にN君が迎えに来てくれてtukで次の目的地ポロンナルワに向かうのだ。
ポロンナルワはここアヌラーダプラとキャンディと並んで文化三角地帯と呼ばれる場所で、遺跡、遺構が多いことで有名だ。
出発前、オーナー夫婦の求めに応じてギター演奏、とても喜んでくれた。
10時過ぎにN君がやって来た。
精算の話はまとまっている。
今日は日曜で休日なので、下の娘たち2名を一緒に連れて行きたいと言う。
もちろんOKだ。
上は12歳のお姉ちゃん、下は5歳の妹。 二人とも美人だ。
小生の勝手な印象だがスリランカ人の若い女性は美人が多いように思える。
ということで、tukの後ろの席は3名と荷物で多少窮屈だが、4名で出発。
ポロンナルワまではバスだと約2時間半とのことだが、こちらのバスは乗用車よりとばすので、tukだと3時間くらいだろうか。
バスは2017年に来た時の印象から、結構厳しい環境の乗り物だと思っていたが、今は料金が安くてどこへでも行ける、またどこでも停まってくれる庶民の足として貴重な交通手段だと思っている。
時々見かけるJaffna行きのバス。
Jaffnaはスリランカで最も北にある街でコロンボから400km強はある。
日本でいえば、東京から神戸辺りまでの距離。
この距離を1日に4,5本の普通の乗り合いバスが走っていて、料金は終点まで1000円くらいというのは日本人の感覚としては驚きだ。
ただ、荷物の多い旅行者には向いていないかもしれない。
途中、オープンなカフェで休憩。
到着地でN君との精算すると誤解(法外なtukの料金を支払っているとみられると困る。)を受けるかもしれないので、ここで精算を済ませた。
天気も良いし(入国してからずっと天気は良い。)、景色も良い。
湖に野生の像を見たりして飽きることがない。
のんびりと13時半頃にポロンナルワの街へ入った。
大きいゲートをくぐると、ここからなんだか雰囲気が変わった。
観光の街という雰囲気になった。
大通り沿いに商店が並び、小ぎれいな店構えが多いという印象だ。
何でも揃いそう。
さて、ここからホテルを探すのが少し大変だった。
N君のスマホのナビがうまくいかないようで、ホテルへ電話したり小生のナビも手伝いながら到着した。
N君一家とはここでお別れだ。
何から何までお世話になって、本当に親切にしてくれた。
おかげで、普通の旅行では得難い体験をさせてもらったり、昔の日本のような暖かい大家族の雰囲気を味合わせてもらった。
感謝、感謝!!
もし家族の誰かが日本へ来るようなことがあったら必ず連絡をしてくれと約束をして別れる。
N君親子、ここでお別れ。
このホテル、Windy Villaは、小さい集落にあって、前面西方向は一面田んぼ。
ホテルの外観と前の田んぼ。
マネージャー、ハシタ氏は40歳と若い。
部屋の説明を受けるが、ベッドルームはとても広いのが一つしかなく、キッチン、リビング、ダイニングもものすごく広い。
これはどうなっているのかと思ったら、なんとこの一棟全部が貸し切りとのこと。
敷地にはこの一棟しか建っていないのにこれは贅沢だ。
洗濯機も調理器具も冷蔵庫も使い放題、ベッドルームはAC完備!!
これ以上の贅沢があろうか。
ただし、自炊が基本。
買い物エリアまでどのくらいあるか、多分徒歩20分くらいだと思う。
暑いから思い切りが必要なのだ。
リビングルーム
キッチン
ベッドルーム
ハシタ氏が今すぐバイクで買い物に行こうと提案してきた。
今夜はクッキングクラス・ミール付きというホテル手配のアクティビティを申し込んである。
夕食はそこで摂れそうだから、ビールと少なくとも明日の朝食を買ってくる必要がある。
バイクの二人乗りだが集落の中を抜けていくだけだからノーヘルで大丈夫とのことだ。
ポリスはスピードとか追い越しとかに無頓着な割には、ヘルメットやシートベルト着用にはうるさいらしい。
賑やかなメインストリートまでバイクだと5分もかからない。
大きいスーパーマーケットでパン、マーガリン、ヨーグルト等々やラガーを購入。
戻ってシャワーを浴びたいし、溜まった洗濯もしたい。
しかし、ここで前夜泊まったホテルの部屋の鍵を持ってきてしまったことに気づいた。
ホテルのマネージャーと連絡を取って、鍵をハシタ氏に託して戻してもらうことで決着した。
良かった。
ネットでつながっているということは便利なものだ。
色々と用事を済ませて、ラガーを飲んでのんびりしているうちに空腹感を忘れてしまった。
クッキングクラスへの出発時間は18時30分。
またバイクで迎えに来てくれるのだ。
ここまで、停電2回。
海外ではよくあることだが、待っていれば復活する。
ACが効かなくなるのはちょっときついが。
18時半、ほぼ日が落ちた頃、ハシタ氏の迎えのバイクに乗り込んでポロンナルワ門を越えて結構な距離を行く。
着いたところはローカル色溢れるレストラン。「RASA BOJUN GEDARA RESTRAURANTS」。
ここが会場のようだ。
クッキングクラスは学校の調理実習室のようなところに行って、生徒何人かが先生の指導の下、8種類のカリーを作るものと思っていた。
できたものを自ら夕食として食べる。
しかし実態は大きく異なっていた。
料理人の奥様を紹介される。
このレストランの厨房に入って奥様と一緒にスリランカ料理を作って、それをブッフェ形式でお客さんに提供するというなかなかにハードルの高いものなのだ。
