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2011年05月 アーカイブ

2011年05月20日

2011年春・沖縄から与那国島へ

皆様、こんばんは
今年も鳩間島音楽祭の時期がやってきました。
今年は震災のため、気分がマイナスになりがちですが、根拠の無い自粛ムードは何のためにもならないと思って、例年と変わらずつとめあげることにしました。

今年は、4月22日出発、5月9日帰着と例年に比べて若干長いかもしれません。
今回は、前半に与那国島を訪れることがいつもと異なります。

小生を鳩間島音楽祭に出演させるきっかけを作ってくれて、その後も八重山との音楽交流の橋渡しをしてくれているT校長先生の赴任先が与那国小学校で、一度遊びにおいでと以前から言われていました。

与那国島は、石垣島から127km、日本最西端の島でそんなに簡単に行けるところではないのですが、T校長は確か来年定年退職の筈だからその前に一度行っておこうと、今回思い切って行ってみました。

さて、旅の始まりはいつものように沖縄(沖縄本島のことを指します。)からです。
まずは、那覇市桜坂の「SACRE」にてソロライブ。
ソロとはいっても、美可さんのボーカルがたっぷり入るのであまりソロっぽくはありません。
最近は、演奏する前に二人でリハーサルもしているのでだいぶ息が合ってきているようです。
素敵なジャズボーカルをたっぷりと唄ってもらいました。
年に二回は共演しているから、呼吸も合いますね。
とても気持ちのいいライブです

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翌23日は空きスケジュール、昼間は与儀公園の方まで散歩したりして、夜は浦添の友人Y子さんと食事と飲みは栄町市場。
絵に描いたような古い古い飲み屋横丁で、なんだか郷愁をそそります。

そういえば、22日に羽田から沖縄までのANA機長は偶然、高校の同級生。
わりと最近ライブに来てくれていたので印象があって、普段聞き流してしまう「機長は某です。」というアナウンスが耳に入って、CAさんを通して到着後連絡してもらいました。
こんな偶然はかなり珍しい。

24日は玉城「玉々庵」で千葉(ts.ss)ー西川(b)―雅(vo)―小生のジャズライブ、その前に玉々庵主人、大池功さんも出演するパレット久茂地前で開催された震災復興応援ライブエイドへ。
大池さんは知念良吉さんのバンドに出演。飄々としたサウンドがとても素敵でした。

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その後合流して玉城「玉々庵」へ向かいます。
このクァルテットは今回で3回目の演奏。
沖縄ジャズ界の重鎮、西川勲さんを強力な重石に置いてスイングします。
彼らとジャズを演奏すると本当に楽しい。
東京でジャズを演奏するのと違うのは何故か。前回から相当に感じていて自分なりの理由もなんとなく出せそうなのですが、もう今は理屈で考えるのはやめようと思いました。
小生は評論家ではないので。
今回はこのメンツと終盤、座間味島でもう一回、しかもブラジル音楽を含めて演奏できるのがとても楽しみです。

千葉ー西川ー板垣トリオ   もうトリオ名をつけてもいいかも。
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ミヤビさんのソウルフルなボーカル
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楽しいアフターアワー。玉々庵はこれがいいのです。
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翌25日、一旦石垣島へ行って26日の朝、飛行機で与那国島へ向かいます。
26日の石垣島は相当な雨。
でも、127km離れた与那国は曇り空ながら雨は降ってはいません。
研修で石垣に出かけるT校長と入れ替わり。明後日には戻ってくるそうで。

本日から二日間はあやみはびる館(あやみはびるとは与那国蚕(よなぐにさん)のことです。)という博物館と同じ敷地内にある児童交流施設に滞在します。

以前に石垣の少年自然の家にも泊まったことがありますが、それと同じような施設で、ロケーションも市街地からかなり離れた山の上にあります(車でないと行けません。)が、ここは5km四方に人家は無いんじゃあないかな。案内してくれた教育委員会のMさんによれば、夜は街灯も無いので真っ暗になる。明かりはここだけだから決して窓は開けないでくれと。山中の有象無象が集まって来てしまう。
広大な施設に一人、というのはちょっと怖いかもしれませんが、小生はこういうの好きです。

