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2008年06月 アーカイブ

2008年06月01日

八重山・沖縄ツアー・中篇、鳩間島・伊原間編その3・第二回伊原間音楽祭

皆様、今晩は。
中篇、鳩間島・伊原間編その3です。

写真は殆どnino氏撮影

5月4日
今日もよく晴れています。
昨日は遅くまで騒いでいたので、寝坊する雰囲気でしたが、朝6時30分、音楽祭実行委員長K.T.氏が「後片付けをしますよー。」と家々を回って来ます。「板垣さんもお願いしますねー。」と名指しされては行かないわけにはいきません。たたき起こされた状態で、テントやステージの片付けのために会場へ。朝食も摂らずに朝から力仕事です。
おかげで、涼しいうちに8時までには終了し、その後はぶがりなおし。要は打ち上げです。朝から飲みます。ま、適当に。
この日は、夜まで特に予定もなく、天気も良かったので、西のビーチへ行ったり、北のリーフへ行ったり、散歩したり、昼寝したり、皆思い思いにのんびり過ごします。
この静かなのんびりした鳩間島はとてもお勧めです。
今夜は、毎年Sさん宅の庭でミニコンサートをやることになっていて、午前0時を回った時点で、5月5日が誕生日である島在住のピアニスト、ターキーの誕生祝をとりおこなう事が恒例になっています。
ケーキを作りたいところですが、島には材料がないので、毎年女性陣が苦労して何とかそれらしきものを作って、昨年はろうそくがなかったので、U家のトートーメー(本土の仏壇ですな。)のろうそくを拝借しておりましたが、今年は気合が入っており、上等なものができる様子。
ところが、肝心の本人がU家もろとも石垣へ出かけてしまったとのことで、不在。
これには「えーーーーー。」
ただ、明日の伊原間のコンサートに出演するとのことなので、ちゃんと誕生日にはお祝いできるわけで、とりあえずほっとします。
午後からは、今日の午後便で戻るにんにく大王の見送りパゴーヂを瑠璃のお庭の食卓で開催。
この瑠璃の建物は、TVドラマ「瑠璃の島」の撮影の際に、スタッフの宿泊用に建てられたと記憶しているのですが、桟橋から上がって一番初めの人家ですから、見晴らしが抜群で、特にこの庭の食卓は毎食利用するわけですが、巨大なガジュマルの下はとても涼しく、よい風が吹くのです。日なたとは温度が5度くらい違うんじゃないかな。
そして、この食卓を囲んでの大王見送りテーブルパゴーヂ、最上の音がしました。

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弦楽器の音がとてもクリアでよく響く。
やっぱり生音はいい。
最高にゴージャスな時間を過ごします。
金のかかった豪華リゾートホテルなんかとは次元が違う(もっとも行ったことがないのでよく分かりませんが。)贅沢さ。

大王の見送り
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船出
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そして、夜は恒例S家でのミニコンサート。
この夜は、連日の出来事で皆の疲れがピークに達していたのか、演奏中に眠気が襲ってきます。
演奏している場所が暗いせいもあって、段々意識が朦朧としてきて、これはいかんと声を大きくして唄うのですが、後で聞いたら何故か演奏者が全員同じ瞬間に意識朦朧となった瞬間があったとのこと。でも手は動いている。
小生はこのとき、視界の片隅を何か白いものが横切ったような感覚を覚えました。
何か来たんでしょうか。
ま、写真を見てやってください。

