2011年春・玉城から座間味へ
皆様、こんばんは
早いもので、八重山・沖縄でのライブも残すところ5月7日と8日の2日となりました。
本日、5月7日は来沖してすぐ、4月24日にライブを行った南城市の玉々庵です。
4月はバンドでのジャズ・ライブに対して、今回は斎藤みゆきさんが同道して100%ブラジリアンスタイル・アコースティックライブ。
前回とはまったくスタイルが違ったので、両方聴いてもとても楽しめたと思います。
帰郷するのがまもなくなので、荷物が多少重くなってもいいもの、すなわち玉城焼きを購入します。
ここに来るたびに買っているので、家ではサックス奏者稲福哲夫氏作の玉城焼きが相当増えてきましたが、先の地震で食器が結構落ちてやられてしまったので補充の意味もあります。
でも毎回、新しい作品が見られるので、そのことも楽しみ。
朴訥でダイナミック、ユーモアがあって時間が閉じ込められているような感じを受けます。
アフターアワーの哲夫氏
そういえば、今回の旅では与那国島のYさんも陶芸家でミュージッシャンでしたね。
ここ玉々庵のお客さんは、ご主人が移住者ということかもしれませんが、沖縄へ移住してきた人と地元の方がチャンプルーになっていて、いつも和やかな感じです。
民謡は当然のことながら、民謡以外も含めて音楽をたしなむ人も多く、音楽を聴く姿勢(姿かたちではなく)がとてもいい感じです。
ご主人の大池さんとパートナーのCさんは、自然と社会、人間、環境、沖縄の問題等を幅広く捉えて実践に生かしている人なので、そのような活動に共振する人たちが自然と集まってくるのかもしれません。
とてもユニークな人たちがたくさんいらっしゃいます。とはいえ、皆が皆そうなのではなく、音楽が好きという広い幅で共振しているようです。
政治や宗教とは異なります。
翌8日は久しぶりに朝からすっきりと晴れてよい天気。
この旅の最後の目的地、座間味島へ向かいます。
昨年も開催した、Cha Villaでのコンサートです。
泊港朝10時、ベースの西川さん、ボーカルの雅さんと合流。
フェリー座間味で2時間。
天気が良いので島々の眺めは良好です。
しかし、この同じ風景を昭和20年3月、アメリカ軍の艦艇が埋め尽くした写真を見たことがあります。
あれから60数年の時を経て美しい風景は回復していますが、沖縄自体は回復されたとはいえないでしょう。
途中、阿嘉島を経由します。ここでも10年ほど前に演奏してことがあります。
阿嘉島
今日は、晴天で日差しも強く温度も高く、こちらへ来て今迄で一番いい天気じゃあないかな。
座間味港
Cha Villaへ到着、昼食後、こんないい天気だから皆で浜へ行こうと、島の反対側、古座間味ビーチへ。
大変きれいなビーチですが、業者が有料パラソルやら置いているし、遊泳ラインも決まっているみたいで、さすがに観光地だなと感じました。鳩間島の感覚だと、浜はあるがままが当たり前、お金を使うところはないという感覚ですからギャップを感じますね。
古座間味ビーチ
千葉、西川、沖縄を代表するジャズミュージッシャンのツー・ショット
さて、コンサート会場は昨年と同じくペンションCha Villaの中庭。
昨年は、同じ日だったのですが、雨がちで、雨除けにビニールシートを張って、演奏は半屋内からという状況でしたが、今日は晴天、まず雨の心配はなさそう。
中庭をフルに使って準備が進みます。
今年は震災でここに非難されている家族もいるということで、チャリティボックスを設置してのコンサートになりました。
鳩間島も伊原間もそうでしたが、あらゆるところでそういう配慮はなされているようです。
夕方から三々五々お客さんが集まり始めて、コンサートは開催されました。
今年は、みゆきさんもメンバーなので、ジャズとブラジルのジョイント。
ジャズナンバーのインスト、雅さんを加えてジャズナンバー、みゆきさんを加えてブラジリアンナンバーと、内容も濃くてお客さんは相当楽しめたと思います。
主催者挨拶
最後は、サンバを全員で踊る。
サックスの千葉さんは、身軽なのをいいことに、楽器を吹きながら踊りの輪に加わってしまうし、身軽ではない筈のベースの西川さんは、ベースを弾いている場合じゃあないとばかりに、職場放棄。
一緒に踊り出してしまいました。
サンバを始めるとピアノを弾いている場合じゃあないと打楽器や踊りに走るピアニストも知っていますが、彼らはおなじノリですね。
ここで小生も職場放棄すると、楽器がいなくなるのでじっと我慢。
このジャズマンたちとはジャズをやっても東京でやるのと違って、とても楽しく演奏できるのですが、案の定、サンバをやっても東京のジャズミュージッシャンのそれとは違うノリで、サンビスタの我々としても気持ちよく演奏できました。
腕が違うのか、土地からくる気質が違うのか、この旅の始めにそういうことを理屈で考えるのは評論家ではないのだからやめようと思ったので、あまり考えずに身を任せることにしました。
言えることは、このメンツでサンバをやってもすごくはまるということです。
去年は雨の中、延々と飲んでいたけれど、今年は、明日早いということもあって、ほどほどに終了。
翌日は、帰京の日です。
ところが、この日から高速船がドック入りで欠航のため、海上バスともいうようなチャーター船で一旦渡嘉敷島に渡り、渡嘉敷島から泊港へ高速船というルートを主催者が用意してくれました。
立派な渡船
台風1号がフィリピン近海で発生、北上しているということで、南向きの航海はそこそこに揺れます。
渡嘉敷島は船を乗り継ぐだけの上陸でしたが、初めての上陸。
慶良間諸島では一番大きい島らしい。
座間味、阿嘉、渡嘉敷等の慶良間諸島は、アメリカ軍が沖縄本島上陸前に上陸した場所として、悲しい歴史を持っていて、未だ拭い切れない問題もあるようです。
渡嘉敷島
渡嘉敷島のちょっと変わった風景
渡嘉敷港
那覇空港からは午後の早い便です。
いつも思うのですが、長いようで思い返すとすぐに時が流れたような気がします。
今回は、思い切って与那国島まで行って本当に良かったと思いました。
短期間ではありますが色々と勉強させてもらえたし、鳩間島音楽祭も伊原間も石垣、沖縄、座間味も、こんな時期だからこそ変わらずに音楽を楽しんでもらえたことは大変幸せでした。
鳩間島音楽祭の翌朝、会場後片付けの後、片付け参加者全員で車座になって飲みながらの自己紹介と挨拶をします。
小生、図らずも、最古参から二番目なので古参の挨拶をしろと言われて、大体こんなふうに。
八重山・沖縄へ来ると、いつも音楽の原点を伺えるような気がします。音楽をすることの意味を確認できるといっても良いかもしれません。音楽をする喜びを通して友達になることの喜び、生きていることの喜びや悲しみを共有する。今年は特にこんな時期だから、ともすれば音楽をすることの意味を見失いそうですが、ここへ来てまた確認できました。
ま、大体こんな感じですが、正直なところですね。
関係して下さった皆様に感謝いたします。
ではでは