交流センター
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アヤミハビル館から交流センター全景を臨む。
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アヤミハビル館とヤギ
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交流センターから祖内方向の眺め
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こういう施設に泊まっていて教育委員会のお世話にもなるわけですから、当然学校に対しての特別授業という仕事はしなければなりません。それは後のお楽しみ。

校長が出張してしまったので、教育委員会のMさんに色々と案内してもらいました。実はこのMさん、唄者でありまして、後日、交流音楽祭においてその強烈な存在感をアピールしてもらうことになります。そのことが分かったのが、一緒に比川集落に住む陶芸家のYさんをお尋ねしたときでした。

T校長が28日にゆんたく会があるからねと言っていたのが、どうやら島の音楽愛好者との交流コンサートという形になっているらしく、Yさん宅訪問は小生の顔見せを兼ねてケーナやギター、唄をたしなむYさんのコンサート出演をプッシュするためらしい。
仕事場でもあるYさん宅で楽器を取り出してわいわいやっているうちに、件のMさんも昔のバンド経験からオリジナルの曲を一曲披露してくれました。これが実にすばらしい唄で、是非出演してもらわなければということで盛り上がってきました。

陶芸家Yさん宅にて
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校長のセッティングの巧妙さは鳩間、石垣の頃から十分に知っているので、これは気合を入れなければと思ったりします。

この日は、車で大まかに島を回ってみます。
与那国島は周囲約23km、石垣島までは127km、台湾までは111kmです。
島内は、「自衛隊誘致は私たちの悲願です」と「自衛隊誘致絶対反対」の横断幕が隣り合っており、これが最近の情勢です。

断崖絶壁の島という感じで浜は数えるほどしかありません。
道路は良いのですが、起伏に富んでおり、この島でのマラソン大会はきつそうですね。

校長が車と共に貸してくれたダンボールの中身は、炊飯器と米、鍋とインスタントコーンスープ、お茶漬け海苔とふりかけ。彼の言わんとしていることが良く分かります。
でも車があれば便利です。

ここに住んでます。
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夜になって、Mさんが一人の青年を連れてやって来ました。
沖縄でジャズをやっていた仲間から聞いた話では、一緒にプロでやっていたベーシストが教員になって与那国にいる。機会があったら一緒にやってみな・・・・・と。
そのMさん(以後TMさんです。)が、与那国小学校の教員をしているのでした。
これも偶然ですね。

プロでやっていた当時を振り返って色々なお話をお聞きしました。
コンサートでは一緒にやりましょうと。
沖縄の千葉さんや西川さん、美加さんのお墨付きのベーシストだからきっと楽しいことになりそうだ。

この施設、本当に夜は真っ暗。
人によってはこんなに広いところに一人だけというのは気味が悪いかもしれませんが、小生は結構好き。
敷地内にヤギが六匹、周囲に馬と牛がいますが、よく分からない鳴き声や叫び声みたいのも聞こえるし、でも熟睡。

翌日は、いい天気。
まずは、同じ敷地にある「あやみはびる館」を見学。見学者は小生一人ですからゆっくり見学できます。どうせ暇だからじっくり見てやろう。

あやみはびる(綾の模様のある蝶という意味で、与那国蚕(よなぐにさん)のことです。)という世界最大級の蛾は、羽化して雄で4、5日、雌で5~9日で死んでしまうそうで、ただ子孫を残すためだけに羽化する、蜜を採ることもないということで、見てくれとは逆にはかない生き物です。
この他、この島には珍しい蝶とかクワガタとかマニア垂涎の生き物が一杯いるようで、日本最小の蝉というものを係の人(実は昆虫学者ということです。)が裏から捕ってきて見せてくれました。ハエのようにしか見えないがよく見ると蝉だ。どうするのかと聞くと、木登りとかげの餌にするとかで、かごに入れると、とかげがパクッ。

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しかし、学名ヤエヤマオオゴキブリとはあまり会いたくない。

ヨナグニサン
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これも珍しいクワガタの種類
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この島は八重山、沖縄、日本へ至る黒潮の源流に位置するそうで、地理的には台湾、東南アジア、大陸からの流れの始まりですから、日本本土とは色々な面で異なっているようです。
それにしても蝶は海を渡るというけれど、確かに大海をひらひらと飛んでいる蝶を見かけることはありますが、どこで休むんでしょう。余計な心配ですが。