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終了後、また庭の食卓で飲み直してこの日は熟睡。

5月5日
この日から天気が崩れるとの予想でした。
案の定、雨雲がやってきて、やがて大雨。
よくバケツをひっくり返したとの形容をしますが、まさにこのことでしょう。
桟橋への道が川になっているし、外に出ればそのままシャワーを浴びることができます。
でも、鳩間はこの雨がたまるところはないのです。それで昔は苦労していました。
今日は石垣は伊原間のコンサート。
大丈夫なのかな。
午前中の便で石垣へ渡ります。
今年の音楽祭は皆本当に楽しんだようでした。
今までで一番楽しかったとの声が殆どの人から聞こえてきました。
音楽祭もさることながら、島人たちとの交流も皆で出来てとてもよかったと思います。
放っておけば住民がいなくなってしまうような過疎の状況の中、島人達が強い意志を持って守っている伝統芸能の宝庫の島です。
ここでブラジル音楽をやるということに対して、沖縄の音楽が好きなだけに、始めはとても躊躇しましたが、気持ちよく受け止めてくれた島人たちのおかげでこうして今まで楽しく交流できています(きっかけはこのブログの沖縄編にありますが。)。
島人は、伝統芸能に対してはとても厳しいのですが、音楽が大好きです。音楽を大切にしています。
スタイルの違いはあっても、音楽に対する尊敬の念は変わらないのです。だから、この島で演奏することは自分達の音楽に対する尊敬の念を試されているような気がします。
そして、音楽で交流できた時点から深い深い付き合いが始まるのです。
楽器が出来ないとか、ミュージシャンではないからとかそんなことではありません。
一緒に大声で童謡・唱歌を唄えればいいのです。
正式なイベントとしては、音楽祭だけでしたが、やはり鳩間島で過ごす日々が最も印象に残りますね。
雨の桟橋を後にします。
さよなら、みーなーとー。

今日は、石垣北部、伊原間はたいらファミリーでのコンサートです。
大揺れの高速船で石垣港へ着く頃には雨も小降りになっています。
久し振りのT校長の車。またお世話になります。
こんな雨でもやるかね。去年は、あっという間に道にまで客席をこしらえてしまった地区のことだから、たぶん雨除けの大仕掛けを考えているだろうな、屋根でも作っちゃうんじゃあないのなどと話しながら市街地から車で50分ほど。たいらファミリーへ。
案の定、会場の庭に公民館のテントがびっしり設営され、足りない部分はブルーシートで屋根が出来ています。芯棒の木がゆらゆら揺れていますが、こういう方が風には強いとのこと。なるほど。
ここは、昨年に続いて2度目のコンサートです(昨年の様子はこのブログの沖縄編にあります。)。
昨年で様子が分かったようで今年は更に気合が入っているようです。
翌日が休日ということもあって、お客さんも地区の皆さんを中心としてぞくぞくと集まって来ています。
我々は、関係者も含めて総勢20名ほど。
宿も食事もお世話になります。
ここは石垣の屈指のP.A.業者が入り、音響もいいし、何より公民館を中心とした地区の方々の手際がものすごくよいのです。
どんな状況でもなんとかしてしまうイベント慣れ民族です。頼りになります。
昨年と同じように、演奏が始まる夕方頃には天気が回復してきました。
行くぞー。

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今年は、ブラジル音楽に加えてオリジナルサンバ歌謡(KAZU作詞、小生作曲)もがっつり演奏しました。

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特に、パパビゴーヂで初演した「オッブリガードな世界」は、フレーボのリズムで分かりやすく踊りやすく、しかもカチャーシー(早節)とテンポがほぼ同じということもあって、全員総立ちで踊りまくり。大受け。

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対バンは、昨年は美崎町の民謡スナック浜辺のバンドでしたが、今年は昨日石垣へ一足早く渡ってしまったターキーを始めとする、鳩間M.比嘉バンド!!
島唄を中心として素晴らしい演奏です。

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たいらファミリーバンド
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そして、今年はとても素敵な芸能を見させていただきました。
宮城さんの「職業口説」。
ま、写真を見てください。

