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2018年10月 アーカイブ

2018年10月30日

2018 秋の八重山・沖縄

今年も秋の八重山、沖縄へ行ってきました。

例年、旧暦八月十三夜のとばらーま大会を見に行くことも兼ねて旅するのですが、今年はイベントがあったので一月遅れの十月になりました。

初日だけ那覇へ寄って一泊、翌日は石垣着後、その足で鳩間へ渡ろうという計画です。
那覇は曇りがち。
明日の上原航路は明日にならないと分からないらしい。
それはそれとして、馴染みの栄町で一杯やったりして、今夜のホテルは空港からモノレール一駅しかも駅から徒歩30秒という便の良さ。
沖縄で電車に乗って飲みに行き電車に乗って帰るというのは今までになかった経験です。

翌日は本降りの雨。
上原航路の午後便の運航は未定となっています。
那覇空港に着いた時点で欠航が決まってしまいました。
まあ、この時期当たり前のこととはいえ、今日はどうするか。
鳩間のU氏と連絡を取って、雇船で行ってみるという方向で動いてみることに決めました。
ということは、石垣港から大原廻りでバス接続で上原港まで行くということになるのですが、うまくバスと接続するかというところが問題で、暗くなる前に上原港に着かないと危ない。
船会社のバス接続はなかったのですが、少し待って路線バスに接続できるということが分かって、上原港で船で待っていてもらうことになりました。

大原港は良い天気
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上原港出発
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北風が強くなって時化て欠航ということになるので、北東にある鳩間島に向かう船は波を受けます。
船に屋根はあるものの壁はないので、波かぶり必至。
なんとなく予感がしたので、空港から持ってきた大ビニール袋がここで役に立ちました。

濡れ鼠で鳩間到着。
おじいが今や遅しと待ち構えていて、着替えもままならず乾杯へ突入です。

今回は三日間しか滞在できませんでした。

良い天気になった。
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天気は中一日だけとても良く、久しぶりに北海岸にも行ってみました。

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春と比べて北風が強くなったからでしょうか、漂着ゴミの量が増えている。
特にプラスチック等のペットボトル類。
大体が外国語表記の物なので海の彼方から流れ着くものなのでしょう。
これは今世界的にも問題となっています。
発泡スチロールは島に処理施設がありますが、これを処理できるように回収分別するのには相当な労力が必要なはずです。
人の少ない島で頭の痛い問題です。

特に何の行事もない鳩間を訪れて何をやっているかというと、天気の良い日は散歩したりするのですが、雨がちだと読書、楽器の練習の他に特にやることはありません。
それでも夕方は5時からおじいとの宴が始まり、6時半頃終了した後も次の飲み会があり、最終日など午後1時から始まって飲み会三つ等、それなりに忙しくなります。

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彼岸花
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カラオケ
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島唐辛子の巨大な木
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島は今週土日の結願祭の準備を静かに進めていますが、とても静かです。
自炊が基本なので食材持参ということになります。
春のように人数が多い時はきちんと料理できる材料を持って行きますが、三日間、しかも一人という場合は米とレトルトパック、カップ麺でしのいでしまいます。
どうせ夜は飲み会だし。
しかも、宿には前任者が置いて行った細かい食材がまだ残っていたりするのでこれも重宝します。

質素な昼食
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島に入った翌日だけは天気が良く、船も通常運航していましたがその翌日からはまた欠航が続いています。
島を出る木曜日は午前便は走るのではないかと予測を立てています。
干潮に近い午前の方が満潮の午後の時間帯より北からの波の影響を受けにくいらしくて、午前の便の方が比較的走るらしい。
しかし、予想に反して木曜日も終日欠航。
結局、今回は行きも帰りも欠航、大原廻りでした

雨がちの瑠璃
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石垣に戻ってからは、タニファで仲間達とライブを1回。
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それにしても、親しんできた串カツ屋さん「れんが屋」が今月いっぱいで閉店してしまうというのはとても寂しいことです。
建物の所有者が変わって商売が続けられなくなるらしいのですが、何かそんな話が石垣には多いような気もします。

れんが屋
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それから、あまり政治的な話はここではしたくないのですが、僕の石垣島の友人達は、市議会が辺野古移設に関する県民投票実施に対する反対の意見書を県に提出する決議を行ったことにとても怒っておりました。
ただこの手の話は石垣市の住民ではない小生は、古くから石垣市や竹富町に住んでいる地元の友人や諸先輩方にはあまり積極的にすることはできません。
地元の人間関係や沖縄本島と微妙に異なる事情がデリケートなので。

ライブ翌日はとても良い天気で暑くもなく寒くもなく、これぞ絶好の行楽日和。
T先生の車をお借りすることができたので、久しぶりに玉取埼方向へドライブ。

玉取埼展望台
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お昼は米原のとんかつ屋さんまで足を伸ばしてみました。