「あやみはびる館」は、生き物のみならず、与那国島の歴史を知る上でもとても有意義な施設でした。博物館を独占して堪能するという機会はあまりありませんが、じっくり見ると博物館というものは実に楽しいものです。

天気が良いので、車で島を一周。

立神岩
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東崎(あがりざき)灯台を臨む。
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宮良長包の曲で有名な、なんた浜
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島南部の比川浜
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東(あがり)崎方向を臨む。
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人頭税対策のため妊婦にここを飛ばせて死に至らしめたという非道な史跡、クブラバリ。
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与那国馬の群れが海の方からやってきて、道路へ去って行ったりします。

やって来て
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去って行く
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校長が夕方の便で戻ってくるので空港へお迎え、すぐにPTA総会だということで、大変お忙しそうです。
それでも夜は教頭先生も交えてのんびりゆんたくする時間も取れました。

さて、翌28日はちと忙しい。
二日間お世話になった交流センターを出て校長宅へ。午後の五時限目に五六年生を対象とした特別授業を行います。
その後TM先生の生ベースとリハーサルを行って、夕方から交流コンサートの準備と本番、後片付け、打ち上げと。

特別授業は、約40分、ブラジル音楽について語りと演奏ですが、何時もよりは子供たちに鳴り物を持たせて一緒に体験してもらう時間を増やしました。楽しんでもらえたかな。
子供たちは皆とても元気そうです。

与那国小学校
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池には与那国島の形をした石の造形
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特別授業
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学校の庭にオオゴマダラ(モンシロチョウを巨大にしたような蝶)のさなぎというものがあるのを教えてもらいましたが、これが黄金色、黄色ではなくて。珍しいなあ。

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交流コンサートは、与那国小学校体育館にて19時~21時。
演奏者は、フォークデュオ、オペラ歌手ピアノの伴奏付、Yさんのケーナとギターと唄でボリビア、ペルー方面の曲小生も加わる、ハワイアンスタイルの演奏、飛び入りのギター弾き語り、Mさんによるオリジナル曲の弾き語り、そして小生とベーシストTM先生によるデュオ演奏と結構盛りだくさん。

で、これが皆さん相当達者ですし、実に楽しそうに演奏します。
唄は皆、けれんみが無くストレートな表現で感心しました。
特にMさんのオリジナル曲の弾き語りは、何年ぶりでやったというわりには強烈な表現力で圧倒されました。ギターコードなんか2つしか弾いてないです。歌の強力な表現力があるのでギターの細かいことなどどうでもよくなっちゃう。石垣島は白百合のK.I.さんと通じるものがあると思っていたら、昔一緒にバンドをやっていたとのこと。
納得。

こういう音楽祭的なものは以前、比川集落でやっていたものの、それがお祭りに変化していって最近はやっていなかったということで、これだけ腕達者がいるとこれからもやっていきたいねとの意見もありました。
きっかけがあって、音楽を通した島人たちの新しい交流が生まれてとても良かったと思います。

若手教員によるデュオ。声の伸びが良くてハーモニーもきれいでとても良かった。
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オペラ歌手の熱唱
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T校長の司会
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陶芸家Yさんのケーナ(暗くてすみません。)
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Mさんの極めて強力なオリジナルソング
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TM先生(b)と小生。楽しかった。(写真が暗くてすみません。)
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それにしても、石垣島の伊原間のコンサートもこんなふうにして始めて今年で5回目ですっかり恒例化しているし、その他にも明石、大浜なんかでも段取りを組んでくれたし、色々な意見の人がいるからこういう催しを行うのは大変だと思うのですが、校長のいつもながらのみごとな根回し、調整、段取り、しかも本人は前日まで出張している、どういうふうに行うのか、まったく頭が下がります。
後は校長宅で打ち上げです。

