2010年冬の北陸・大阪・四国の旅
皆様、こんばんは
12月6日から13日まで北陸、大阪、四国と回ってきました。
この旅は、今年の夏に行った福井・大阪・高松が基本になりますが、今回はメンバーが3人、おなじみピアノの鈴木厚志さんと新メンバー、フルートの石井幸枝さんです。
石井さんは昨年、JR飯田線とレールパークでの演奏でご一緒しており、最近はちょくちょく演奏の機会があります。
福井での演奏日12月8日に福井駅集合とだけ決めてあるので、1日早く出発して能登空港から輪島へ行ってみました。
12月7日、今日の能登は天気もぐずついていて、とにかく寒い。
輪島は、20年近く前に一度行ったことがあります。
当時は鉄道路線があったのですが、今は能登半島の鉄道路線はほとんど廃止されて能登鉄道として唯一、穴水・和倉温泉間だけ残っています。
能登空港からは乗り合いタクシーで約20分、既に民家には雪除けの備えがしてあって、内陸部の激しい降雪を予想させます。
こうしてじっくり見てみると輪島はとてもきれいな町でした。
町並み保存地区は電柱が埋設されていて空間がすっきりしています。
江戸時代の古い街並みがそのまま残っているような佇まいです。
宿は川沿いの和紙を多用している造りの古い木造の和風旅館。
建物の中も特徴がありちょっと迷路っぽくなっています。
10部屋ほどあるのですが、本日の宿泊者は小生1名。
贅沢ですね。
川沿い
宿のロビー、和紙のオブジェが面白い。
6時過ぎに食事に出たのですが真っ暗で人通りが殆ど無く、既に真夜中の雰囲気。
朝市通りから重蔵神社方向の道は街灯が腰の高さにあってとても幻想的な雰囲気、商店の造りも時間が止まったような造りで、誰もいない空間を一人で歩いていると、今が21世紀だということを忘れそうになります。
古びたつくりの居酒屋で食事。
この雰囲気は筒井康隆の「エロチック街道」のようでとても好きです。
これで午後6時頃
エロチック街道に出てきそうな居酒屋
早々に就寝。
翌朝は当然輪島の「朝市」。
宿から近いので早速出かけます。
20年近く前の記憶が甦ってきました。
朝市
昨日の夜歩いた通り
お目当ては「いしる」、地物の魚醤で、いかといわしの2種類あります。
この辺りでは珍しいものではないのですが、全国的には秋田のしょっつるが有名であと何種類かだと思います。
少量使用するとコクが出て味が良くなるのです。
美味しそうな魚とかいっぱいあるのですが、旅は始まったばかりなので買うわけには行きません。
あまりに天気が良いのでちょっと海岸へ出てみます。
さすがに冬の能登半島は寒い。
さて、今日は福井駅に5時の集合。
昼前に出発したので、各駅停車でゆっくり行けばそのくらいの時間に着ける筈。
輪島から穴水駅まではバス。
輪島駅の建物はそのままバスターミナルとして残されていました。
旧輪島駅
穴水からは能登鉄道で七尾まで。ここからJR七尾線で金沢まで。金沢から北陸本線で福井というルートです。
能登鉄道、穴水駅
この時期の北陸には珍しい良い天気で快適な旅です。
七尾線車窓から白山を臨む。
福井駅でメンバーと合流後、本日の演奏場所であるポルトガル料理店「バスコ・ダ・ガマ」へ。
前回来て演奏したときは、その日あたりから猛暑日の始まりでした。
その後、アップライトピアノが入って店の音楽的な雰囲気は高まっているようです。
本日はお店の開店一周年記念イベントということで満席のお客さま。
ポピュラーなものから少々マニアックなものまで取り混ぜて演奏、ゲストのピアニストの演奏もあったりして雰囲気も盛り上って最後は踊ってもいただきました。
バスコ・ダ・ガマにて
オーナーのYさん宅に泊めていただいて、その夜は軽く打ち上げ。
外は雷。
ちょっと打ち上げ的な・・・・
少し雪も降ったようで、翌朝うっすらと雪が残っていました。
朝は雨、今日は大阪での演奏です。
北陸本線で狭軌陸上トンネルとしては国内最長の北陸トンネルを抜けると天気は変わっていました。
琵琶湖を臨む辺りから晴れ間が出てきて、大阪は晴れ。日本海側と太平洋側の冬の天気はほんとに違います。
本日は大阪のグローバルという旅行会社のイベントでの演奏。
多少早いのですがクリスマスコンサートという触れ込みなのでそちらのナンバーも演奏しました。
演奏後の打ち上げは北新地でしたが、何だか体調が悪くなって小生一人だけ先に引き上げさせていただきました。
外に出たらぶるっと寒気がしたので風邪のひきはじめかな。
こういう日は暖かくして睡眠を充分にとることに限ります。
それにしても、大阪の地下鉄の駅というのは難しい。
宿泊場所の最寄り駅は「本町」だったのですが、この駅の出方が難しい。
出口表示を見ながら出口を探していくとすごく時間がかかってしまうのですが、入り口からあるルートを辿ると実にあっけなく目的改札に着いてしまう。
しかし逆には辿れない。
何故だ。
結局、最後までその出口への最短ルートを見つけることは出来ませんでした。
鈴木、石井の両氏は午前2時頃まで楽しく飲んでいたそうです。無念!!!
