2016モロッコ・スペイン・ポルトガルの旅 第1章 2/21~2/22 出国・マラケッシュ
久しぶりのブログ更新です。
実に、2016年初めて。
さて、今回からは毎年この時期になると行きたくなってくる、海外の旅、紀行文を掲載します。
今回は、2月21日~3月9日までモロッコ・スペイン・ポルトガルを旅してきました。
回数を分けて掲載していきます。
お楽しみ、あるいは参考にしていただければ幸いです。
第1章 2/21~2/22 出国・マラケッシュ
3年前のブラジル行きの際に搭乗したエミレーツ航空EK319、あの時は総二階建てで世界最大の旅客機A380だったが、今回はごく普通のB777。
成田空港22時発で5時ドゥバイ空港着なので真っ暗なフライトのはずだ。
比較的空いている。
カウンターで通路側の席に変更してもらう。
一つ空いた窓側の席にはブラジリアの大学に留学するという京都の大学生K君。
夜便なので節度ある交流をする。
聞けば、半年の留学で海外も初めてだという。
お父さんが趣味でビリンバウをやっていたとのこと。
親戚に女性ピアニストがいるという。
わりと珍しい苗字なので、確かそのような苗字のジャズピアニストがいたような気がする。
日本海を抜けて中国大陸に入るまでかなりの揺れ。
これでは食事はとても無理だ。
静かになってから夕食。この便は夕食、朝食と二食。
エミレーツは食事もエンターテインメントも充実していて好きな航空会社だ。
隣が空いているので足は伸ばせたりするが、やはり1時間位しか寝れない。
大陸に入ってからはずっと静止しているかのような静かさだった。
ドゥバイ空港へは30分程早く到着。
相変わらずの賑わい。
次の便のエリアは10分位の徒歩移動で済む。
しかも待ち時間は約2時間ととても楽。横になって休息。
カサブランカ行きもそんなに混んではいない。
今度は昼間のフライトなので、成田で窓際にしてもらった。
日本ではこういう細かいサービスを受けることもできる。
正解だった。
アラビア半島→シナイ半島→アフリカ大陸→地中海→北アフリカと眼下の様相がどんどん変化する。
アフリカに入ってからは、茶色の山と大地、緑のオアシスが点在という感じになる。
マヨルカ島
そして、12時30分頃モロッコ王国カサブランカ・ムハンマド5世空港着。
きれいで近代的な空港だ。入国審査は並んでいるので時間はかかるが手続き自体はスムーズで荷物受け取りも然り。列車の案内板通りに進み、マラケッシュまでの切符を買った。
事前の調べでは、カーザ・ボワイヤージュという駅で乗り換える必要があるということだったが、実際は次の駅、カーザ・オアシスという駅で乗り換えということだ。
空港の地下から発車する14時発の鉄道に乗れた。
今回の旅、モロッコはアラビア語とフランス語、あとはスペイン語とポルトガル語。
ポル語はブラジルへ行ったとき少しは勉強したけれどフランス語は40年前の大学の第二外国語以来、スペイン語はほとんど分らない。フラ語は昨年11月頃から教本を買って多少勉強し、ポル語も一応復習してはみたものの、スペイン語は時間切れだし全体的に全く自信はない。
フランス語圏は英語はあまりポピュラーではないと聞いているが、切符売り場では向こうから積極的に英語で聞いてきた。こちらはあやふやなフラ語で応酬。
とにかく乗車はできたのだ。
マラケッシュまでは約3時間、東京・名古屋くらいのイメージか。
初めてなので一等車の座席を買う。
二等は混んでいるが一等は空いている。
ここで同席したユセフ氏と少し話す。
乗換駅の確認をさせてもらう。
車内で買ったクロワッサンを分けてくれたりする。
フラ語も少しは通じたようだ。
初めて接したモロッコの民間人は、とても紳士的で親切な人だった。
列車は3両編成の客車列車。快速列車らしく次の駅までかなり走るようだ。
スピードも結構ある。
Casa Oasis駅で近くの席のアルゼンチン人らとこっちだこっちだと乗換ホームへ。
ここで突然の夕立。
駅は日本の田舎の駅のたたずまい。
写真を撮っていたら、駅員が、それは駄目だ。撮ったものを削除しろと言ってくる。
うわさには聞いていたが何故か鉄道、鉄道施設の写真撮影はご法度らしい。
携帯の写真は消えてしまったが、それまでに撮っていたデジカメの写真はかろうじて残った。
しかし、何本も列車をやり過ごしてもなかなかマラケッシュ行きの列車はやってこないのだ。