翌日は休日ですが、午後からは学校で育てているサトウキビの世話をしなければいけないということで、午前中校長自ら島を案内してくださるとのことになりました。

自分一人で車で一周したとはいっても、やはり地元にいる人と一緒に回ると視点が違います。

日本最西端にて
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与那国島は、一島一町で、石垣島からも離れているし、インフラ、ライフライン、行政等一つの島で完結しているようです。
与那国の人達は沖縄、八重山の人達に比べて大柄だそうです。
たても横も。
なまじダイエットなど眼中に無いそうで、それは美的感覚が違うのかもしれないねとは言っていましたが、水に石灰分が多いことの影響は眉唾物としても、更に南国の方とのつながりが深かったのかもしれません。海賊が来襲することが多かったこの島を守った伝説の女傑サンアイイソバも見上げるような大女だったとの伝説があります。

日本馬の原種といわれて大切に育成されている与那国馬。大人でも我々の胸くらいの身の丈、穏やかな気質でとても可愛いのです。この島では犬のような感じで居るのです。町立の与那国馬とのふれあい施設、「ゆうゆう広場」へ行きました。
実に可愛い。後ろからつんつんされて、なでなでしてあげて、すっかりファンになりました。

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そういえば、「与那国の猫小(まやぐぁー)」という民謡があって、その内容は、首里のお城の鼠を退治した与那国の猫が王様に珍重されて、結果、猫が与那国島を救ったということらしいのですが、その伝説が生きているようで、猫は大事にされているそうです。

市街地の中に堂々とそびえたっているティンダハナタという岸壁があります。中腹の遊歩道は観光用ですので行ったのですが、今日はそのてっぺんの平原、草原になっているのですが、そこまで案内してくれました。祖内集落が一望できます。高さ約70m、柵も何もありません。
しかし落ちても途中や下が鬱蒼とした森なので死には至らないことが多いそうで。
昔ここは、毛遊びの場所だったそうですが、下からは70m上のこの場所の会話が良く聞こえたそうです。そう言われてみると下の物音が聞こえますね。

ティンダハナタのてっぺんから祖内集落を臨む。
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そして、人口より多いといわれるお墓集落へ。
びっくりしたのですが、この島ではまだ土葬だそうで、座った状態でご遺体を運んで、伸ばして棺に入れて立派な亀甲墓に安置します。13年目に取り出して洗骨してお墓の近くで燃やすそうです。のぼりのようなものが多数はためいている景観やこのような習慣、日本の景色とはちょっと違いますね。
破天荒に立派なお墓もありました。

これは一体何か・・・・・・・・お墓の門です。
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で、これがお墓本体。これは例外的に超ゴージャスなものです。
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最高峰の(231m)宇良部岳まで登ると島の全体が見渡せそうでした。

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島に三つある酒造のうち、舞富名を作っている入波平酒蔵に寄ってみました。
ここでは、校長と知己の副社長さんから泡盛についてお話を聞けました。
今更恥ずかしいのですが、泡盛の原料がタイ米であることについて、お酒は土地の材料で作られるのが通常だから、何故タイ米なんだろうと疑問を持っておりました。
米が東南アジアから黒潮に乗って伝わって来たので、当初からいわゆるタイ米が伝わってきて、本土へ伝わってからはジャポニカ米になっていったということらしいのですが、そうすると、いわゆるタイ米というのは沖縄全体を見ると地場の米なんだなと、それで酒つくり、暑いから醸造は向かないから蒸留、麹は黒麹、結果、泡盛が出来ていったということのようです。
勉強になったし、おまけに60度の花酒の試飲なんかもできるし、製造現場も見学できて貴重な体験をしました。

検定用の甕に溜め置く。
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まさに醗酵中、とても良い香りがします。
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ほんの三時間くらい校長と車で楽しいお話をしながら回っただけなのに、なんだかすごく知識を仕入れた気分になっているのです。
そうか、この人はベテランの教育者だったと改めて見直してしまいました。

この日の夕方のRACで石垣島に戻ります。

RAC
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これから先は仲間と楽旅になります。

今回、思い切って与那国島まで行って本当に良かったと思います。
音楽の持つ力、音楽がとりもってくれる人とのつながり、音楽を媒体にして人と人とがつながれること、そして勇気付けられること、勇気を与えること・・・・・。
音楽をやっている意味を更に確認できたような気がします。こんな時期だからかもしれませんが。
与那国島の皆さんに深い深い感謝の気持ちと想い出を胸に与那国空港を飛び立ちました。