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唄と踊りですが、普段は真面目そうで静かなおじさんが、ステージに上がると一変。
八重山・沖縄はこれがあるから面白い。
交通安全ネタで有名、啓蒙活動で表彰も受けているとのこと。
普段は、美崎町の民謡スナック「島育ち」に出演しているようで。
今宵は、観光客相手ではないので、思い切り長くやったようでした。
本当に笑い死ぬかと思いました。
大変によいものを見させていただきました。
とてもよい雰囲気で、そして、お客さんも皆はじけて楽しみました。
パパビゴーヂで友人となった白百合醸造元の池原さんや鳩間でご一緒したミュージッシャン、パパビゴーヂのお客さんたちも急遽駆けつけてくれました。
そして、鳩間の島人たち。ありがとうございました。
晴れて、ターキーの誕生日祝いが出来ました。

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今年は、この伊原間、明石と石垣北部で演奏できたことが貴重な体験でした。
来年も、更に深く交流したいですね。
ではでは

2008年06月07日

八重山・沖縄ツアー後編・パパ・沖縄本島編

皆様、今晩は。
いよいよ旅も終盤です。

5月6日 
予定では、野底のM.H.氏宅で、コンサートをやろうかという企画でしたが、予定が合わず、急遽、パパ・ビゴーヂで2回目のライブ、ただ、4月29日と同じことをやっても芸が無いので、テーブル・パゴーヂをやろうと、生音で。それも、地元のミュージッシャンにも参加してもらって飛び入り有りで盛り上がろうという企画になりました。
この旅で、生音の気持ちよさ、飛び入りの面白さ、ジャンルのチャンプルーの楽しさをさんざん味わってきた集大成です。
急な申し入れに快諾していただいた、パパ・Mさん、ありがとうございました。

さて、ブラジル街角音楽団一行は、楽しかった伊原間を後にして、軽のライトバン・校長車でせっかく北にいるのだから、石垣の北端、平久保灯台、平野集落へ行って、西回りで市街地に向かおうと、ついでに野底のM.H.氏宅にも寄ってみようと、のんびり出発しました。
石垣島の北部は、殆ど走っている車も無く、信号も無く、快適なドライブです。

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サンバ歌謡新曲「オッブリガードな世界」は、どこでやっても大受けだったのですが、その歌詞で「たけしもあつしも空元気」というくだりがあって、あるとき、なぜかATUXIが「・・・空元気・・・」と唄ったあとに「わーーーーーーーーー」と大声で発声したのがはまっていて、以降我々の間で突然「わーーーーーーーーーー」と大声で叫ぶのが面白くなっていました。
いいおっさんがね。
平久保灯台で、あまりの見晴らしのよさに気持ちがよすぎたのか、KAZUが、「わーーーーーーー」っと。
近くにいたご夫婦がびっくりして「何かあったんですか!!!」。
そりゃそうですよね。
ごめんなさい。

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野底のM.H.氏宅からは、野底マーペーが真正面に見えます。

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十五夜の頃は、マーペーから月が上がってきて、それを眺めながら、飲み、唄うとのこと。
最高でしょうね。
この季節、石垣の西ではもずく採りが最盛期です。
この日の宿は、鳩間島へ渡る前に飛び込みで急遽決めた場所。
ここは絶対にお勧めの場所です。
安くて、広くて、きれい。パパ・ビゴーヂまで徒歩1分。
官公労共済会八重山会館(沖縄県官公労共済会福利厚生施設)です。
大当たりでした。
この夜は、池原コーイチさん、レンさんをはじめ飛び入りの方々も多く、また、鳩間島でご一緒した方や、伊原間でご一緒した方や、お店のお客さんもなごみまくって、曲の説明もしないでどんどんサンバを唄っていきました。

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4月末から石垣・鳩間でサンバをやってきて、ここでサンバをやるのが、パゴーヂをやるのがものすごく自然なことのように思えて、何の気負いもなく、力も抜けて皆さんと楽しい時間を過ごすことができました。
テーブル・パゴーヂ、投げ銭方式はお店としては初めてということでしたが、とても楽しかった。
この方式もまたやりたいですね。
パパ・Mさんはもちろんのこと、島の皆さんに本当に感謝します。

