ブラジル旅行記11(4月7日~4月8日(Rio de Janeiro))
4月7日
今日も良い天気だ。
今日は、ATUXIが泊まっているMorro da Babiloniaの宿でバーベキューをやりながら小澤さんと3名のミニライブをやろうということになっている。
今日が日曜日で水曜日の深夜というか木曜日の午前2時頃の飛行機に乗ることになっているから、実質的には今日を含めてあと4日ほどでブラジル滞在も終わってしまう、と考えるととても時間が貴重に思えてくる。
昼前にアトランティカ大通りが行き止まりになる手前、交通の殆どが大きく左に曲がっていくプリンセス・イザベル像前で待ち合わせ。
午前中にカンタガーロ駅付近まで散歩していると、何故か駅が使えなくなっている。
警官も出ているし、なぜだと聞くとどうもあまりはっきりしない。ただ、当分使えないだろうということなので、歩いて行くことにする。
この選択が正解。
天気が良い日曜日のコパカバーナ海岸をたっぷり楽しむことができた。
人出が多い。思い思いの楽しみ方をしている。
のんびり歩いて約40分。
プリンセス・イザベル像に到着。
パーカッショニストの金子大介君、宿の主人、大介氏も買い出しがてら登場。
Morroへ。
今日で二回目だが、ある程度の期間を経ているせいか、街並みを把握することができる。
階段下の商店でcerbejaを購入、1リットル瓶を何本か麻袋に詰めてATUXIがしょって階段を行く。
これをしょっちゅうやっていて、かなりの運動になるそうだ。
さて、BBQ兼ライブ会場は宿の屋根の上。
Leme海岸が臨め、風通し日当たりとも良すぎる素晴らしいロケーション。
洗濯物なんかも干してあるし。ただし、柵もなにもないので酔っ払って落ちたらただでは済まない。
宿泊客は全員日本人。ミュージッシャン、画家、世界旅行者等々多士済々。
宿入口に描かれた鯉のぼり、作者の画家と家主家族と。
真夏を思わせる陽光の下でのライブ&BBQはとても気持ちが良かった。
生音なのでボーカル、ギター、鍵盤ハーモニカという編成。
野外で生という環境なのにとても音がよく聞こえるような気がする。
楽しい時間だった。
ひたすらセルベージャと肉。
良い加減に食べ飲み疲れて5時頃おひらき。
モーホの風景
モーホの野生鶏、ひよこもいる。これを食べたわけではない。念のため。
階段滑りに熱中する子供ら。自分たちも昔こんなことやっていたな。
階段下の店。明日ライブがあるようだ。
アトランティカ大通りが歩行者天国になっているので当然歩いて帰る。
徐々に暮れていくコパカバーナ海岸。
様々に楽しむ人たち。
こんな雰囲気の中でかつてボサノバが流行っていったのだろうか。
日曜日、歩行者天国のアトランティカ大通りはお薦めスポットだ。
6時10分頃に歩行者天国は終了。
石膏像が突然動き出すパフォーマンス。子供はびっくり。
Sra.Dulceとどこへ行ってきたか話題になったのでMorroと言うと驚いた様子で、「危ないところよ。」とくるので心配をかけてもいけないと思い、「いや、MorroのBaixo」ですと言っておいた。
やはりこの辺りの日本で言えば山の手(Rioでは山の下)に住む人たちにとって、モーホはとても危ないところなのだ。
夜になってもBBQが効いているので、今晩は白ワインを少々飲んで寝てしまう。
4月8日
今日は午前中に、先月Rioを出発する際に小澤さんに預けてあった大型リュックを取りに行き、夜はエポカ・ヂ・オウロのラジオ生放送ライブ、熊本さんらと食事という予定になっている。
小澤さんのBotafogoのアパートまではメトローですぐ。
目の前にボタフォゴ湾が広がりパン・ヂ・アスーカがよく見える。
とても景色のよい場所だ。
大型リュックを受け取るともうすぐブラジルを離れるんだなあという気になってくる。
滞在中に一度はRioの名所旧跡であるCorcovadoのキリスト像かPao de acucarに行ってみたい。
幸いにして今日もとても良い天気。キリスト像は午前中が良いと言われているが、午後の早い時間帯だったら天気も大丈夫そうだと予想して出かけることにした。
丁度良いことに夕方の待ち合わせ時間もCinelandia駅に16:30。それまでに行って帰ってくれば良いのだ。
Nossa Senhora通りから583番のバスでCosme Velho下車。
例によって案内も何もないわけだがキリスト像へ行く人が降りるのでわかる。
ここから登山電車でキリスト像の足元まで行けるはずだ。
ところが登山電車は14時に出た直後、この後16時までない。
それではとても間に合わないのでどうするか迷っていると、どうもマイクロバスで送迎している業者がいるようだ。
聞いてみると15R$で上の駐車場まで行くとのことで渡りに船。
終点からはオフィシャルの入場料込みの専用バス(19.8R$)でキリスト像下まで着いた。
30分ほどで着いてしまう。
駐車場までは歩いて登っている人もちらほらと見かけた。
駐車場から先は何人も入場料込みの専用バスに乗らなければいけない仕組みらしい。
最後は階段とエスカレーター。
観光客は多いが月曜日なのでまだ空いている方だろう。
