八重山・沖縄ツアー・中篇、鳩間島・伊原間編その3・第二回伊原間音楽祭
皆様、今晩は。
中篇、鳩間島・伊原間編その3です。
写真は殆どnino氏撮影
5月4日
今日もよく晴れています。
昨日は遅くまで騒いでいたので、寝坊する雰囲気でしたが、朝6時30分、音楽祭実行委員長K.T.氏が「後片付けをしますよー。」と家々を回って来ます。「板垣さんもお願いしますねー。」と名指しされては行かないわけにはいきません。たたき起こされた状態で、テントやステージの片付けのために会場へ。朝食も摂らずに朝から力仕事です。
おかげで、涼しいうちに8時までには終了し、その後はぶがりなおし。要は打ち上げです。朝から飲みます。ま、適当に。
この日は、夜まで特に予定もなく、天気も良かったので、西のビーチへ行ったり、北のリーフへ行ったり、散歩したり、昼寝したり、皆思い思いにのんびり過ごします。
この静かなのんびりした鳩間島はとてもお勧めです。
今夜は、毎年Sさん宅の庭でミニコンサートをやることになっていて、午前0時を回った時点で、5月5日が誕生日である島在住のピアニスト、ターキーの誕生祝をとりおこなう事が恒例になっています。
ケーキを作りたいところですが、島には材料がないので、毎年女性陣が苦労して何とかそれらしきものを作って、昨年はろうそくがなかったので、U家のトートーメー(本土の仏壇ですな。)のろうそくを拝借しておりましたが、今年は気合が入っており、上等なものができる様子。
ところが、肝心の本人がU家もろとも石垣へ出かけてしまったとのことで、不在。
これには「えーーーーー。」
ただ、明日の伊原間のコンサートに出演するとのことなので、ちゃんと誕生日にはお祝いできるわけで、とりあえずほっとします。
午後からは、今日の午後便で戻るにんにく大王の見送りパゴーヂを瑠璃のお庭の食卓で開催。
この瑠璃の建物は、TVドラマ「瑠璃の島」の撮影の際に、スタッフの宿泊用に建てられたと記憶しているのですが、桟橋から上がって一番初めの人家ですから、見晴らしが抜群で、特にこの庭の食卓は毎食利用するわけですが、巨大なガジュマルの下はとても涼しく、よい風が吹くのです。日なたとは温度が5度くらい違うんじゃないかな。
そして、この食卓を囲んでの大王見送りテーブルパゴーヂ、最上の音がしました。
弦楽器の音がとてもクリアでよく響く。
やっぱり生音はいい。
最高にゴージャスな時間を過ごします。
金のかかった豪華リゾートホテルなんかとは次元が違う(もっとも行ったことがないのでよく分かりませんが。)贅沢さ。
大王の見送り
船出
そして、夜は恒例S家でのミニコンサート。
この夜は、連日の出来事で皆の疲れがピークに達していたのか、演奏中に眠気が襲ってきます。
演奏している場所が暗いせいもあって、段々意識が朦朧としてきて、これはいかんと声を大きくして唄うのですが、後で聞いたら何故か演奏者が全員同じ瞬間に意識朦朧となった瞬間があったとのこと。でも手は動いている。
小生はこのとき、視界の片隅を何か白いものが横切ったような感覚を覚えました。
何か来たんでしょうか。
ま、写真を見てやってください。
終了後、また庭の食卓で飲み直してこの日は熟睡。
5月5日
この日から天気が崩れるとの予想でした。
案の定、雨雲がやってきて、やがて大雨。
よくバケツをひっくり返したとの形容をしますが、まさにこのことでしょう。
桟橋への道が川になっているし、外に出ればそのままシャワーを浴びることができます。
でも、鳩間はこの雨がたまるところはないのです。それで昔は苦労していました。
今日は石垣は伊原間のコンサート。
大丈夫なのかな。
午前中の便で石垣へ渡ります。
今年の音楽祭は皆本当に楽しんだようでした。
今までで一番楽しかったとの声が殆どの人から聞こえてきました。
音楽祭もさることながら、島人たちとの交流も皆で出来てとてもよかったと思います。
放っておけば住民がいなくなってしまうような過疎の状況の中、島人達が強い意志を持って守っている伝統芸能の宝庫の島です。