翌日は体調も回復し、CHOVE CHUVAの入り時間まで暇、ということで通天閣付近へお昼がてら観光ということになりました。
じゃん横
言わずと知れた
地下鉄動物園前駅からじゃんじゃん横丁辺りを散策して天王寺動物園前の橋から動物園を見渡してフラミンゴの赤さが妙に印象に残りました。
じゃんじゃん横丁は金色のビリケンが特大から極小まで至るところにあり、ど派手ファッション店の例えば鯉の滝登りの刺繍のあるジャンパーとか昇り竜のGパンとか幸枝嬢に大受け。
昼間から当たり前に飲めるじゃんじゃん横丁で我慢してお昼を食べて、大通りを渡って更に散策を続けます。
動物園前一番街から動物園前商店街へアーケードを入って行くとじゃんじゃん横丁のど派手な色合いから一転、色彩がモノトーンに変わります。ここは知る人ぞ知るディープスポット。
沖縄のコザ辺りのいわゆるシャッター商店街と雰囲気が良く似ています。
昼間から普通に飲んでいますが、この辺りの飲み屋は早い時間に閉店する筈です。
仕事のため朝が早いんですね。
女性の一人歩きがためらわれるような雰囲気の中、幸枝嬢はとても楽しんでいたようでした。
本日の演奏は、Chove Chuva、ちょっとマニアックな内容にしてみました。
最近やっているGarotoの作品のトリオ版、3人のオリジナルを並べて演奏する等です。
Garotoの曲はもともとソロギターでできているので、トリオに分解することによって、一人々の演奏がより自由になります。そして我々のオリジナルを並べて演奏するのはそれぞれの作風が対比できてとても面白かった。
こういうことは今後もやりたいですね。
翌日は曇りがちで時々雨もぱらつきますが傘をさすほどではない。
本日は高松で演奏です。
大阪駅で朝食を摂って、相生、岡山、高松と約4時間ほどの旅。
瀬戸内海を渡る橋は空中散歩みたいでなかなか面白い、もっと天気が良ければきっと海の色がきれいなんでしょうね。
そういえば、鳩間島のターキーが、関西空港から大阪へ行く南海電車の景色に鳩間から臨む西表の風景にとてもよく似たところがあると言っていたっけ。
琴電高松築港駅
高松は夏にも演奏したカレー屋六ろくでのライブ。琴電瓦町の駅からすぐの場所。
ライブに先立って当然うどんで腹ごしらえ。
小生が愛用した店はボリュームのある小盛りに揚げ玉、ねぎ、しょうがをたっぷりトッピングして190円也で、これが何回食べても飽きがこない。しかも朝の6時からやっている。
さすがにうどんの国です。
本日のライブは夏と同じく、サンバの伝道師、高松在住のO氏のプロデュースで行なわれるもので、後半は吉祥寺のアウボラーダでやっているようなサンバセッションの形に持って行きたいなと思っていました。
前半は、昨日演奏したようなマニアック路線で行きます。
後半の参加者も結構いるではないですか。
サンバ人口だいぶ増えてきているのですね、これもOさんやHさんのおかげでしょう。
旅の最後の演奏にふさわしく、アフターアワーのセッションまで日付を超えて盛り上ります。
セッションーホーダ・ヂ・サンバ
リクエストで幸枝嬢の唄まで披露。
ここで、徳島から来られたブラジル音楽夫婦デュオ、Oさんご夫妻と知り合いになりました。
実は明日小生は徳島へ行く予定になっているということで、徳島で再会することに。
翌日は晴天です。
やはりこちらは随分暖かいように感じます。
お昼はメンバー3名でうどんではなく、そばを食べて軽く打ち上げ。
うどんだと、ものの5分で食べ終わってしまうからです。
小生、本日は徳島を観光して、翌日徳島空港から帰京の予定なのです。
高松から徳島まで約2時間、各駅停車しかも1両編成の旅です。
時々海が見え隠れしておわんをふせたような山々と陽射しと暖かい車内、とてものんびりした気分。
徳島駅でOさんご夫妻と再会。