しかも厨房は薄暗く、薪を燃料として土のかまどを使うという本格的なもの。
燃え上がる炎が照明の代わりになる。
これが日本だったら、衛生面だの調理師資格だの何だかんだありそうなのだが、ここはスリランカ。 既に食堂営業は始まっており、これは前のクラスで作ったものだろうか。
白人観光客が何名かいて、すでにほぼ食事を終えたようだ。
小生の回の生徒は小生一人。
炎を上げ燃える釜戸
エプロンを渡され早速厨房へ入りお手伝い開始。
8種類のスリランカカリーを作るというよりは、8種類のスリランカ料理を作るというミッションだ。 スパイスの種類は自宅でも使っているものとほぼ変わらなそう。
大きな違いはココナッツを多用すること。
料理の素材としても、オイルもココナッツオイルをたっぷりと使う。
薪の火力は強い。
ココナッツミルク
まず小生のすることは、主に生地をこねること。
こねた生地と材料を混ぜて更にこねる。
力仕事だ。
ココナッツの水を飲んでしまった内側の実の部分を、道具を使って細かくこそぎ落とす。
これが結構な力仕事。
これを丸い石を使ってさらに細かくする。
砕いたココナッツの実に薄力粉と水を混ぜてこねる。これも力仕事。
鶏肉に出汁をしみこませてこねる。
これは家でもよくやっている。
その手を洗ったボウルの水も鶏料理に使う。
なるほどね。
今までこねていた手は勿論右手。
オイルを鍋に入れて熱して、そこに直接スパイスを入れていくこともあった。
薪を燃やす炎は勢いが良く、ACなど無いし、おまけに力仕事でとにかく暑い。
名前は忘れてしまったがサツマイモによく似た野菜があった。
スイートポテトは、生でシリシリとしか言いようのない道具でカット。
ナスもひたすら細かくカット。
日本で使うまな板は見当たらず、道具を使って手元でカットしていくのがほとんどだ。
まな板を使わないのでナイフはあまり使わない。
ココナッツと粉をこねたものを手で平たく伸ばしてせんべい状にして焼く。
これはロティになる筈だ。
細かく刻んだナスとニンニクたっぷり炒めは大量の砂糖を溶かした鍋に入れた。
これはかなり甘そうだ。
ココナッツと何かを混ぜこねた茶色いボールを作って、ココナッツミルクを主体とした甘いたれにつけてココナッツオイルで揚げる。
これはデザートだそうだ。
後で調べたら、タラボーラというスイーツだった。
いつも食べているココナッツカリーもある。
野菜のかき揚げのようなものが出来上がった。
かき揚げてんぷらの衣が多いような感じだ。
アツアツを食べてみろと言う。
ほんのりと塩味が効いていて、ものすごくおいしい。
これはワディだと言う。
ワディといえば、そこら中の屋台で売っていて、列車内では必ず売りに来るあれだ。
揚げたてはここまで旨いのだ。
街で売られているワディはいろいろな種類があって、丸いものやドーナツ状のものがあったが、ここはかき揚げ天ぷら状。
これは何という料理か忘れてしまった。
奥様のお母さん、娘さん、息子さんまで登場して最終段階に入る。
家族経営なんだろう。
スリランカは大家族が多いのだろうか。
レストラン全体が半野外のオープンな構造で、もちろんACなど無く、かまどに薪なので大汗をかきながら鍋ふりを任されたりして、何とか8種類のスリランカ料理(もっと種類があったようにも思える。)を作り終えた。
約90分かかった。
基本全部手を使って仕事をしていた。
当然ココナッツオイルまみれになるのだが、ココナッツオイルはさらっとしていて水で洗うと落ちるのが早い。
できあがった料理はブッフェ形式でお客さんに提供された。
有名な店らしく、結構お客さんも入っている。
奥様がお客さんに小生を紹介してくれた。
お客さんのドイツ人から「Good job!」と言われた。
単純にうれしい。
調理中に味見やらなんやらでそんなに空腹ではないが、やはり自分が調理にかかわった料理は食べねば。
とても美味しかった。
ずっと器具ではなく手を使って料理をしていたので、食事も自然と右手で食べた。
手で混ぜながら食べる方が実は美味しいことは、2018年に来た時に経験した。
90分、結構長い時間のように思えるが、楽しい時間はあっという間に過ぎる。
小生、普段から料理はしているが、薪を使って、器は土器、古式ゆかしき厨房での調理というのは予想をあまりに覆すものだった。
ホテル Windy Villaの「Learn the art of Sri Lankan cuisine」というアクティビティなので、どこかの家庭科実習室のような部屋で調理実習のようなことをやると思っていたのだ。
しかし、うれしい誤算とはこのことだ。
今になって考えると、調理実習クラスというのではなく、レストランの厨房に入ってもらって実際の料理を経験してもらうというアクティビティなのだ。
これは普段料理をしていない人にはハードルが高いだろうな。
小生にとっては本当に楽しい時間を過ごさせてもらえたし、今まで自分が味わってきたスリランカ料理がどのようにして作られて来るのか、ほんの少しわかったような気がした。
ああ、楽しかった。
これは絶対にお勧めできるアクティビティだ。
とても幸せな気分になってホテルー別荘に戻って、お土産にいただいた料理をつまみにライオンラガーを飲む。
今日は充実していて楽しい日だった。