ここでブラジル音楽をやるということに対して、沖縄の音楽が好きなだけに、始めはとても躊躇しましたが、気持ちよく受け止めてくれた島人たちのおかげでこうして今まで楽しく交流できています(きっかけはこのブログの沖縄編にありますが。)。
島人は、伝統芸能に対してはとても厳しいのですが、音楽が大好きです。音楽を大切にしています。
スタイルの違いはあっても、音楽に対する尊敬の念は変わらないのです。だから、この島で演奏することは自分達の音楽に対する尊敬の念を試されているような気がします。
そして、音楽で交流できた時点から深い深い付き合いが始まるのです。
楽器が出来ないとか、ミュージシャンではないからとかそんなことではありません。
一緒に大声で童謡・唱歌を唄えればいいのです。
正式なイベントとしては、音楽祭だけでしたが、やはり鳩間島で過ごす日々が最も印象に残りますね。
雨の桟橋を後にします。
さよなら、みーなーとー。
今日は、石垣北部、伊原間はたいらファミリーでのコンサートです。
大揺れの高速船で石垣港へ着く頃には雨も小降りになっています。
久し振りのT校長の車。またお世話になります。
こんな雨でもやるかね。去年は、あっという間に道にまで客席をこしらえてしまった地区のことだから、たぶん雨除けの大仕掛けを考えているだろうな、屋根でも作っちゃうんじゃあないのなどと話しながら市街地から車で50分ほど。たいらファミリーへ。
案の定、会場の庭に公民館のテントがびっしり設営され、足りない部分はブルーシートで屋根が出来ています。芯棒の木がゆらゆら揺れていますが、こういう方が風には強いとのこと。なるほど。
ここは、昨年に続いて2度目のコンサートです(昨年の様子はこのブログの沖縄編にあります。)。
昨年で様子が分かったようで今年は更に気合が入っているようです。
翌日が休日ということもあって、お客さんも地区の皆さんを中心としてぞくぞくと集まって来ています。
我々は、関係者も含めて総勢20名ほど。
宿も食事もお世話になります。
ここは石垣の屈指のP.A.業者が入り、音響もいいし、何より公民館を中心とした地区の方々の手際がものすごくよいのです。
どんな状況でもなんとかしてしまうイベント慣れ民族です。頼りになります。
昨年と同じように、演奏が始まる夕方頃には天気が回復してきました。
行くぞー。
今年は、ブラジル音楽に加えてオリジナルサンバ歌謡(KAZU作詞、小生作曲)もがっつり演奏しました。
特に、パパビゴーヂで初演した「オッブリガードな世界」は、フレーボのリズムで分かりやすく踊りやすく、しかもカチャーシー(早節)とテンポがほぼ同じということもあって、全員総立ちで踊りまくり。大受け。
対バンは、昨年は美崎町の民謡スナック浜辺のバンドでしたが、今年は昨日石垣へ一足早く渡ってしまったターキーを始めとする、鳩間M.比嘉バンド!!
島唄を中心として素晴らしい演奏です。
たいらファミリーバンド
そして、今年はとても素敵な芸能を見させていただきました。
宮城さんの「職業口説」。
ま、写真を見てください。
唄と踊りですが、普段は真面目そうで静かなおじさんが、ステージに上がると一変。
八重山・沖縄はこれがあるから面白い。
交通安全ネタで有名、啓蒙活動で表彰も受けているとのこと。
普段は、美崎町の民謡スナック「島育ち」に出演しているようで。
今宵は、観光客相手ではないので、思い切り長くやったようでした。
本当に笑い死ぬかと思いました。
大変によいものを見させていただきました。
とてもよい雰囲気で、そして、お客さんも皆はじけて楽しみました。
パパビゴーヂで友人となった白百合醸造元の池原さんや鳩間でご一緒したミュージッシャン、パパビゴーヂのお客さんたちも急遽駆けつけてくれました。
そして、鳩間の島人たち。ありがとうございました。
晴れて、ターキーの誕生日祝いが出来ました。
今年は、この伊原間、明石と石垣北部で演奏できたことが貴重な体験でした。
来年も、更に深く交流したいですね。
ではでは