2017南インド・スリランカの旅 第5章 3/1 (水) コーチン・エルナクラムからフォートコーチン
第5章 3/1 (水) コーチン・エルナクラムからフォートコーチン
7時過ぎから朝食だ。
ここ、グランドホテルのレストランは評判が高く、カレーは一般の人達もわざわざ食べに来るとのことだが、昨日は深夜着で味わうことができなかった。
確かにブッフェ形式の朝食はどれをとっても美味しかった。
インドでミルクというのはチャーイに混ぜるものとしての飲み物なのだろうか。それだけ飲むと脱脂粉乳のような味がする。
朝食後は街歩きに出かける。
まずは、フォートコーチンへ渡る桟橋、メインジェッティーへ。
地図より距離があるようだ。
荷物を持っている移動の場合はリキシャを利用しよう。
歩いていると様々なところでリキシャに声をかけられるが、別に無視していればよい。
早くも暑い。朝が噴き出してくる。
メインジェッティー
桟橋からエルナクラムジャンクション駅へ。
これが結構遠い。
そして翌日使うであろう長距離バス乗り場を探すが、ここには行き着けなかった。
相当汗をかいた。
これは多分寺院だと思う。
エルナクラム駅
昨晩は静かだと思った車のクラクションも今は普通に鳴っている。
ただ、ベンガルールほどではない。
車輌が途切れることがあるので、全く途切れないハノイよりは横断しやすい。
しかし、いつも思うのだが交通ルールというものは存在するのだろうか。
車の右ハンドル、左側走行は日本と同じだが、左側通行以外のルールが見えない。
リキシャに乗っていても、よくこれで事故らないものだと感心してしまうのだ。
一般的な公共バスに窓はなく、ドアも開きっぱなし。
日中暑い乾期の今はまず風通しだろう。
ホテルに戻って荷造りをしてチェックアウト。
グランドホテルは従業員の感じがとても良かった。
レイトチェックイン、翌日出発なのでホテルの魅力を充分は味わえなかったがお薦めできるホテルだ。
リキシャでメインジェッティへ。
フォートコーチンへの船は古びたものでゆっくりと進む。
運賃は4Rs、7円くらいだ。
旅慣れていそうなイギリス人のおじさんと話す。
日本にも相当行っているらしい。
四国の巡礼もしたと話していた。
日本は全てにおいて旅行者にとっては楽だと。
交通機関は時間が正確だし安全だし治安は良いし。
それはどこへ行っても感じる。
こんな話を横で聞いていた地元の人らしきおじさんが声をかけてきた。
フォートコーチンへ行くなら家へホームステイしないかいと。
それってすごく面白そうな話だと思ったが、小生はホテルは予約済み。
イギリス人は話に乗ったようだった。
当たり外れはあると思うが面白そうだ。
約20分でフォートコーチンに到着。
この辺りはアラビア海に面した海岸地区で、半島や島が複雑に位置し橋で結ばれていたりするので、船ではなく橋を使って車でも行き来できる。
リキシャでホテルへ到着。
古い調度が有名なホテルだとのことだがマネージャーらしきおやじは愛想が悪い。
パスポートを預けろと言うがこんなのありかね。
ただし若い従業員は皆愛想が良い。
洗濯物がたまっているので今日はランドリーサービスを使ってみる。
日本だったら旅先でも自分でするのだが海外だとなかなかそうもいかない。
家具が古そうだ。
バスタブが付いているとは珍しい。
ホテルの中庭
もう昼過ぎだ。お腹がすいた。
近所の食堂へ入る。
南インド名物のマサーラー・ドーサーがあるので迷わず注文。
ビールは・・・・・・・・無い。
見てくれは巨大春巻き、ずっしりと重く大したボリュームでとても美味しかった。
こちらの食事はどこでもボリュームがあるのだ。
昼食後は街歩きを開始。
この辺りは16世紀以降ポルトガル、オランダ、イギリスに支配されるという時代を歩んできた。
だからフォートコーチンはポルトガル建築様式の建造物が多い。
教会が代表的だ。
暑い。
歩いていると海岸線に出た。
風があって木々が生い茂り日影があって多少涼しい。
海岸に面した遊歩道には屋台や土産物の露店が沢山出ていて賑わっている。
こういう雰囲気は大好きだ。
色々と見て回った。
海岸にはチャイニーズフィッシングネットという巨大四手網のような漁具が備え付けられていて、それで獲ったのだろうか、屋台の魚屋がいる。
どこも買った魚を広場の店で調理して食べさせてくれるらしい。
のどが渇いたのでココナッツジュースを飲む。
ついでに果肉も食べてみる。
特に味はないのだが乾いた喉にはうまく感じる。
しかし、段々と小銭が減っている。
2000Rs札が2枚あるが、これがなかなか使えないのだ。
おつりがないということで断られることが多い。食堂でも断られた。
ATMも無さそうだし、2000Rs札だけ残ったら何も買えないということになってしまうのだ。
土産物屋台で100Rsの物を買ってダメもとで出してみたら、何と1900Rsおつりをくれた。
ありがたい。
こんなことでもありがたく思うのだ。
大汗をかいたので一旦ホテルへ戻って一休み。
海岸遊歩道の終点とホテルはすぐ近くにあることが判明した。
シャワーを浴びた後ビールを飲みたいのは当然の欲求なのだが、今までにビールを売っているところは一軒も見当たらない。
リキシャの運ちゃんをつかまえて、どこかビールを売っているところに連れて行けと頼むと、それはできないと言う。
今日はアルコールは口にできない日だと言う。禁酒日だ。
やはりヒンドゥー教もイスラムほどではないがアルコールに関しては肯定的ではないのだ。
売りもしないし、飲食店でも出さないらしい。
明日は大丈夫らしい。
それにしてはハンピのチルアウトはエニータイムOKだったような気がする。
やはりあそこは背徳的だったのだ。
昨日、今日と禁酒か・・・・・。
去年のモロッコは国内ずっと禁酒だったからそのくらいは我慢しないと。
18時頃のサンセットの時間は海岸が西側だからきっと美しいだろうと行ってみる。
案の定、夕陽見物人が沢山いる。
観光客だけではなく、地元の人達も多い。
インド人も夕陽を見るのは好きなのだ。
日没後は人影もなくなった。
ホテルへ戻って愛想の良い従業員にランドリーはどうなったと聞くと、分からないと言う。
不安がむくむくとわいてくる。なにせここはインドなのだ。
首を横に振る動作が日本と反対で肯定のしぐさなのでややこしい。
まあ、無くなったとしても旅は続けられる。
それにしても、古いホテルの鍵というものはどこへ行ってもなかなかの難物だ。
夕食は、近所のレストランでバターチキンと野菜スープにした。
足首までのズボンを履いていなかったのがまずかった。
夕陽見物と公園の散歩、開放的なレストランで蚊に刺されまくったらしい。
ひざから下が痒い。
注文してから出てくるのは例によって遅いわけで、ビールやアルコール類があれば少しは気もまぎれようというのだが、水やコーラでは・・・・・・。
出てきた食事はいずれもとても美味しかったのだが、ひざから下の痒みが激烈になってきてホテルへ早く戻って薬をつけたい一心でゆっくり食事どころではない。
こんな強烈な痒みは久しぶりだ。
そそくさと食事を済ませてホテルへ帰って薬を塗るとあれほどひどかった痒みは潮を引くように治まった。
あの美味しい食事をゆっくり味わえなかったことが少々心残りではある。
明日はアレッピーへ移動だ。
散歩中に見つけたオブジェ。説明書きも興味深い。