2018・スリランカの旅 第3章 2/26 (月) ゴールからキャンディ
第3章 2/26(月) ゴールからキャンディ
今朝は晴れている。
屋上に登ると眺めが良い。
今日は10時55分発の列車に乗ってコロンボフォート駅まで戻り、ドライバーのSupun氏と落ち合ってキャンディまで行くというスケジュールだ。
朝食は、Dam氏が材料を持ってやって来てキッチンで作ってくれるという面白いスタイル。
さすが一棟貸しだ。
トーストとオムレツ、パイナップルとキングココナッツのジュースという充実した内容だ。
冷蔵庫に入っていたキングココナッツはこういう意味だったんだ。
念のため早めに9時半には出発することにした。
Dam氏が送ってくれる。
途中、エアチェックスタンド(こういう商売があるんだ。)とG.S.に寄ってゴール駅まで。
ゴールで最も印象に残ったのはこのアパートメントだ。
部屋の広さ、清潔さ、接客等々ほぼ完ぺき。
精算も予定されていた金額のみで送り迎えの料金はなし。
10点満点以外あり得ないと思った。
何よりDam氏の暖かい人柄がにじみ出ていたアパートメントだった。
こんな宿があるんだと感動した宿泊だった。
また、来てみたい。そうしたらまた必ず泊まりたいと感謝の言葉を言って別れた。
昨日、とても興味深い景色の連続で楽しかった列車にまた乗れる。
自由席はとにかく早い者勝ち。
昨日の経験から、どこに二等車、三等車が停まるかは大体見当が付いた。
珍しく定刻前に列車が入線してきた。
整列乗車などないし、大体、列車が完全に停まる前に現地の元気な人々は乗ってしまうのだ。
幸いにして座ることができた。
二等車も通路までびっしり、しかしめげずに物売りはやって来る。生活がかかっているのだ。
二等車がここまでびっしりなのだから三等車はどうなっているのか興味のわくところだ。
トイレ(どこにあるのか分からないが、あるらしい。)なんか行ってた日には絶対席が埋まりそうだ。
まだ3時間くらいなら何とかなるが、旅の後半にある5時間の列車移動となるとどうなるか、まあその時考えればいいか。
二等車の車内
急行列車は、所々多分観光地で停車していく。
途中から乗る人はまず座れない。
今日はとても良い天気で車内は暑い。
高校生くらいの頃、こんな客車列車に乗って東北へ旅行に行ったことがある。
あの頃を思い出した。
スリランカの鉄道は、おそらく50年くらい前の日本の鉄道に似ているのかもしれない。
いや、電化地区はまだないのでそれ以前かもしれない。
日本の客車列車も昔はドア全開で走っていたような記憶があるが、通勤電車でもドア全開というのは考えられない。
日本だったらドアが一か所走行中に開いただけで大事件だ。
まあ日本の常識は通用しない。
そうこう考えたりしているうちに、列車は多分定刻に近い時間にコロンボフォート駅に到着した。
コロンボフォート駅到着
ドライバーのSupun氏とも無事に会うことができた。
これで、今日からキャンディ・シギリヤ・カンダラマ・ダンブッラ・キャンディとツーリストカーでの移動になる。
バスを探す必要もなければトイレの心配をする必要もないし、荷物も車に置いておける。
これは楽だ。楽すぎる。
今、13時30分頃、キャンディまで4~5時間かかるということだから、到着するのは17時~18時頃になる。どこかへ寄っている時間はない。
外は暑いが、ホンダの車はエアコンがギンギンに効いている。
コロンボ市内を抜けるまではかなりの渋滞。
右ハンドル・左側通行は日本と同じだが、片側2車線の筈なのに3車線化している。
トゥクトゥクが隙あらば入り込んでくるし、普通こちらの車線には入ってこないよなという車が必ず割り込んでくる。
特にバスだ。
真横に停車しているのに、こちらの進路をふさぐように発車してくる。
この国のバスは最も過激な乗り物だ。
その間を人や自転車が縫うようにして走る。
交通量の多い交差点に信号がない。
ポリスが一人で交通整理しているが焼け石に水だ。
まあそれでも、交差点の真ん中に牛がいないだけインドよりましかもしれない。
ドライバーのSupun氏は物静かな人だ。
僕もあまりうるさい人は好きでないので合いそうだが、ずーっと静かな時間が続くというのもなんだか気詰まりがするので、結局ラジオをつけてしまった。
