楽しい練習会の巻
皆様、こんばんは。
筆者近影
DUAS INTENCOESというバンド名は、沖縄の某氏が、板垣武志とピアニスト・鈴木厚志の「志」の文字に着目して命名したものです。
沖縄でのライブのチラシに「二つの志」とデカデカとあったのを、これをバンド名にするのは何だから、ポルトガル語にしたらどうだろかと。でなんとなく収まりがいいので使っています。
ちょっと言いにくいけど。
このバンドの練習は、いつも拙宅で行われます。
終了後は当然のごとく飲み会です。
先日は、遠刈田温泉は木村商店の大道芸記念激安セールで手に入れた去年のボジョレヌーボー激安と純米大吟醸激安を楽しみました。
この季節からは夕方のテラスでの飲み会が実に気持ちよく、特に西に遮る物が無いので、夕陽は沈むまで鑑賞できます。
つまり西陽がんがんに当たりまくりということですね。
西陽にボジョレヌーボー激安の輝きを確認する鈴木厚志氏
暗くなってからは、小生の部屋に移動するのですが、ここで聴く音楽は大体、ジャズのLP(アナログです。)が多いわけです。
最近、我々ではやっているのがフリージャズ。
フリージャズというと、始めから終わりまで決め事一切なしで行ってしまうというイメージですが(勿論そういうものもあって、それはそれで面白い。)、ある程度リズムの決めやテーマがあってアドリブの内容は自由というものの方が精神衛生上良いような気がします。
で、何故フリージャズなのか。
鈴木厚志というピアニストは音感に非常に優れていて、絶対音感もありますし、色々なピアノスタイルを即座に表現できるので、すごいなあと思っていました。
ピアニスト・鈴木厚志
ある時、鳩間島の某家で愛情物語という古い映画のビデオがかかっていて、この映画はカーメン・キャバレロという、いわゆるムードミュージックピアノと言っていいのかな、そのピアニストが全編ピアノを弾いている(ピアニスト役は俳優さんです。)、なかなか感動的な映画なのですが、このピアノスタイルが例えばこうですね。「枯葉よ~~~~~~、ほっきゃらきゃらきゃらきゃらきゃら」(大橋巨泉氏の表現)、こんな感じに代表されるわけです。
鈴木厚志は見ているようで見ていないようで、なんだかボーッと佇んでいます。
ところが、このようなピアノスタイルが次のライブの彼のピアノ演奏に出てくるのです。
一所懸命見ていたわけではなく、単に流れていただけなのに、と、この辺りで鈴木厚志の特技に気付き始めるわけです。
思えばモード奏法的スタイルでソロを弾いていた直前は飲みながら、マッコイ・タイナー(ジョン・コルトレーンの共演者のピアニスト)のLPを聴いていたし、フリージャズスタイルが頻繁に出てきた直前は、やはり飲みながらフリージャズを聴いていたし、そういえば、那覇空港のANAの案内メロディや山手線の駅アナウンスメロディやら、果ては、鳩の鳴き声があれはA♭だこれはE♭だとか何だかんだ言っていたような気もするしと、この辺りで彼は聴いた音をそのままのピアノスタイルで表現できるのだしかも無意識に、と気付くわけです。
これはすごい。尊敬に値する。
と同時にこんなに面白いことはめったにないと思い始めます。
何故なら、飲みながら面白そうな音楽をかけておけば、次の演奏に無意識にそのスタイルがピアノで表現される可能性があると。
ジャズピアノやまともなピアノスタイルはあたりまえですから、やはり過激なフリージャズや真っ黒けのブルースピアノ、沖縄民謡、古いムード歌謡、演歌、そしてクレージー・キャッツやら。
そんなこんなで、小生が面白がってもっともっとピアノのフリージャズ度を高くしたいと企んで、フリージャズをバックミュージックに飲むわけです。
そもそも鈴木厚志は、かの山下洋輔(日本のフリージャズピアニストのパイオニア的存在)に憧れて、彼の母校の音大に入ったというつわものですから、何の抵抗も無いらしいですね。
というわけで、鈴木厚志のハチャメチャ(と言っては失礼ですね。でもこれは誉め言葉)フリースタイル・ピアノもお楽しみの一つであります。
このフリージャズという音楽に関しても面白い話題はいっぱいありますが、それは次の機会にということで。
ではでは