ではでは

2011年05月26日

第14回鳩間島音楽祭、9回目の出演

皆様、こんばんは

今回は2011年春・八重山・沖縄旅 第二編 「第14回鳩間島音楽祭」 です。

与那国島から戻ってきて、今回メインボーカルを務めていただく斎藤みゆきさんと合流します。

ところで、与那国空港の方が石垣空港より滑走路が長いんですね。どおりで離着陸が石垣より緩いと思った。
それでもさすがにRACのプロペラ機は着陸がスムーズですね。

みゆきさんは沖縄は何回か来ていますが、八重山は初めてとのことです。

4月30日は、おなじみのパパビゴーヂでデュオライブ、こういう場合は完全アコースティック・ライブになります。

去年からは、そのためにギターを2台持っていくので、荷物の割り振り(機内に持ち込むものと預けるもの)を工夫しています。
楽器は預けるとして、金属製の物は預けて重量が20kgを超えないようにする、かつ重くなる紙類はなるべく機内持ち込みにする、また、衣類の一部はギターケースにクッション代わりに詰め込んでしまう。こうするとわりとうまくいきます。
預けは大体いつも19kg。

さて、ライブは、客席も八割方埋まってくれて気持ちよくできました。

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翌5月1日は鳩間島へ渡ります。

以前は米、味噌、調味料的な食料は自宅から送っていたのですが、最近は送料もかかるし面倒なので、ここ石垣で調達して船に積み込むようにしています。
生鮮食品も調達するのでその方が便利です。

今年は、いつもの関東メンバーが殆ど来られないので、石垣島のサンバチームにかかる比重が大きくなります。
そこに思いがけず強い味方が。
大阪の旧知の間柄、パンデイロ奏者のP子さんが新婚旅行で石垣に来ているということで、実は先日のライブにも遊びに来てくれて客演もしてくれました。
鳩間の音楽祭にも行くというので、まさしくこれ幸い。

航路も静かで、今までと変わらない島。ほっとしますね。
例年より涼しい感じ。動いてもあまり汗もかかないし。
いつも渡った日はのんびりすることにしています。
どうせ本日夜から石垣に戻る日まで色々ある筈ですから。

鳩間は始めてのみゆきさんを案内して島を一周。
途中立ち寄った深若の浜では、島人のNさんを中心としたヤギの解体の作業中。

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夜は例によって、勝おじいや島の皆さんと飲んで唄って演奏して楽しく過ごします。

だいたい2日から皆さんやって来ます。
3日に来る石垣メンバーを除いて主要メンバーが揃いました。
日本酒上手のNさんが持ち込んだ大変に美味しい日本酒でまったりとした午後を過ごします。

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しかしこれが誤算でした。
今夜は前夜祭、無礼講にも拘らずいつも出場者が少ないので、盛り上げ役をしないといけないかなあと思っていた筈が、大変に美味しい日本酒というのは鬼門ですね。何時の間にか熟睡してしまいました。気が付いたら夜の9時半。10時には終わる筈だから・・・・・・・。あーーーあ。過ぎたことはしょうがないですね
ま、これは出番の約束も無く適当だから、いいかななどと勝手な自己弁護。
すみませんでした!!!!

熟睡したおかげで翌日、本番の日は気分爽快。
天気もまずまず。
実は沖縄は、例年より1週間も早く、4月の末に入梅しているので、天気は危ぶまれます。
今年は、打楽器の殆どを占める石垣島のメンバーが、当日入りするので、リハの時間が取れるかどうか、例によって出演時間もまだ明かされていません。みんなには何があるか分からないからなるべく早い船で来てくれと言ってあります。

この「何があるか分からない」というのは鳩間島に滞在するときの基本的なスタンスです。
いろんな意味で、常に不測の事態に備える心構えが必要です。

で、プログラムを取りに行ったら、10時開始で挨拶とか民俗古典芸能とか学校とか比較的短めの出し物の後、我々は実質的にはトップバッターになっています。
この調子だと11時過ぎには出番がやってくるのではないか。
リハーサルの時間は当然取れないし、そもそもやつらは間に合うのか。