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夜はパパビゴーヂでのオープンマイクライブを楽しみました。
皆さん、とても楽しそうに演奏していました。
こういうのはいいね。

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沖縄へ出発する土曜日はT先生に空港へ送ってもらいがてら、やはり旧知のK先生のお宅に寄りました。
普段は西表島の白浜で民宿を営業していて、時々石垣の自宅へ戻られるとのこと。
来年は白浜の民宿にも行ってみたいな。
選挙好きのK先生とのことですがあまり生臭くならない範囲でゆんたくをして空港へ向かいます。

那覇軍港で見かけた見慣れぬ輸送船
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今日は、いつもお世話になる南城市のO氏宅(玉々庵)でライブ兼交流会です。
ゆんたくと音遊びという趣でゆったりと、かなり遅くまで時間を過ごしました。
翌日は、もし天気が良かったら最寄りの港から高速船で15分の神の島と呼ばれる久高島へ行ってみようと考えていました。
南城市へはもう十数年通っていますが、わりと近場のこの有名な島にはまだ行ったことがありません。

翌日曜日はとても良い天気、雲もなく暑くもなく寒くもなく湿度も低く最高のお出かけ日和。
船賃を出すよとO氏を誘ったら乗って来て、南城市のガイドでもある彼と一緒に行くことになりました。

港から高速船で15分、石垣・竹富くらいの距離です。

久高島桟橋
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下船してすぐに港のそばにある御嶽にお祈り。
久しぶりに自転車をレンタルして島を廻ってみました。
西の端にある港から東の先にあるカベールという場所まで島を東西に貫くと約3km。
このカベールという浜に琉球人の祖先であるアマミキヨがやって来たと伝えられています。
途中、フボー御嶽という、神人以外は全ての人の立ち入りを禁じている御嶽の入り口を見学したり、五穀の種が入ったツボが流れついたというイシキ浜、それを植えて農耕の始まったと伝えられるハタスという土地等々を見学、挙げればきりのなさそうな伝説があるようです。

フボー御嶽入り口。ここから先は神人以外は入れない。
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カベール
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ハタス。農耕の始まりの土地
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イシキ浜
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イラブー(ウミヘビ)の燻製小屋
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イラブー(ウミヘビ)
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歴代の琉球王朝の王様は必ず久高島を訪れお参りしたともされています。
島に神行事は多いのですが、有名なものにイザイホーという行事があります。
12年周期で行われる見学も撮影もできない秘祭とされていますが、祭りを構成する資格のある女性がいないということで1978年を最後に行なわれていないということです。
とても興味をそそる話です。

総合すると、この島に神がやって来てここから琉球が始まったということになるそうです。
島の土地は神の物であり、神の領域と人間の住む領域は決まっている。
帰り際に、Oさんのお知り合いで久高島在住のナビーさんから聞いた話です。

神の土地だから人間に所有権はなく、全ての土地、住んでいる土地も農耕する土地にも所有権はないとのこと。
その権利形態は「総有」という権利形態です。
入会権の権利形態を示す言葉です。
かなり珍しい権利形態です。
総有という言葉、法学部の学生時代以来40年ぶりくらいに聞きました。
言葉だけでなく、現実に目で見えるというのはかなりの驚きです。
普通は、集落の人達が山へ入って木を伐採する権利などが例に挙げられ、集落を離れたらその権利はなくなってしまうとされています。

この島では、住んでいる土地にも個人の権利はないそうで、明治時代に民放が施行されても、何故かこの島だけは古くからの慣習が残って、現在でもそのままの形で残っているとのことです。
当時は神行事が盛んにおこなわれ、神の島には近代的な法制度を及ぼすことができなかったのかもしれません。
日本では唯一ここだけに残っているらしい。

男性は海人、女性は神行事を行う人と大体の役割があって、神行事は殆ど女性中心にとり行われるようです。
島内の風景は昔ながらの佇まいがそのまま残っていて、大きい建物は公共施設以外には存在しないようでした。

集落
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祭祀を執り行う場所
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宿泊交流館
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島の南の浜。キャンプ場もある。
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明治維新以前は、沖縄は琉球王国であり、徳川幕府に統一された江戸時代・戦国時代・安土桃山時代、そしてそれ以前の歴史は学校で習った日本史とは異なる歴史を持つわけです。
その始まりがこの島にあると思うととても興味深い場所です。
歩いて散策しても、一日あれば回れそうな島なので、夕方の便で日帰りする観光客が殆どで、我々も夕方の便で帰りました。

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今回、久高島へ行けたことはとても良い経験になりました。
O氏のおかげで島人の話を聞けたこともとても良かった。

夜は、O氏が引っ張り出してきた沖縄独自の歴史の副読本とか復帰以前の沖縄のブルーガイド(興味深い話満載)やらを酒の肴にしてゆっくりと過ごします。

秋の島の旅は、天気や波で思うに任せないところもあるけれど、じっくりと味わい考えるにはとても良い旅です。

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