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2016年03月 アーカイブ

2016年03月14日

2016モロッコ・スペイン・ポルトガルの旅  第1章 2/21~2/22 出国・マラケッシュ

久しぶりのブログ更新です。
実に、2016年初めて。
さて、今回からは毎年この時期になると行きたくなってくる、海外の旅、紀行文を掲載します。
今回は、2月21日~3月9日までモロッコ・スペイン・ポルトガルを旅してきました。
回数を分けて掲載していきます。
お楽しみ、あるいは参考にしていただければ幸いです。

第1章 2/21~2/22 出国・マラケッシュ

3年前のブラジル行きの際に搭乗したエミレーツ航空EK319、あの時は総二階建てで世界最大の旅客機A380だったが、今回はごく普通のB777。
成田空港22時発で5時ドゥバイ空港着なので真っ暗なフライトのはずだ。
比較的空いている。
カウンターで通路側の席に変更してもらう。
一つ空いた窓側の席にはブラジリアの大学に留学するという京都の大学生K君。
夜便なので節度ある交流をする。
聞けば、半年の留学で海外も初めてだという。
お父さんが趣味でビリンバウをやっていたとのこと。
親戚に女性ピアニストがいるという。
わりと珍しい苗字なので、確かそのような苗字のジャズピアニストがいたような気がする。

日本海を抜けて中国大陸に入るまでかなりの揺れ。
これでは食事はとても無理だ。
静かになってから夕食。この便は夕食、朝食と二食。
エミレーツは食事もエンターテインメントも充実していて好きな航空会社だ。
隣が空いているので足は伸ばせたりするが、やはり1時間位しか寝れない。
大陸に入ってからはずっと静止しているかのような静かさだった。

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ドゥバイ空港へは30分程早く到着。
相変わらずの賑わい。
次の便のエリアは10分位の徒歩移動で済む。
しかも待ち時間は約2時間ととても楽。横になって休息。
カサブランカ行きもそんなに混んではいない。
今度は昼間のフライトなので、成田で窓際にしてもらった。
日本ではこういう細かいサービスを受けることもできる。
正解だった。
アラビア半島→シナイ半島→アフリカ大陸→地中海→北アフリカと眼下の様相がどんどん変化する。
アフリカに入ってからは、茶色の山と大地、緑のオアシスが点在という感じになる。

マヨルカ島
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そして、12時30分頃モロッコ王国カサブランカ・ムハンマド5世空港着。

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きれいで近代的な空港だ。入国審査は並んでいるので時間はかかるが手続き自体はスムーズで荷物受け取りも然り。列車の案内板通りに進み、マラケッシュまでの切符を買った。
事前の調べでは、カーザ・ボワイヤージュという駅で乗り換える必要があるということだったが、実際は次の駅、カーザ・オアシスという駅で乗り換えということだ。
空港の地下から発車する14時発の鉄道に乗れた。

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今回の旅、モロッコはアラビア語とフランス語、あとはスペイン語とポルトガル語。
ポル語はブラジルへ行ったとき少しは勉強したけれどフランス語は40年前の大学の第二外国語以来、スペイン語はほとんど分らない。フラ語は昨年11月頃から教本を買って多少勉強し、ポル語も一応復習してはみたものの、スペイン語は時間切れだし全体的に全く自信はない。
フランス語圏は英語はあまりポピュラーではないと聞いているが、切符売り場では向こうから積極的に英語で聞いてきた。こちらはあやふやなフラ語で応酬。
とにかく乗車はできたのだ。

マラケッシュまでは約3時間、東京・名古屋くらいのイメージか。
初めてなので一等車の座席を買う。
二等は混んでいるが一等は空いている。
ここで同席したユセフ氏と少し話す。
乗換駅の確認をさせてもらう。
車内で買ったクロワッサンを分けてくれたりする。
フラ語も少しは通じたようだ。
初めて接したモロッコの民間人は、とても紳士的で親切な人だった。