5月7日
今日で、KAZUとR子ちゃんとはお別れ。
小生とATUXIは沖縄本島へ渡り、那覇でライブです。
お疲れ様でした。
桟橋通りを、鳩間島のU兄弟が港へ下って行ったのを見たよ、一昨日とおんなじ服装だったよとの報告が。
終わったんですね。

さて、心機一転。
ついでに、小生デジカメがバッテリー切れのため、写真がありません。
何卒ご容赦を。
とともに、素晴らしい写真を提供してくださったnino氏、ありがとうございました。

今日は、那覇は東町「サクレ」でのDUAS INTENCOESのライブです。
ここはグランドピアノがあって、普段はママさんがJAZZの弾き語りをしているお店です。
昨年に続いて二回目のライブ。
おかげさまで満席です。
ママさんの唄が、すごくよいのです。去年も感じましたが。
声が魅力的で、まだ若いのに自分のスタイルを持っているし、プレイヤーとのインタープレイも緊密で。
東京にもこんな人はあまりいませんよ。
当然、ゲストボーカリストとして数曲唄ってもらいました。
Black Nile(ウェイン・ショーターの曲です。)のボーカル版は始めて聴きました。
今度は、ママさんをメイン・ボーカリストとしてステージを組んでみたいですね。
ただ、この場合は、臨時ママさんとして浦添在住のN子さんの協力が不可欠ですが。
そして、この夜から翌朝にかけて、ちょっとしたアクシデントがあり、N子さんに助けを求めることになります。
お世話になりました。
本当に助かりました。

5月8日
長かったようであっという間に過ぎてしまった感もある八重山・沖縄ツアーも今日が最終日。
南城市は玉城「たまたま庵」でのライブです。
移動途中の昼ごはん。
豊見城の「最強食堂」、確かに最強ですな。
お勧めです。
「たまたま庵」、ここは我々の友人、O氏の自宅でもあり、お客様は地元の方100%です。
いつもライブ後は、地元ミュージッシャンの方々とジャムセッションになだれ込みます。
この展開が、いつも凄い。
誰かがきっかけを出して、お互いの音を聴きながら、フリージャズ状態へ。
コルトレーンからマッコイ・タイナー、登川誠仁からデレク・ベイリー、モードジャズから童謡、
クラシックからハイサイおじさん、70年代フォークから島唄、反戦歌からスゥィング・ジャズへと、力尽きるまでフリーセッションデスマッチ!!
小生も疲れから朦朧としながらも手だけは動く。
そういえばこんなことあったな。
燃え尽きました。

5月9日
帰京の日です。
この日の昼ごはん。
豊見城の「海洋食堂」
ここも素晴らしい。
隣で食事をしていたおじさんの、スパゲッティナポリタンのようなものが実に美味しそうで、食べたいなーと思ったのですが、お品書きのどこを探してもそれらしいものはありません。
あとで、N子ちゃんに聞いたら、それは焼きそばだろうとのこと。
沖縄の焼きそばは、沖縄そばを炒めますが、南部ではケチャップで味付けをすることがあるとのこと。
そういえば、確かに箸で食べていたな。
具は何が入っているんだろ。
気になる。
閑話休題。

思えば、沖縄の音楽、八重山の音楽が好きになって、十数年。
そして、この地で自分の音楽を表現できるようになって、多くの人達と知り合って、色々な状況があること、地域の事情、地域の人達のつながり方、やまとに対する「うむい」、芸能への接し方、芸能の愛し方、そして何よりも、生まれ育った沖縄・八重山を慕い尊敬する心を、訪れるたびに吸収させてもらっています。
自分が音楽家であるゆえに、こういう接し方しか出来なかったとは思いますが、暖かく受け止めてくれて、時には戒め、時には教えてくれて、そして殆どの時には一緒に音楽することや、生きていくことの喜びを共有してくれた沖縄・八重山の方達。
あなた達が大好きです。
ありがとうございました。
また、一緒にやりましょう。
近いうちにね。
ではでは

