旅の記録(2015.2.ネパール)
4. ソウラハ(象の存在感)
今日は1日自然公園めぐりというプログラムになっている。
7:30朝食、8:00出発というのは結構あわただしい。
朝は寒い。ラオスの時と同じように霧が立ち込める。

午前はカヌーライドとジャングルツアーにバードウオッチングということになっているが、この名称は実際に行ってみるとかなり大げさだった。
担当ガイドは昨日のSanta氏。大声で「ともだち!!!」と呼びに来る。
同行する他のお客さんはオーストラリア人女性2名に中国人女性2名。女性が多いのだ。
早朝の川はもやがかかっている。
カヌーというから自分で漕ぐやつかなと思ったら、船頭さんが漕ぐサバニ。
天竜川とか長瀞ライン下りと同じようないわゆる川下り。
まあそれでもいいんだけれど、景色はなかなかのものだ。

川は浅くてゆったりと流れている。
水草が流れていくのが風流だ。
対岸にワニがいたり、きれいな色をしたカワセミがいたり、エレファントライディングと遭遇したりする。



真っ青なのがカワセミだ。

川の景色を楽しんだ後はジャングルツアー。
これもジャングルではなく、森の中をハイキングするという感じ。タイトルが大げさすぎる。
亜熱帯ではないので日本の森と似ている。深くもなく浅くもなく。
ここを1時間くらいハイキングする。



シカがいたり、クジャクがないていたりするがあまり珍しくは感じない。
ベンガルトラの足跡というのはちょっと驚き。
その他はどうということはない。
日本の樹海の方がはるかに深い。
ハイキングの終点は象のブリーディングセンター。
観光用の象を育てている
象のエサ作り

親子の象が何頭かいて、特に子象に人気が集まっている。
柵の中から出てきたり、触ることもできる。
犬や猫のように地面をごろごろしたりもしてとても可愛い。
こんなに身近に象と触れ合う機会というのは日本ではできない。
子象の肌はざらついてはいるが意外に柔らかかった。






午前中はこれで終わり。
川沿いをゆっくり歩いて帰る。
エレファントライディングから帰ってきた白人女性で涙ぐんでいる人がいたが何故だろう。
Santa氏と?????
午前の部は象との触れ合いが一番楽しかった。
午後からはこの象に乗るエレファントライディングなのだ。
ガイドは皆英語が達者。
どこでも感じることだが、英語ができればある程度の職に付けるようだ。
ランチの30分前にホテルに着いたし、暑かったのでビールを買いに酒屋へ。
買い物を済ませて店を出たら、象が鼻で荷物を持ってやってきた。
誰も驚きはしない。
車と同じで左側通行だ。
タクシーの代わりに走っているのはロバタクシー
犬は寝そべり、道端には牛、アヒル、カモやニワトリ等が佇んでいたりして、全く逃げやしないというのはラオスの田舎でも見た光景だが、象が普通に道を歩いているというのは驚きだ。
もちろん象使いは乗っている。
午後からは象に乗る予定だから何だか楽しい気分になってきた。
15時集合で車で出発。
八重山のようにトラックの荷台に乗るスタイルだ。
ネパーリー(ネパール人)の真っ赤な衣装を着た中国人女性2名を含めて女性7名、男性は小生1名。珍しい環境だ。
この中国人女性達は道々注目の的になっていた。
さて、後になって思え返してみてもソウラハの圧巻はこの象乗りだった。
象の背中に相撲の桟敷席のようなアタッチメントを乗せ、四隅の棒を股で挟み込んで一人づつ座る。首の上に象使いが乗るので5人乗り。
乗り心地は悪くないが、生き物だから揺れ方は不規則。道はあろうがなかろうが関係ないわけで張り出した枝は乗客自身でよける。
目線は3.5mくらいはあるだろうか。
揺れ方が不規則だから車に弱い人は酔うんじゃないか。
象酔い。
森の中をどんどん進んでいく。
重機が無い時代は象が運搬手段として使われていたんだろうな。そう推測させる動きだ。
現在は観光資源として重宝がられているのだろう。
象使いは、象が言うことを聞かなかったりしたときに竹の棒で象の頭をかなりの激しさでパシッと叩く。
象もそれにこたえて時々パォーなどと鳴く。
お客さんの中には眉をしかめたりする人もいる。
一見すると虐待に見えないこともないが、馬の鞭と同じで、「パシッ」の何十倍もの愛情を注いでいるのが午前中のブリーディングセンターで垣間見ることができた。
それに象の頭や皮膚は固い。
強く叩かないと何にも感じないのではないか。






数頭の象で森を移動する。
行く手に大型のインドサイが登場した。とても珍しいことだ。
インドサイは絶滅危惧種でとても貴重な生き物だ。
象はパォーなどと吠えながら行く手のインドサイを追い立てる。
興奮したのか走り出す象とか木を倒す象も出たりして、ここは機械と違うところだ。
勿論、人が乗っている状態で。



象軍はサイを川の方へ追い立ててサイは退散した。


そして草原をゆっくり進み、川を渡ったりで出発地点に戻る。


結局一時間半くらい乗っていた。
下象?後も、鼻で愛想をふりまいたり、おとなしく被写体になったり、なんだかんだで大サービス。
これだけ象と身近に触れ合えた経験は今までにない。
こんなに利口でかわいい動物だったのかと初めて認識した。


お客さんは飛び込み台のような乗り場で象に乗り降りするが、象使いを降ろす時はひざまずいて降ろしていた。
乗り場

しかも象使いが乗るときはひざまずいて伸ばした鼻から乗っていたのにはちょっとびっくりした。
とてもけなげな様子だ。
夕陽に向かって象使いと一緒に帰っていく象たちの姿は何だか哀愁があってロマンティックだった。
ネパールに来る前にタイの自然公園で象が暴れて車をクラッシュしたというニュースをみたが、それも象なのだ。
本来このように激しくて強力な動物なのだ。
しかし放っておけばどんどん減少してしまう。
ここでは観光資源としてではあるがとても手厚く扱われていた。
帰り道、また公道を通行中の象と会う。


ここでは馬、牛、やぎ、犬、猫、ニワトリ、アヒル等と同様に人間と一緒に生活している愛すべき存在なんだと感じる。
何といってもこんなに象を身近に感じたことはなかったので、今日の経験は強く印象に残った。
ホテル帰着、カフェ、シャワー、夕食、停電・・・・・停電も自然な流れに感じられる。
夕食ビュッフェ

これがこの国の事情なのだ。
ホットシャワー、しかも熱いのが使えることはとても幸福なことだ。
何だか、今までネパールに来て、灯りがちゃんとつかないじゃないか、電気が来ていない、シャワーがホットじゃないとか不満を抱いたのが恥ずかしく感じられた。
これがこの国の日常で、しかも優遇されている外国人観光客に対してのせい一杯のもてなしなのだ。
地元の暮らしはもっと大変だと思う。
感謝したいのと幸福な気分になってゆっくり眠りにつく。
明日はポカラ行きだ。