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列車は3両編成の客車列車。快速列車らしく次の駅までかなり走るようだ。
スピードも結構ある。

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Casa Oasis駅で近くの席のアルゼンチン人らとこっちだこっちだと乗換ホームへ。
ここで突然の夕立。

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駅は日本の田舎の駅のたたずまい。
写真を撮っていたら、駅員が、それは駄目だ。撮ったものを削除しろと言ってくる。
うわさには聞いていたが何故か鉄道、鉄道施設の写真撮影はご法度らしい。
携帯の写真は消えてしまったが、それまでに撮っていたデジカメの写真はかろうじて残った。
しかし、何本も列車をやり過ごしてもなかなかマラケッシュ行きの列車はやってこないのだ。
本当に来るのか不安になり始めた約1時間後に長い編成の列車がやってきて、これがマラケッシュ行きらしい。
ここでようやく切符に記されていた車両No.と座席番号の意味が分った。
この辺はわりと正確なのだ。
空港と同じ方向へ走り出す。

一等車は6席のコンパートメント。
空港からの列車は3両編成でコンパートメントもなかったので、京急の空港線のようなものだったのだろうか。
同席する客は4名。
皆ビジネスマンのようだ。
携帯は使い放題。
シートはゆったりしていて、時差と睡眠不足で眠気が襲ってくる。
列車はかなりのスピードを出している。関西の新快速ぐらい速い。

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市街地を離れると車窓が段々面白くなってくる。
砂漠ではなく土漠という感じの丘がどこまでも連なっている。
緑は殆どサボテンだ。サボテン畑もある。
短い緑は牧草か。
牛もいるがヤギが多いようだ。茶色いヤギ。
両側に果てしなく続く地平線。
人家など何もないところを走行している。
時々ヤギを追う遊牧民が行き来する。
日本ではありえない風景だ。
土漠の上だからなのだろうか、雪の上を走行しているような静けさで、眠気もあって気が遠くなっていくような気がする。
20分おきくらいにどこかの駅に停車する。
車内アナウンスのマラケッシュの順序が何だか変なような気もするし、本当に終着駅なのだろうか。
日も暮れかかった18時半頃、彼方に蜃気楼のように大きな街が見えてきた。
どうやらあれがマラケッシュの街らしい。

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とても美しいマラケッシュ駅。
もうすっかり日は暮れた。
ホテルの場所は地図上では把握していたが、荷物があることと初めての街は安全を金で買うという意味でタクシーを使う。
100dhという、後で考えると随分と吹っ掛けられたものだが初めは仕方がない。約1200円だ。
さすがにホテルの前まで行ってくれる。
町の印象は暗くてはっきりとしたことは言えないが、多分大都会だ。
メディナの中、旧市街の佇まいは、趣があると共に夜は不気味さが漂う。
あちらこちらに人が佇んでいる。
ホテル・ル・ガリアにチェックイン。
変なフラ語と英語のちゃんぽんで十分行けるようだ。
部屋は小さめだが清潔そう。ベッドはダブルの大きさ。
吹き抜けの中庭が美しい。
人なつっこい猫が何匹もいて、すり寄ってくる。

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機内食しか食べていないので腹ペコだ。
いつもの常で到着後のビールを飲みたいので聞いてみる。
ビールやワインはタクシーで行かなければならないところにしか無くてしかも高いという。
さすがにイスラムの国だ。原則、飲酒は禁止なのだ。
外国人は例外だがとても面倒くさそうだ。
今回はあきらめるか。