2008年06月18日

2008年豚丸の旅

皆様、今晩は。

沖縄紀行文を書いているうちに、時間はどんどん経ってゆきます。
5月24日~25日は、恒例、「豚の丸焼きとサンバの宴」(通称「豚丸」)が開催されました。
昨年の模様は、このブログにも記録してあります。
もともとは、編集者、デザイナー、カメラマン等のクリエーター集団が群馬県の温泉へ行って、豚の丸焼きを色々な角度から食すという趣旨のものが、友人、家族、我々のようなミュージシャンとか色々な人達を巻き込んで拡大していったイベントです。
昨年からは、大型観光バスをチャーターして、幹事は前日に前乗りして準備するという大規模なものになってきました。

大型観光バスですね
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今年の参加総数は約70名ほど。
そして、単に豚の丸焼きを色々な角度から堪能するということだけではなく、音楽を楽しみながら、温泉、昼寝、散歩、そして飲みと、何でもありの大人の遊園地的な空間にしようというコンセプトです。
今年は、午後から雨の予報でしたが、何とか我々のライブの夕方までは持ちました。
石垣島のときと同様で、こんなことを考えている連中というのは、雨対策などお手の物です。
やはり、イベント用テントを駆使して、野外イベント用の屋根を設営しておりました。

野外会場全景
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さて、昼頃到着して、お昼は手打ちのうどんに地卵とだし汁でぶっ掛けうどんですが、現在焼いている豚からたらーりと落ちる(がまの油みたい。)背油を加えると別世界の味わいです。
しかし、燃え盛る炎の上でこの背油を採取するのが至難の業。
材木を使って、炉辺焼きの要領で試みました。
失敗すると、うどんが落下してしまいます。

二枚におろしている感じですね。
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そうこうしているうちに、民宿の自家製かまどでピザが焼きあがったりしているわけです。

自家製かまど
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雨が来ないうちに演奏しよう
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そうしましょう
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ライブを堪能した後は、いよいよ豚の丸焼きです。
今年の豚は特に美味しかったような気がしました。
色々な部位を堪能します。
もう一週間くらいは豚肉を見たくないくらい。

豚の切り分け配給
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この頃から雨が本降りになってきて、以降は雨中のライブです。
でも、関係なく盛り上がりました。
色々なミュージシャンが参加してボサノバ、サンバ、歌謡曲からなんでもあり。
そして、オリジナルサンバ歌謡も。
雨が激しくなる中、感電しそうな気がしましたが無事でした。
日も落ちてくると、おでん屋台が開店します。
これが楽しいんです。

おでん屋台
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同じく
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ビニールハウスの中なので、雨の心配はありません。
提灯も用意し、ねたも仕込んで女将もいて、熱燗です。
BGMは当然演歌でしょう。
会計は最初に込みで飲み食い放題ですから、勘定を気にせずに屋台でおでんをつつきながら、熱燗をやって、渡る世間の愚痴の一つでも垂れたいという感じです。
大人のテーマパークみたいですね。
もしも、この状況で、疲れたサラリーマンとか、粋なお姉さんとか、ちょっとやばい筋の人とか、流しの演歌師とか渡世人とか貧乏な恋人達とか世捨て人とかを出現させちゃったら、もちろん芝居ですよ、面白い屋台になるでしょうね。
皆に役割を振って衣装も決めてね。
来年は、ハプニング・アドリブ芝居屋台というのも面白いかも。
そんなこんなで、疲れたら温泉に入ったり、寝てしまったり、囲炉裏を囲んだり、飲み続けたり、何をしてもいいのです。
まさにワンダーランド。
翌朝は、それぞれの民宿の心づくしの朝食をいただき、昼は前日の残りの豚をスイトン入りトン汁でいただきます。
無駄なものは出さず、全て堪能します。
このイベントは、スタッフが好き者であるからこそできるもの。
そのサービス精神と、全体を貫くセンスのよさには、脱帽です。
準備から後片付けから本当にご苦労様でした。
今年の豚丸も楽しかった。
自分的には、前述したおでん屋台を舞台にして、昭和の裏街を演出するようなパフォーマンスが出来ると面白いだろうなと思う次第です。
別に誰に見せるわけでもなく、自分達だけが参加して楽しむ舞台。
誠に勝手な思い付きではありますが。
そこで飲んでいる人達がタイムスリップしてしまうようなね。
ということで、今年も豚丸、楽しませていただきました。
スタッフの皆さん、ありがとうございました。
来年もやりましょうね。