でも何とか皆1便で到着。今日は臨時便がたくさん出ているので大丈夫でしたね。
一休みする間もなく、本番の打ち合わせです。
こんな場合は、ややこしい仕掛けは使わないのが安全で、「GO、STOP」で対応できるような構成にします。
あとはみんなのサンバぢからを信じるだけ。
今年も、瑠璃の当主、勝おじいもジョイントします。
もう3回目か。名物になってきています。
ジョイントのきっかけになった乱入を含めると4回目かな。かなり慣れてきています。
元々太鼓の名手(三味線、唄ももちろんですが。)なので、打ち始めてしまえば任せて良いわけで、GO、STOPだけをすぐ横でささやく人が必要なのです。
これは以前から若い女性の役目と決まっていて、今回は・・・・・・・・・・と考えたのですが、前出のP子ちゃんがいるではありませんか。
とても重要な役割だからと言い含めてパンデイロ演奏と共に重責を担ってもらいます。
早い時間の出演は、終わってしまえば後はゆっくり飲めたりするので望むところではあります。
時間が押す心配も無いからたっぷりとできる筈というよりプログラムを見ると出演組がなんだか少ない気もしますね。
これはじっくりやれそうだ。
午前中は天気も安定していそうだし、去年のようにステージの最中から雨が降り出すということはなさそうです。
心配されたお客さんも早い時間からほぼ一杯になって、日差しも強くとてもいい感じです。

古典「ユーアギジラマ」
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鳩間小中学校
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この頃の客席
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今年は、サンバチーム9回目の出演。

始めはKAZUと二人で参加して、段々人数が増えていき、石垣島にもサンバ愛好者が増えて、今は石垣チームを中心とした形にシフトしていってます。いい形だと思います。
メンバーも変わっていっていますが、そもそも人は集まり散じるもの。
集まり散じて人は変われど、仰ぐはおなじきサンバのちから。
どこかの校歌みたいですね。
来年は10回目の出演になります。
10年。早いですね。

ステージは音響も良く、みんなの音が良く聞こえて(これは毎年とても大事な要素です。)、とても楽しめました。
みゆきさんのボーカルはさすがの貫禄。後半は千草ちゃんとの女性ツインボーカルで盛り上がりました。
華やかでよかったなあ。
勝おじいも、もうすっかりなじんで演奏してくれました。

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鳩間島音楽祭も今年で14回、国の地域再生大賞優秀賞をもらったりして、だんだん知名度が高くなりつつあります。
でもこの音楽祭がとても素晴らしいのは、島関係者だけで運営していること、ひも付きではないこと、伝統芸能や民謡だけを重んじるのではなく、ジャンルを広げていることだと思います。
出演者全員手弁当、前日までの準備、当日の運営も翌朝の後片付けも島関係者、島に偶々いる観光客の人たちの手で行われ、誰も金銭的な利益を受けることはありません。
もっともここで何日か生活していると、お金だけじゃないということは分かりますが。
ジャンルに関しては与那国島もそうでしたが、皆、普通に音楽が好きなのでどんなジャンルでも楽しんでくれます。音楽家が音楽することの喜びを聴き手と共有できるような演奏であればどんなジャンルでも良いと思います。
もっとも小生が感じているのは、沖縄は「普通に音楽が好き」というよりは、民謡を中心とした音楽が生活の中に当たり前に存在するので、うちなんちゅは歴史的に音楽に対して鋭敏な感覚を持っていて、どんなジャンルでも良いものは受け入れてくれるような気がします。
いわば「音楽上手」な島なのです。

「鳩間中森」の舞
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踊りの先生、値千金の笑み
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オリジナルソング、70年代ポップスの香り
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この頃の客席、温度が上がってます。
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島袋マサル
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同時アート
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下地勇
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同時アートの完成
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鳩間島オールスターズ
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何はともあれ、知名度が高くなっても、音楽をする喜びを共有し合うという純粋な目標は崩してほしくないですね。

さて、我々の仲間で、今年最もうけた出演者は、下地勇でもなければ、ビギンの島袋マサルでもありません。

竹富町議会議長の西大枡高旬氏でした。

小生は見ていないのですが、竹富町の他の離島を旅している連中は、選挙ポスターが目について、それは「コ十ン」と書かれていたようです(おそらく縦書きでしょうね。)。
一体どう読めばよいのか、彼らは非常に迷ったらしい。
結果、コナンだと。
それはないでしょ。
正解は「コウジュン」だったのですが、それが彼らのトラウマになっていて、一体どういう人物なのだろうと。
それが今回の音楽祭で竹富町議会議長として挨拶してくれる。
彼らにとっては長年のトラウマが解消される機会です。しかも、一曲唄ってくれたし。