で、噂に聞くジャマ・エル・フナ広場の屋台に行ってみることにした。
かなり近いようだ。

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フナ広場からクトゥビア・モスクを臨む。
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広場の光景を初めて見て相当にびっくりした。
噂には聞いていたがなんだこれは!!!
広大な広場に光の渦!!と見えるのは無数の屋台の織り成す光、そして音、太鼓や重低音、人声、
笛・・・・・・諸々。
広場一杯の大道芸と屋台、繰り出す人々。
平日の夜なのだ。
どうもこれが毎日続くらしい。
まあ、日本とは異なる国だとは言ってもこれほどすごいとは。
音楽が多いのが楽しい。
ただ、写真でも撮るとチップを要求される。
これは、大道芸に対する投げ銭として当たり前のことだが、慣れていない人には不当な要求と思われるかもしれない。
この辺りがガイドブック等にあまりよく書かれないところの所以となっているのだろう。
皆、酒が入っていない筈なのにのにこのテンションの高さ。もし酒が入ったらどうなってしまうかと考えるとイスラムの教えは正解なのかもしれない。

投げ銭をするとこういうサービスも。
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屋台からはとにかく声をかけられる。
日本語の掛け声も多数。

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今晩は何でも良いのだが、とりあえずモロカンサラダとチキンのクスクスにしてみる。
サラダはトマトの細切れにパクチーのビネガー味。クスクスには鶏もも焼きが乗っている。
甘いミントティー。
パンもあるので量が多い。
味はまあまあというところか。

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これがエスカルゴなのか・
カタツムリ煮。オレンジジュースは噂通りの激美味。
大道芸もそこそこに楽しんだ。

今日は、時差ボケと寝不足で疲れている。
酒も買えないので、水を買って、帰ってシャワーを浴びてたまらず寝てしまった。
明日は歩き回ろう。

2016年03月20日

2016モロッコ・スペイン・ポルトガルの旅 第2章 2/23 マラケッシュ

第2章 2/23 マラケッシュ

昨日は旅の疲れもあって、しかも酒も飲まずに早く寝てしまった。おかげで4時に目が覚める。
まだ外は真っ暗。
今日の予定を立てたり、日誌を書いたりしておそらく街が目覚めるであろう時間まで過ごす。
まず初めにやることは朝食。これは、フナ広場へ行けば何かあるに違いない。
そして必ずやらなければいけないのが、明日のメルズーガ行きのバスチケットをゲットすること。
売り切れてしまう可能性もあるのだ。

明るくなった7時半頃から行動開始。
朝は日本並みの冷え込み。防寒がしっかりしていないとダメ。
セーターとダウンで正解だ。

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フナ広場は昨夜の喧騒が幻だったかのように静かなただの広場になっている。
掃除人が沢山いて、目立つごみも落ちていない。きれいだ。
周りのカフェとオレンジジュースの屋台は開店し始めている。
カフェでパンケーキとコーヒーにオレンジジュースの朝食。
ボリュームたっぷりで美味しくて20DH(約240円)は安かった。

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明日乗る筈のバス、Supra toursの事務所は、昨日降り立ったマラケッシュ駅のすぐ近くにあるとのことなので、フナ広場脇のバス停が集中しているところでマラケッシュ駅を通るバスを探して待つ。

クトゥビアモスクは目印にとても便利だ。
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バス停④-No.5のバスを見つけて(係のおじさんがいるので便利だ)、マラケッシュ駅まで何と4dh。
昨日のタクシー料金は25倍だった。

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マラケッシュ鉄道駅
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二日目の街歩きで地理を大体把握することで当地での無駄な金はなるべく出ていかないようにする。
駅近くのONCF(国鉄)事務所でバスチケットをゲット出来て一安心。
まだ、時間は午前9時を回ったばかり、今日はフリーなので新市街地から旧市街へ歩いて帰ろう。
駅のトイレはタダだし、わりと清潔なので利用しやすいのだ。
wifi無でも使えるGoogleマップを見ながらATMを使ったりしながらのんびり歩く。

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ただ、そうのんびりんもしていられなくなってきた。
陽が高くなるにつれてアフリカの強い日差しが照りつけてくる。温度がどんどん上がってくるのだ。
寒い時間に出てきた格好ではきつい。
一旦戻って着替える必要がある。

