第6章 2/27 砂漠からフェズへ移動の筈が・・・・・・・・・
今日は、砂漠からハシラビト村に帰還して夜行バスでフェズに向い、明日早朝に到着という予定だ。
キャンプへ来て、ベルベル人達からよく聞く言葉で「インシャラー」というのがある。
セッションでうまくいった時とか、物事を肯定的にとらえるときに使っているようなのだが、調べてみると、日本語訳は「全ては神の思し召しのままに」ということみたいだ。
沖縄のなんくるないさー的意味もありそうだが、イスラム的には実は深い言葉であるかもしれない。
しかし、気楽に使っている。
昨日あれほどひどかった風はすっかり収まっていた。
無音の夜明け。


駐ラクダ場


しばらくして小生一人を残してツアーの人達は出発していった。
一頭だけ残されたラクダはちょっと不安そうな感じでついて行こうとするが、足を縛られているので動けない。
小生の姿を見て少し安心したようでおとなしくなった。

このラクダは若いのかもしれないが容姿がとても良い。大人しくて、いうことをよく聞くとても良いラクダだ。
飼うんだったらこういうラクダがいいな。
ただし、この辺りではラクダは車より高いそうだ。
ユセフが料理テントに呼んでくれて、パン、ジャム、、ヨーグルト、お茶の朝食。


この甘いお茶はモロッコに入国してからずっと飲み続けているが、日を追うごとに美味しく感じられてくる。病みつきになりそうだ。
これがあるからアルコールがなくても大丈夫ということもあるのだろうか。
砂漠の飲料は基本的にはこれのみだ。
キャンプの戸締りをして出発。
とても充実したツアーだった。
一番の要因はユセフというガイドに当たったことだろう。
外見は陽気、少し寡黙、音楽好き、気遣いが日本的・・・・・・鳩間人に似ている部分があるのかもしれない。
朝食のテントでは、自分の家族とか友達、生活の写真を沢山見せてくれた。
イスラムではあまり好まれない個人写真も撮らせてくれた。
ユセフ・カレーライス・カルロス

帰路はもう完全にうちとけて、二人とラクダで歌を唄いながらの道。
もう三日目なので、ラクダの乗り方も随分慣れた。
大砂丘からの景観は一生ものだった。
ハシラビト、メルズーガで砂漠ツアーは沢山あるが、このツアーは二泊三日で650dhと安いし、内容はとても充実していて本当に良かった。
砂漠のキャンプだから不自由は当たり前で、それを楽しめるか否かが重要だ。
無理な人はそれなりのコースもある。

ハシラビト村が見えてきた。


とても有意義だった砂漠のキャンプから帰ってウィルダネスロッジに戻る。
本来は今日の夕方発だから、もう部屋はない筈なのだが、チェックアウトした部屋はそのままになっていて出発まで自由に使ってくれとのこと。
こういうところも秀逸だ。
早速、歯磨き、洗濯、シャワー。
砂漠にいたときはあまり意識しなかったが唇がカサカサにひび割れている。
午後になって洗濯物も乾き始めるころ、いきなり風が強くなってきた。
外が茶色に染まってくる。
総じて建物の窓が小さい理由はこういうところにあるのだろう。
細かい砂が吹き込んできて砂だらけになってしまうのだ。
昨日からの悪天候はまだ収まっていないのだ。
そして、今日乗る筈だったSupra toursのフェズ行きが、アトラス山脈が雪のために出ないとの知らせ。
欠航だ。ここは鳩間島か !!!
オマルさんが代替手段を探してくれる。
隣町のリッサニまでタクシーで行き、そこからCTM(モロッコ国鉄)バスのフェズ行きに乗るというのだ。
上原航路が欠航で郵便船とバスで西表島・大原まで行って大原航路で石垣へ渡るというのと似ている。
これはラッキーということで出発の時間まで腹ごしらえをする。
宿のすぐ裏手の食堂兼土産物屋でタジン

思ったよりバタバタと事は進んで、タクシーでリッサニに移動。
リッサニという町は暗くなってから着いたので全体像はよく分からないが、天気が悪く風が吹き荒れていたこともあって、埃とゴミが舞う古い街という印象だ。
夜の7時頃出発のリッサニ発のCTMバスに乗り込んで一安心。
バスは何ヶ所かでお客さんを拾いながら順調に運航しているかに思えた。
しかし、2時間くらい走ったある街のCTM事務所前で停車。
何やら車内が揉めだした。
CTM関係者と客が揉めているのだ。
フランス語とアラビア語が入り混じった結構激しいやり取りで、何が起こっているのか皆目見当がつかない。
バスは動きそうもない。
1時間くらいこんな状態が続いて、乗客が降りだした。
これはさすがにマズいぞと思って、一緒に降りて様子を探る。
英語が分かるCTM関係者がいて、アトラス山脈が雪でこの先へ進めないのだと説明してくれる。
そして、リッサニまで引き返すとのこと。
ここには明日の朝、10時に来る。リッサニは朝8時発ということだ。
しかし、もう夜の10時。リッサニまで引き返すと夜中の12時になってしまう。
果たして、知らない街で真夜中にホテルを探せるのか。
それともこの街にとどまってホテルを探すか。
思案のしどころだ。
係員に聞くと、リッサニまで戻ったら何とかなるだろうということだ。
埃っぽい街で真夜中に路頭に迷っている姿が一瞬頭をよぎったが、もう腹をくくるしかない。
不安がっても仕方がない。
リッサニに到着したのは予想通り、夜中の12時過ぎ。
もうバスには小生を含めて数人しか残っていなかった。
薄暗い街には人っ子一人おらず、埃とゴミが風に舞っている。
ものすごく荒廃した雰囲気だ。
係員はパノラマへ行けと言う。
どうもホテルパノラマということらしい。
そんな看板は全く見当たらないのだが。
同じ所へ向かう男性が一人と女性が二人いた。
どちらもモロッコ人だ。
一緒に行こうと頼んでホテルへ。
ホテルパノラマはCTM事務所から直線で200mほど離れた全く目立たない超C級っぽいレストランホテル。
これは自分一人では探せなかった。
一人しかいない係員らしい兄ちゃんは、運命だよと言う。
これはまさしくインシャラーということだ。
同行した男性はメクネス在住で砂漠ツアーをしてきたという。
お茶をごちそうになってレストランのソファに寝る。
毛布もあるし、トイレもある。
ひとまずは良かった。
早めの夕食だったがハシラビト村でとっておいてよかった。
そうでなければ空腹で眠れないところだった。
当たり前に続く禁酒。