本当に来るのか不安になり始めた約1時間後に長い編成の列車がやってきて、これがマラケッシュ行きらしい。
ここでようやく切符に記されていた車両No.と座席番号の意味が分った。
この辺はわりと正確なのだ。
空港と同じ方向へ走り出す。
一等車は6席のコンパートメント。
空港からの列車は3両編成でコンパートメントもなかったので、京急の空港線のようなものだったのだろうか。
同席する客は4名。
皆ビジネスマンのようだ。
携帯は使い放題。
シートはゆったりしていて、時差と睡眠不足で眠気が襲ってくる。
列車はかなりのスピードを出している。関西の新快速ぐらい速い。
市街地を離れると車窓が段々面白くなってくる。
砂漠ではなく土漠という感じの丘がどこまでも連なっている。
緑は殆どサボテンだ。サボテン畑もある。
短い緑は牧草か。
牛もいるがヤギが多いようだ。茶色いヤギ。
両側に果てしなく続く地平線。
人家など何もないところを走行している。
時々ヤギを追う遊牧民が行き来する。
日本ではありえない風景だ。
土漠の上だからなのだろうか、雪の上を走行しているような静けさで、眠気もあって気が遠くなっていくような気がする。
20分おきくらいにどこかの駅に停車する。
車内アナウンスのマラケッシュの順序が何だか変なような気もするし、本当に終着駅なのだろうか。
日も暮れかかった18時半頃、彼方に蜃気楼のように大きな街が見えてきた。
どうやらあれがマラケッシュの街らしい。
とても美しいマラケッシュ駅。
もうすっかり日は暮れた。
ホテルの場所は地図上では把握していたが、荷物があることと初めての街は安全を金で買うという意味でタクシーを使う。
100dhという、後で考えると随分と吹っ掛けられたものだが初めは仕方がない。約1200円だ。
さすがにホテルの前まで行ってくれる。
町の印象は暗くてはっきりとしたことは言えないが、多分大都会だ。
メディナの中、旧市街の佇まいは、趣があると共に夜は不気味さが漂う。
あちらこちらに人が佇んでいる。
ホテル・ル・ガリアにチェックイン。
変なフラ語と英語のちゃんぽんで十分行けるようだ。
部屋は小さめだが清潔そう。ベッドはダブルの大きさ。
吹き抜けの中庭が美しい。
人なつっこい猫が何匹もいて、すり寄ってくる。
機内食しか食べていないので腹ペコだ。
いつもの常で到着後のビールを飲みたいので聞いてみる。
ビールやワインはタクシーで行かなければならないところにしか無くてしかも高いという。
さすがにイスラムの国だ。原則、飲酒は禁止なのだ。
外国人は例外だがとても面倒くさそうだ。
今回はあきらめるか。
で、噂に聞くジャマ・エル・フナ広場の屋台に行ってみることにした。
かなり近いようだ。
フナ広場からクトゥビア・モスクを臨む。
広場の光景を初めて見て相当にびっくりした。
噂には聞いていたがなんだこれは!!!
広大な広場に光の渦!!と見えるのは無数の屋台の織り成す光、そして音、太鼓や重低音、人声、
笛・・・・・・諸々。
広場一杯の大道芸と屋台、繰り出す人々。
平日の夜なのだ。
どうもこれが毎日続くらしい。
まあ、日本とは異なる国だとは言ってもこれほどすごいとは。
音楽が多いのが楽しい。
ただ、写真でも撮るとチップを要求される。
これは、大道芸に対する投げ銭として当たり前のことだが、慣れていない人には不当な要求と思われるかもしれない。
この辺りがガイドブック等にあまりよく書かれないところの所以となっているのだろう。
皆、酒が入っていない筈なのにのにこのテンションの高さ。もし酒が入ったらどうなってしまうかと考えるとイスラムの教えは正解なのかもしれない。
投げ銭をするとこういうサービスも。
屋台からはとにかく声をかけられる。
日本語の掛け声も多数。
今晩は何でも良いのだが、とりあえずモロカンサラダとチキンのクスクスにしてみる。
サラダはトマトの細切れにパクチーのビネガー味。クスクスには鶏もも焼きが乗っている。
甘いミントティー。
パンもあるので量が多い。
味はまあまあというところか。
これがエスカルゴなのか・
カタツムリ煮。オレンジジュースは噂通りの激美味。
大道芸もそこそこに楽しんだ。
今日は、時差ボケと寝不足で疲れている。
酒も買えないので、水を買って、帰ってシャワーを浴びてたまらず寝てしまった。
明日は歩き回ろう。