今日は雲一つない快晴だ。
南側に見える雪を抱いたアトラス山脈の白い山並みが美しい。

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確か4000m級の山もある筈だ。
日本アルプスのふもとの街のようだ。
まだ午前中だから、迷路と言われるスーク(市場通りと言っていいのだろうか。)を歩いてみて昼食をどこかで取ろうと計画する。
明るくなって分かるのだが、泊まっているホテル・ガリアとフナ広場はすごく近い。

フナ広場とお茶
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昨夜、幻想的に見えていたクトゥビアモスクの見え方で、迷ってもフナ広場との大体の位置関係はつかめるのだ。

スークの道は狭く、人、自転車、バイク、自動車、馬車、ロバ車等がひしめき合っている。

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那覇のマチャグァーと少し雰囲気が似ているが、こちらは迷路だ。
しかも、さすがに腕は引っ張られないものの、呼び込みは強烈で落ち着いて商品を見る気にはなれない。
そして、呼び込み、物乞い、乞食等々。
値札は殆ど付いていない。
どうも値段もあってないようなものらしい。

温度はどんどん上がって暑さが激しくなってくる。
なんだかくらくらしてくる。
歩き回って昼も過ぎてしまった。
フナ広場の周りには広場を見下ろすことができるテラスがあるレストランが囲んでいる。
その一つに入ってみる。

空いているし、アトラス山脈もくっきりと見える。
とても落ち着く。

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コーランの放送が広場に響き渡る。
何だか学生時代の革マル派のアジ演説に似ている。
これから何回も食べるであろうタジン鍋を頼んでみた。
牛と鶏卵だ。
オリーブの実の漬物が出てきて、ビールがあったらさぞ美味しく飲めるだろうと思うのだが、イスラム圏だからご法度。

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出てきたタジンは絶品だった。

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タジンてこんなに美味しいものなのか。
ビールがあったらいくらでも飲めそうだ。
しかし、そこはお茶でいただく。
パンを使ってもすごく合うソースだ。
これは一体どうなっているのか。
さらにポテトも付いたりするので、パンと一緒にお持ち帰り。
屋台のオレンジジュースと一緒にホテルへ持って行けば、ティータイムが過ごせるのだ。
普段のこういう状況だとビールを飲んでしまうのだが、早くもティータイムなどと考えている日和見主義者だ。

ホテルの中庭。リヤド(邸宅)の中庭
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明日のバスは、調べたところによれば、まずドライバーに終着のメルズーガのほんの少し手前のハシ・ラビト村へも寄ってくれと注文を付けて、そこで降りて、かつ到着が21時頃なので、宿の迎えの人と会えないと砂漠の街で路頭に迷うという可能性があるので、行動計画を考える。
まあなんとかなるだろう。
ちっとも考えていないのに、考えたつもりになって安心してうとうとしてしまった。
歳のせいなのか、ちょっとうとうとすると行動が億劫になる。

しかし、まだ15時頃で陽は高い。
明日は移動だから、決めていた史跡地区へ行くことにして、起き上がって行動再開。
結構頼りにしているGoogleマップは突如道案内が始まったりするのだが、正確だ。
おかげで、アル・マンスールモスクへもすんなり行ける。

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木彫りやタイルの美しさが印象的だ。
日本人団体観光客を見かける。
日本人はわりといるみたいだ。
その代り、あれほどどこでも沢山いた中国人観光客は全くと言っていいほど見かけない。
フナ広場へ戻って少し買い物をする。

値札はない。
250と言ってきたので高すぎるから120にしろと言うと、200だと言う。
ならば150と言うと握手を求めてきて商談成立。
品物は悪くないのに、何故こんな面倒な商いの方法なのだろう。

17時頃、まだ日は高いが、フナ広場ではそろそろ大道芸が始まっている。

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投げ銭をすると、このようなサービスも。
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この時間帯は、音楽よりもビジュアル的な猿回しとか、身体雑技とかの大道芸が多いようだ。
漫画のような笛でコブラを操る蛇つかいというものを初めて見た。
ホテルへ戻って夕食時まで休憩。
この頃になるとフナ広場から宿までの最短の怪しげな道を覚えた。
二日目からのいつものパターンだ。