途中見かけた蝙蝠の木。半端でない数の蝙蝠が群がっている。Supun氏が教えてくれた。
ツーリストカーでの移動は確かに楽だ。
荷物を気にしなくても良いし、トイレだってリクエストすれば何とかしてくれるし、エアコンも効くし。
ただ、僕のような地元に身を置いてみたいという旅行者にはどうなのかということだ。
乗用車という閉鎖空間(パブリックな一般バスとは別だ。)は、外界とは隔絶された世界だ。
言ってみれば、日本国内を車で回っているのとどこが違うのか。
その辺りを心得てうまく使わないと、僕の嫌いなパック旅行と同じになってしまう。
これから五日間どうなるのかな。
しかし、昨年民間バスでコロンボからアヌラーダプラまで6時間かけて行ったときは、混雑と暑さとロックの爆音でかなりまいったので、そのあたりを天秤にかける必要がある。
若いバックパッカーとは違うのだ。
バスに乗っていたって、どうせ目的地まで降りることはできないのだから、混雑と暑さと喧騒を楽しめるのかということだろう。
そんな葛藤があったので、一番不便な区間を利用することにしたのだ。
ただし、5日間がミニマムなので最終日は贅沢に使わせてもらう。
車での移動だと通り過ぎる街の様子を色々と眺められるところが面白い。
バスだとこうはいかないのだ。
キャンディまでやはり約5時間かかった。
18時30分頃到着。
キャンディは昨年1日だけ滞在したので、何となく地理は分かる。
今日のホテルはキャンディレイクのずーっと上の方。
レイクを挟んで繁華街の対面に位置するので、鉄道+トゥクトゥクでは結構難易度が高そうだ。
ドライバーの宿も当然必要なわけで、四つ星以上の大きなホテルであれば用意がある事が多いのだが、用意がない場合は1000RSを渡すという約束になっている。
多分、殆どこのパターンだな。
明日は、シギリヤ行きだ。
Supun氏からシギリヤへ行くまでに何かプランはあるのかと聞かれたが、今晩考えることにしよう。
シギリヤまでも結構遠いので明日は9時出発ということになった。
周りは既に暗くなっている。
ホテルは丘の上にあるので夜景がとてもきれいだ。
向かいの山腹にあるダーガバがライトアップされている。明朝の眺めが楽しみだ。
それはそうとして、これから市街地へ食事だのATMだの用足しに行くわけだが、車で相当登ってきたような気がするが歩いて行けるのか。
スタッフに聞けと、ショートカットの階段があるというのだ。
そこを使えばキャンディレイクまで約15分で行けるらしい。
早速出かける。
今まで滞在していた海辺と違って夜は涼しい。
急な階段と急な坂を約10分で降りるとキャンディレイクのほとりだ。
繁華街はちょうど対岸。
歩いて約30分。
クイーンズホテルが良い目印になる。
行きはよいよい帰りは何とかだな。
一杯入っていると尚更だろう。
ATMは程なく見つかり、というかいたる所にある。
ビールが飲みたいので、昨年行った「ザ・パブ」に行ってみる。
ここは外国人客が多く、店名から分かるように酒が飲めるのだ。
観光客向けだから、料理の値段は高い。
もっと地元的なところに行きたいのでライオンラガー一杯で退散。
欧米人はこんな客も多いみたいだし、大人数で来てメニューを見て、何も頼まず退散という連中もいるので、こんな客でも良い筈だ。
さっき通りかかったティー・テラスという店が気になった。
混んでいる。安い。当然アルコール類はなし。
ビリヤニ、400RS。割と甘口だがいける。量が多い。
これで良い。
また来たくなった。
帰りはトゥクトゥクを拾おうかとも思ったが、ぶらぶら歩いているうちにキャンディレイクの周回コースに入ったのでこのまま歩いて帰ることにする。
周回コースの歩道は所々真っ暗。
こんなこともあろうかとヘッドランプを持ってきて正解だった。
物騒な感じはしない。
行きに坂を登って行く目印を記憶したつもりだったが、暗くなると様相が変わるのだ。
見落としたらしい。
行きの記憶にないようなところまで歩いてきてしまったので引き返す。
案の定、かなり行き過ぎたようで、損した気分。
そこから急な上り坂と急階段を登る。
多少涼しくてもやはり大汗をかいてしまった。
やはり移動の疲れがあったのか、シャワーを浴びたらすぐに眠たくなってきた。