ついに登場、竹富町のゆるキャラ「ぴかりゃー」
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入梅したけどとても良い天気
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というわけで、雨に降られることも無く、無事に音楽祭を終えて、いつもの桟橋の見送りです。

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見送りを終えたとたんに、急に風が北風に変わって温度が下がって天気が悪くなっていきます。ギリギリのタイミングでしたね。
後夜祭の時間は、幸いにして雨は降っていません。
公民館と野外ですぐに雨から逃げられるように半野外ライブになりました。
昨日前夜祭をすっぽかしてしまったことは、あまり関係なく、我々の関係者もどんどん行きます。

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特に、このところ話題の、女性ウクレレデュオ、「エプロンシスターズ」は大うけ。
実力も伴っています。

シスターズのリハーサル
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それから千草ちゃんの昭和歌謡も然り。

その後は毎年のことながら、今晩は訪問されたり訪問したりで余韻を楽しみます。

ゆるゆるのパゴーヂ
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しかし、前述もしましたが翌朝は7時半から会場の後片付けです。
これは結構重労働です。
一番きついのは、ステージ前のサバニを倉庫へ戻すこと。
これが重いんだ。
大の男十数人で対応します。
でも、これだけ人数がいるとあっという間に片付きます。
9時前には終了。
公民館前広場にて大きく車座になってぶがりなおし(打ち上げ)です。
当然この時間から飲むことになるわけです。
酒は回しませんけれど、観光客の方も多いので、おとーりのような自己紹介と挨拶をしていきます。
小生はやまとんちゅスタッフ側の最古参から二番目になってしまいました。
何時の間にかね。
久しぶりに顔を合わせた島人達と朝から杯を酌み交わして、お祭りの余韻に浸りました。
今日は予定を入れていないので、その後も勝おじいや島人達と乾杯して、船の見送りをして、音楽祭の後の5月4日というのは本当にのんびり過ごせる至高の時間です。

夜はさすがに肝臓の疲れを感じて、早めに就寝。

鳩間島のお酒の付き合いは、このようにほどほどにしておくのが肝心です。
ノリに任せたら、駄目駄目になってしまいます。
無理せず、きつくなってきたら、場をしらけさせないように、誰にも知られずに引くことがベスト。
わざわざ注目を引くように挨拶する必要なんかありません。
もっとも、習得するまでは時間を要するかもしれません。

翌5月5日は、恒例になった石垣市伊原間たいらファミリーの音楽祭です。
1便で石垣へ渡ります。

事前に色々と心配はあったけれども、本当に今年も楽しくて充実した鳩間島音楽祭でした。
すべての人たちにありがとうと言いたい。
来年は10回目なんだ。
ではでは

2011年05月31日

2011年春・第五回伊原間音楽祭

皆様、こんばんは

今回は2011年春・八重山・沖縄旅 第三編 「伊原間音楽祭」をお届けします。

第14回鳩間島音楽祭も例年のような盛り上がりで終了し、また静かな島が戻ってきました。

いつも5月4日は、朝の会場後片付けーぶがりなおしの後は何の予定も入れず、島の静かな日を楽しむことにしています。
まだ、この日は島内の宿泊施設が満杯になるお程度の客さんがいて、気が向いたら見送りなどもして、全体的にお祭りの余韻を楽しんでいる感じです。

翌5日は午前中の船で石垣へ移動して、島北部の伊原間、たいらファミリーで開催されるコンサートに臨みます。

これもすっかり恒例化して、今年で5回目。

始めはこんなに続くとは思っていなかったのですが、島人たちとジョイントできるようになって、ミニ音楽祭の様相を呈してきたことが継続の大きな要因だと思います。
また、北部ではあまりこのような音楽イベントがないので、そのこともあるかもしれません。
最近は鳩間から「浦崎一門」バンドがそっくりそのままやってくるのが恒例です。
時々は石垣の民謡酒場「浜辺」メンバーとジョイントしたりする豪華バージョンもあります。
で、今年はこのようにベリーダンスに注目がいっているようです。

