新しい楽器
皆様、今晩は。
先週新しい楽器を手に入れました。
ちょっと前から目をつけていた楽器、スペイン製のマリアーノ・テサーノス2世とテオドロ・ペレスという職人さんが製作した純粋クラシックギターです。1998年の作。
いつも利用している中古楽器屋さんで見つけたものです。
ここ1年くらいブラジリアンクラシックギターを好んで練習してきて、本格的なクラシックギターが欲しいと思っていました。
10年ほど使ってきているラミレスのエレアコも大変気に入っており、エレアコながら生音がとても良いので、状況が許すならば、なるべくラインを繋がずにマイクだけで弾くようにしています。
ただ、エレアコは構造上クラシックギターと異なっていて、その差は如何ともしがたいものがあるように思えます。
今回手に入れたギターは、中古品でボディに僅かな傷があることとリペアを施していることから価格が安くなっていました。
定価ならとても手が出ない代物です。
1時間ほど試奏してその鳴りの良さに驚きました。
低音が深く響いて響きが長い。中音の音量がとても豊か。高音の抜けがとても良い。これらが絶妙なバランスを保っています。
そしてとても音が大きく響きます。
今まで弾いた楽器の中で最も豊かな音の楽器のような印象です。
しかも製作者がラミレス工房出身者のためか、長年ラミレスに親しんだ体にとてもしっくりくるのです。
中古とは言え、高価な買い物です。
迷いました。
ラミレスを購入したときも、探し歩いて見つけて試奏して結局その場では買わずに引き上げて、家に帰った後に購入することを電話で告げたことを記憶しています。
このときはそれで手に入れることが出来たわけですが、今回、決断できずに帰宅して思い悩んで買おうと決めたときはもう他へ回ってしまって後悔する可能性は十分にあります。
高価な楽器、価格的に手が届かない楽器は、試奏して感心して「こんな楽器もあるんだ」と納得して終わりですが、今回は頑張れば手が届く範囲。
もうここで決断しなかったらこんな楽器が自分のところにまわってくる可能性はこの先ないんじゃないかと思ったことが決め手になりました。
楽器は相性が大事で、一目惚れは重要な要素だと思います。
縁とでも言うのでしょうか。
早速帰宅して、その日から弾きこんでいますが、鳴りのすごさには驚くばかり。
クラシックギターとはこういうものだったのかと目から鱗です。
ギター以外のところから音が出てくるような気もするし、弾き方によってはエコーがかかったような音までする。低音の響きは凄みすら感じさせます。
静から動まで色々な表現が出来るような気がします。
ただ、デリケートなものなので野外や直射日光は厳禁だし、生かマイクどりかどちらかなので、大音量楽器との共演はできません。
演奏する場所やシテュエーションが限られてきます。
野外、潮風、直射日光、大音量とマイナス条件が揃いまくる鳩間島音楽祭には残念ながら出せません。
ライブの場では今までどおりラミレスのエレアコが活躍することが多いでしょうが、状況が合う場合にはできるだけこの楽器を演奏していきたいと思っています。
近くは4月16日の野毛「ザ・タイム」でこの楽器を演奏できる予定です。
興味のある方、是非このマリアーノ・テサーノス・ペレスの音をお聴きになってみてください。
ではでは