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20時過ぎ、再びフナ広場へ。

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昨夜と変わらない熱気、人出。
大道芸の種類も増えた気がするし、人出もかなりのものだ。
昼間のビジュアル的なものから、夜は音楽が中心になってくる。
エレベそっくりな音でフレーズを延々と繰り返すのは電気ゲンブリ、これに打楽器、バイオリン、唄、踊り等が絡んでモロッコ風ソウルミュージックとでもいうのだろうか、グナワミュージックを奏でている。
円陣を組んで色々な楽器が絡んできて大規模パゴージ的になっているものもあれば、少人数でアコースティックなものもある。
やはり大音量の方が人だかりは多いようだ。
ずっと聞いているとトランスミュージックのように幻惑的な気分になってくる。

今晩はケバブを食べたくなって、誘われて屋台の一つに座る。

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ここはハズレ。
大して美味くもなく量だけは多いが、注文したかどうか怪しいようなものも出てきて値段も高い。
昼間はきちんとしたレストランだったから注文と計算もはっきりしていたし味も確かだった。
やはり、空いている屋台というのはそれなりの理由があるわけだ。
ま、雰囲気も楽しんだし法外と言えるものではないので、オレンジジュースで口直しをして帰路につく。
相変わらず、ハシシ、大麻だかの売人がすり寄ってきたり、キメまくったような女性が道端に座り込んで何やら叫んでいたり、物乞い、乞食、客引き等々、混沌の世界だ。
鉄道駅でも見かけたが、むき身の銃を持ったポリスが3人組でそこここにいる。
時世柄、分かる。
毎晩いったいどのくらいの人がフナ広場にいるのだろうか。
車やバイク、馬車やトゥクトゥク等も侵入可能なのだ。
もしここが標的になったらなどと考えるとぞっとする。

混沌を現実化したようなジャマエルフナ広場、どのようにしてお開きになるのか見てみたい気もして去り難くもあったが、明日は12時間のバス旅、体調を整えておくことが肝心。
怪しげな細い道を宿に引き上げた。

深夜のホテル猫
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2016年03月27日

2016モロッコ・スペイン・ポルトガルの旅 第3章 2/24 マラケッシュ→ハシラビト

第3章 2/24 マラケッシュ→ハシラビト

今日はいよいよ砂漠行き。
8:30発のsupra toursのメルズーガへ行くバスに乗る予定だ。
昨日チェックしたマラケッシュ鉄道駅の隣、CTMターミナルから出る。
余裕を見て、早朝6時半頃に朝食を探しにフナ広場方向へ。

まだ真っ暗。
しかし、しっかり食べておかないと、この先約12時間のバス旅の体調を整えることはできない。
どこもやってはいないようだが、それでもパン屋というかブラッセリーか、ただ一軒開いている。
店内でクロワッサンとコーヒー。
これは当たり。
以前はフランスの支配化にあった国、クロワッサンが美味しい。

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7時半頃にはバスステーションに到着。
チケットは昨日買ってあるので、荷物タグを5dhで購入。
バスに乗り込んでハシラビト村へ寄ってくれとドライバーへ言う。
通常のルートらしく、問題はないとのこと。
ここで日本人旅行者のT君と出会う。
同じハシラビト村のWilderness Lodgeへ行くという。
同行者もいるので少し安心した。
これから12時間の長旅だ。

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バスは9時頃出発。
到着は21時頃だ。
市街地は渋滞したりしている。
何だか同じところを回っているような気がしているが、市内各処でお客さんを乗せて、車内はほぼ満席だ。
クッションが良くて乗り心地はとても良い。
バスの長旅、さぞや退屈だろうと思っていたが、とんでもない。
オートアトラス山脈に向かってどんどん登って行く。

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雪山だ。
アフリカの雪山!!!