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昨日あたりから天気はあまりよくなくて、ま、入梅後ですからしょうがないのですが、かといって激しく降るでもなく、なんとなく持っています。
しかし、ステージには去年付けたシートの屋根がありません。
今夜はあぶないんじゃあないかな。

リハーサル中、雲行きが怪しい。
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さて、例によって17時始まりの筈が、始まったのは19時。
お客さんもその辺は心得ていて、いい感じで集まり始めます。
今年は例年の緩さに輪をかけて、出演者もよく分からないし、もちろん順番も持ち時間も。
司会もいない。
どうするんだ。
急遽みんなで適当に打ち合わせて、進行役は小生がやって、出演者に早々にマイクを渡してしまう方式に。
要は、イベントを開催するという仕掛け、宣伝したり会場設営したり飲食を用意したり出演者を集めたりするということまではできるのですが、その先、本番の運営は考えてないんですね。
ま、その緩さがイベントのカラーになっていたりして独特の味を出しているともいえます。
彼らに運営までお任せしてしまうと、疲れてしまって気の毒ですから、我々も来年からはこのことを頭において準備しましょう。

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恒例、5月5日は鳩間島のピアニスト、ターキーの誕生日祝い。
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たいらファミリーバンド
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緩さといえば、たいらファミリーという民間のそばやと地区、公民館との仕切りがあいまいなのも独特です。
一人が率先して旗を振って目立ってしまうと反発を食らうこともこういうイベントごとには付き物なんですが、ただ、ここは地区全体で楽しんでいるように思えます。
色々あるんでしょうが、与那国でもそうでしたが、気を使うところは使っているんでしょう。
地元のことは地元に任せる、我々は演奏を楽しんでもらうことに務める。
経験上、このあたりが肝心なように思えます。

つつがなく演奏、演技が進んできましたが、やはり雨が降り始めました。

雨が結構来ました。
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三味線のソロ演奏のあたりからですが、お客さんもテントや車に引いていき、演奏者が気の毒だなあと思っていると、男たちが数名ステージの上の梁によじ登り雨除けのシートを張り始めました。演奏途中に。
梁が折れそうな体重だ。
だから、こんなことなら始めから雨除けシートを張っておくべきなのであります。
以後はシートのおかげもあって、また雨も本降りにはならず最後までいけました。
ただ、雨でお客さんが早めに帰ってしまったのはちょっと残念でしたね。

毎年オリオンビール踊りを披露してくれるMちゃん、今年はそれに加えて、おばあちゃん譲りの空手の演技を見せてくれました。
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大受けだったエプロンシスターズ、ハーモニーも美しく、それでいて関西ノリの楽しさ。アンコールの嵐でした。
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おなじみ「浦崎一門」。独特のサウンドと、もはや貫禄が。
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ベリーダンスはやはり人気で、アンコールでは婦人会の皆さんが一緒に踊り出すというノリのよさ。島唄で踊るのは当たり前ですが、ベリーダンスで踊るというのはなかなかのものです。
このあたりも来年の参考にさせていただきましょう。

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婦人会の面々
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終了後は、打ち上げ、三々五々引き上げて就寝。

翌朝、さわやかな鳥の声で目覚めるのではなく、M男氏のさわやかな朝ですよコールで目覚め、朝から昨日の打ち上げの続きということもすっかり毎年のことに。

八重山の地方紙は一面トップが鳩間島音楽祭、政治のニュースはその脇に。
見開き写真ページも音楽祭特集。
さすが、かじまやーの祝やとばらーま大会が一面トップにくる土地柄ですね。

今夜は、パパ・ビゴーヂにて投げ銭参加型パゴーヂ。

客演したターキーと千草ちゃんの唄で
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今年は、楽器を演奏する人が少ないので、いつもと比べるとちょっと寂しいのですが、地元のシンガーソングライター池原宏一さんの参加はいつも盛り上げてくれます。

さすがに少々疲れてきたようです。
打ち上げをしようという気力はさすがに失せて、明日早いこともあっておとなしく引き上げました。

八重山は今日まで。
明日からは沖縄に移動、気分を変えてまたライブになります。

ではでは

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