2008年06月26日

師匠と20年ぶりのライブ

皆様、今晩は。
7月21日は、新宿「J」でDrs.の諸田富男さんとライブでした。

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彼は、今年還暦にして、日本で有数の4ビート・ドラマーです。
小生がまだ20歳くらいの頃知り合って、バンド活動を始めてバンドのイロハを叩き込まれた師匠です。
1975年頃、当時、小生は所属していた大学のビッグバンドがギター的にはつまらなくなって、渋谷のヤマハへ通っていた頃でした。
ある人から紹介されて、吉祥寺で飲んだのが始まりでした。
以降は、一緒のバンド活動の中、バンド、酒、その他色々(想像にお任せ)、厳しく教えられたものでした。
スタンダード、ビ・バップ、ハード・バップそしてモードか。
コピー、コピー、練習、練習、飲み会、飲み会、ハチャメチャ、ハチャメチャ・・・・・
色々あったなあ。
小生が30代半ばからブラジル音楽へシフトしていき、彼はアート・ブレイキー・スタイルを極めるべく、自己の六重奏団を結成してライブシーンへ旅立っていきました。
その後、彼の六重奏団からは、若手の優秀なプレイヤーを多く輩出することになり、ブレイキー・バンドと同じようなスタンスを持って現在に至っています。
あの頃からの話をすると、75年くらいからの日本のJAZZ史のある一面が辿れます。
当時から、スゥィング感を重視する堅実なドラムでしたが、年齢を重ねるに連れ、より奔放なスタイルになっていきます。
今回の共演の話は、彼も元々ボサノバ、サンバが好きだったということもあって、お互いのCDを聴きあって、メンツもATUXIがいるし、旧知のベーシスト、畠義人君もいるし、そろそろいいかなと。
何となくお互いそんな気持ちになりました。
一緒にやっていると、昔、言われたこと、「お前のソロは分かりにくい。」とか「リズムが甘い。」とか「走る。」とか思い出しちゃうんですね。
師匠とやっていると、なかなか普段のようにはいかない。
でも、お互い何十年か経験を積んできて、出来ることと出来ないことは分かっているつもりなので、その中でインタープレイを楽しもうと。
背伸びする年齢でもないし。
結果はどうだったんでしょうね。
小生は、楽しかった。

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諸田さんのドラムは、相変わらず行け行けとあおってきて、それに答えるATUXIはさすが。
畠君も往年の第一線のジャズベーシストらしく、堅実なプレイで答えて。
小生は彼のロング・ソロが昔から好きなのです。
ドラムのロング・ソロというのはともすれば単調になってしまいがちですが、彼のソロは何分続いても飽きさせることがありません。
日本人では珍しいプレイヤーです。
お客様からの気持ちも伝わってきた感じがして、小生もあおってやりました。
最後はドラム・ソロ3連発。
汗だく。
インタープレイが緊密に出来るというのは本当に気持ちがいいですね。
スタイルは細かいことですからどうでもいいんじゃないかと個人的には思います。
もちろん、この気持ちがお客様に伝わってくださればということが前提ですが。
ということで、20年ぶりの共演、細かいことをあげれば色々とあるかもしれないけれど、それは自分の胸にしまっておくことにして、本当に楽しかった。
長く続けていればこんなに楽しいこともあるんですね。
で、このまま終わりにするのはもったいないということで、懲りずにVol.2をやることになりました。
同じ「J」で、10月18日(土)の予定です。
次回もきっと楽しいものにします。
よろしくお願いします。

次回もやりまっせ。
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