このOさんご夫妻はギターとボーカルで徳島県内のみならず各地でブラジル音楽の演奏活動を行なっているとても魅力的な方々です。
そのOさんご夫妻の計らいでミニ徳島観光を味わうことになりました。感謝、感謝。
まずは、鳴門の渦潮。
渦潮観光船内にて
安栄(このブログではおなじみの八重山の高速船です。)をちょっと小さくしたような船で見に行くのですが、現場に近づくにつれ潮の流れがものすごく速くなってくる。
まるで川の流れを逆送している感じですね。そうこうしている内に今度は逆からの流れが対面してぶつかり合って渦潮を形成します。
実に不思議な景色。
地元の人でもこんなにきれいに渦潮が出るのはなかなか珍しいということです。
夕方16時の最終便でしたがこの時間帯も良かったらしいです。
段になっている向こう側は瀬戸内海、こちら側は太平洋というまさしく分水嶺。
そして、次は徳島の味ということで夕食は割烹へ。
移動中に話していたのですが、ギターのOさん夫は、小生と年齢も近くほぼ同じようなギター愛好暦を経験していらっしゃるようでそんな話で盛り上りました。
すなわち、ベンチャーズ系→グループサウンズ系→ロック→ジャズ→ブラジル系。
この話は近年一緒に語れる人が少なくなってきたので久し振りに「そう、そう、そう」というノリで語れて嬉しかったです。
ちなみに「そう、そう、そう」というような言い方は関西人の返答3回繰り返し、例えば「見た見た見た」という感じであるそうな。
Oさん達、時間を気にしだしたので何かなと思ったら、次の観光コース、阿波踊り会館のショータイム、午後8時が近くなっているのです。
「阿波踊り会館」のステージは小劇場のような感じでとても立派なものでした。
ここで一日に何回か各連による阿波踊りのショーが催されます。
小生が抱いていた阿波踊りというのは単に賑やかな印象でしたが、大きな誤りでした。
一般的にサンバに抱く印象と同じ誤りです。
哀愁がある。
今回特に、女性の阿波踊りの衣装と踊りに見入ってしまいました。
富山県の「風の盆」のような衣装ですね。
傘を深くかぶってしゅっとした(この表現も関西特有です。)スマートな着物の着こなし。
群舞からソロ、デュエットとパターンも色々とあってとても美しかった。
日本女性は着物だなあとつくづく思いました。
男性はコミカルな動きで女性を立てる。サンバと実に似ています。
連という地域を中心としたエスコーラ、ダンサー、地方(じかた、移動しないで演奏する楽隊)、アレゴリア等の仕掛け、カルナバルの時期等々、サンバと阿波踊りとエイサー(このブログではおなじみの沖縄のお盆の時期のカルナバルです。)は仕組みから表現形態まで本当に似ています。
サンバをやっている人間が阿波踊りを見たから深い共感を覚えたのかもしれません。
楽曲も沖縄のリズムとちょっと似たところがあって、裏のリズムの刻みが強い。
これも共感を構成する大きな要因です。
これは、是非お盆の時期の本番を見たいと思いました。
阿波踊りの面白さを初めて認識させていただきました。
ちなみに体験コーナーもあって、これもよかったです。
女性陣
男性陣
地方(じかた)
子供達
群舞
体験コーナー
記念撮影
最後は、落ち着いたショットバーで締めの一杯。
ちょっと徳島へ行ってみようかなと思って行ったのですが、Oさんご夫妻の計らいでものすごく充実した徳島行きでした。
ちなみにOさん夫は兵庫県出身、奥様は阿波女ということです。
次回は、徳島でジョイントライブをしようねと約束しました。
ありがとうございました。
今回の旅は、石井幸枝さんを交えたトリオでの始めての旅で、音楽的にも3名での個性を出せそうなアイディアを感じさせる旅でした。
いつもながらではありますが、お世話になった皆様、ありがとうございました。
皆様との出会いが旅の一番の醍醐味なのです。
ではでは