キリスト像の格好をしながら写真を撮る輩多数。どこの国でも同じだ。
像の足元から頭までは寝転ばなければ写真に収まりきらないらしく、寝転び撮影の輩も。
キリスト像のポーズはどうしても「ようこそいらっしゃいませ。Seja bem vindo!!」とやっているように見える。
午後からは曇ることが多いこととキリスト像が逆光になることから午前中が狙い目と言われているらしいのだが、今日の午後は視界がとても良い。
レブロン方向
ロドリゴ・ヂ・フレイタス湖とイパネマ海岸
アパートの窓から見えるMorro dos Cabritosを上から臨む。
有名なPao de acucar
言ってみれば東京タワー(今はスカイツリーか。)のようなものだ。
おそらくカリオカは来ないんじゃあないかな。
ま、一度は行ってみたいスポットだ。一度行けばいいとは思うけれど。
適当な時間に降りる。
それにしても、平地にこのような岩山が突如として何箇所もそびえ立っている-しかも大都会の中に-Rioの地形というのはとても面白い。
Sra.Dulceからとても分かりやすい市内の地図をもらったので、これを見ているとバスも楽勝なのだ。
ラルゴ・マッシャード駅までバス。待ち合わせ場所のCinelandia駅までメトロー。
メトローはプリペイドカードを買ってしまえばすぐに乗れるし本数も多い。エアコンもよく効いていて快適な交通機関だ。
時々楽器を持っている若者たちが乗ってくると車内生演奏が始まってしまう。
客はさして関心がある風ではないが一曲終わると結構な拍手。
しっかり投げ銭集めもある。
その快適なはずのメトローがCinelandia駅に着いた途端ドアが開かない。
何やらホームが騒がしくなってきた。
駅員や警官が走っている。反対方向の電車は着いた途端に乗客が全員降ろされて駅から退避させられている。
こちらの電車のドアは開かない。
そのうち車内灯も消えてしまった。
辛抱強いブラジル人も不安になってくる。
どうしたんだと電車内も不安げな雰囲気に包まれる。
そうこうしているうちに数箇所だけドアが開いてそこから全員退避。駅の外へ。
何があったのか分からず。ただ、運転席のガラスに大きなひび割れが走っている。
電車の下を覗き込んだり、しかめっ面をしている人もいたので飛び込みかと思ったがどうもそのような雰囲気ではない。
何かが投げ込まれたのだろうか。
後で聞いたのだがブラジル人は決して飛び込みなどしないらしい。
とにかく騒然とした雰囲気の中、全員地上へ出され、駅はシャッターが閉められた。
地上は公園の中。警察車両も来ているので事件であることは明らかだ。
それはそれで何が起こったのか興味もあるのだが、そもそも駅で待ち合わせをしていたわけで、駅も閉鎖された今、待ち合わせは不可能になってしまった。
何せ目的地の名称も場所もわからないのだ。
携帯もないしメールも繋がらないからどうしようかなと思案にくれていると、偶然に東洋人、いや日本人か、金子大介君登場。
なぜにこのような素晴らしいタイミング。Nossa Senhora!!
というわけで、とにかく目的地へ行こうとラジオナショナル局へ。
エポカ・ヂ・オウロの生放送ライブは2時間ほど。
ジョルジーニョと司会者の懇談をはさんでエポカの素晴らしい演奏をたっぷりと聴くことができた。
司会者は、これが商売だから仕方がないのだろうけれどちょっとしゃべりすぎだ。
音楽を聴きに来た者としては早く進めろと言いたくなる。
ラジオ番組だからしょうがないのだけれど。
この番組に来週ATUXIと小澤さんが出演する。
今日の番組の中でも大々的に宣伝していた。
楽しんでほしい。
それにしてもこの会場は冷房効き過ぎで寒い。
お客さんは年配の人が多くてトイレの回数も増えているのだ。
終了後、例のメトロー事故で電車が駅間に止まってしまいコンサートには間に合わなかったATUXIも駆けつけてミュージッシャンとしばし交流。
夜のCentro付近は歴史的な建物がライトアップされていて幻想的な雰囲気を出している。
このあと、熊本さんからお誘いのあったバンドリン奏者、ペドロ・アモリン氏のライブへ。
場所はUruguaiana駅の海寄り、Saude地区だろう。
タクシーで向かったSaude地区は海と倉庫、なんとなく本牧辺りと雰囲気が似ている。
倉庫を改造したらしい天井が高くて広いライブハウスだ。店の奥の方は大きく開口していて開放的な雰囲気の店。
Samba de Fatoというバンドはバンドリン、7弦ギター、パーカッション2名の編成で主にサンバを演奏する。
ところどころコーラスが決まっていたりして洗練されたサンバとの印象を受けた。
スルド、タンタンを使う低音部の打楽器が心地良い。
ボリュームもちょうど良く、とても楽しめた。
これでチャージが約1000円だから安い。
ミュージッシャンにはちゃんと入っているのだろうかと我が身のように余計な心配をしてしまう。
タクシーにて帰還。
1時頃到着。
これで鍵が開かなかったりしたらシャレにならないなと思いつつ、無事に門扉も部屋も開いて帰宅できた。
今日は朝から夜中までいろいろあった。大都会のRioならではの刺激がいっぱいあったように思う。
これが都会の面白さなんだな。
ブラジル滞在もあと2日か。