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しかし土は赤い。
家々が赤土からそのまま生えているように見える。
山肌がそのまま家になっているように見える。
小生の席は前から2列目。前方がよく見える。

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山岳道路を登ってきて、11時半頃一回目の小休止。
バスの長旅はトイレが一番の問題点。
禁酒状態だし、水分も控えているので体調は十分。

小休止
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さて、今までおとなしくしていたバスがこのあたりから本領を発揮し始める。
道路は山岳道路に入っている。険しいカーブの連続。おそらく6m道路。
猛スピードだ。
乗用車、トラックだろうが何だろうが全ての車を追い越し始める。
前方がよく見えるのでスリル満点。
山道でバスチェイスを始める。
正気の沙汰とは思えないが、結局抜き去ってしまった。
荒いというか見事というか、ネパールに行った時も感じたが、地元のバスは強い。

景色はここがアフリカだと思えないような雪景色に変化していく。
退屈する暇はない。
山の土は赤い。
家も同じ赤土でできているようだ。
赤土レンガとか土をこねて作っているのであれば材料は無限にありそうだ。

オートアトラスは、4000m級の山を擁する山脈だが、今一体どのくらいの標高を走っているのだろうか。
現れてくる雪山の景色に乗客が息を飲む気配が伝わってくるようだ。

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やがて途中の村々を経て徐々に景色が変わってくる。
雪が消えてきた。山脈を越えつつあるのだ。
そしてカサブランカからの車窓に見られたような土漠地帯となってくる。
緑は例のサボテン。
そして、それも無くなってくる。
時々広葉樹が生えているところはオアシスなのだろうか。村がある。

テーブルマウンテン
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バスは相変わらずぶっ飛ばす。
前を行く車をことごとく挑発し抜き去ってしまう様は、猛獣が草食獣を襲うような印象を与えるのだ。
肉食獣バス!!!
車内に流れるアラビアンミュージックでうとうとしているうちに、徐々に砂漠地帯に入りつつあるようだ。

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大きい街では乗客の乗り降りがあるが、指定席なので混乱はない。
が、地元の人、特に女性はこういう荒っぽいバスには弱いようだ。
次第にゲロゲロの声が聞こえはじめる。
ただ、予め分かっているらしく準備に怠りもないらしい。

ワルザザートの街は映画の砂漠ロケ地として有名。

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ロケで使われているアトラスコーポレーションスタジオは誰でも見学可能。

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16時頃、街外れのドライブインで大休止。
ここがどうやら昼食のようで、皆食事を始める。
出発してから8時間もたって食事休憩というのは日本の感覚からすれば随分時間が開くとも思うが、こちらにはラマダンという制度もあるので、このくらい間隔があってもどうということはないのか。

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すっかり荒野の一本道と化した道路をバスは再び猛スピードで走り始める。
変化のない景色と地平線に向かう何10kmも真直ぐな道路。
距離感とスピード感が分らなくなってくる。
更に日が落ちて真っ暗になると尚更で、遥か彼方に見える対向車の灯りが幻のようだ。
近づいて来ると真直ぐにぶつかってくるような錯覚すら覚えてしまう。
そんな中を相変わらずの猛スピード。
慣れていなければ絶対できない運転だ。
列車に乗っていた時も感じたが、何だか段々と気が遠くなっていくような感覚。

そうこうしているうちに、エルフード到着。そしてリッサニ着。
もうすぐの筈だ。
地元客もほぼ降りてしまう。
21時40分頃ハシラビト村着。
暗くて周囲の様子が良く分からない。
が、事前の連絡通りオーナーが迎えに来てくれたのでありがたい。
T君と宿に入って夕食のタジンをごちそうになる。美味しい。

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素朴なゲストハウスだが、とても広い。
今日は我々2名しか客はいないようだ。
13時間強のバス旅。
とにかく疲れた。
今日も酒抜き。
これはモロッコを出るまで本当に禁酒かも。

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