2016モロッコ・スペイン・ポルトガルの旅 第11章 3/3 セビージャからリスボン
第11章 3/3 セビージャからリスボン
今日は、セビージャを出発してバスでポルトガルのファーロまで行き、更に列車でリスボンまで移動するという行程だ。
昨日調べてあったArmasの長距離バス乗り場から7時半のバスに乗る予定。
5時半には起きて昨夜買ってあったパンで朝食を済ませる。
6時半頃ホテルを出発。まだ真っ暗。
6時45分頃には長距離バス乗り場に到着。とても立派な建物だ。
バス会社DAMASの窓口はまだ閉まっている。
7時に窓口が空いてチケットを購入。
モロッコ入国以来ここまでかなりの距離をバスで旅してきたが、今日でバスの旅も終了する。
ポルトガルに入ってからは列車で移動する予定だ。
さて、定刻に出発したバスは、アンダルシアの長閑な風景の中を快調に走って、ポルトガル国境付近のアヤモンテに到着して小休止。
ここでほとんどの乗客は降りてしまう。
国境ではポルトガル警察が乗り込んでくるがパスポートをチェックするだけの簡略さ。
さすがシェンゲン協定加盟国だ。
テロリストが入国するのは防げないだろうな。
ポルトガル国境
無事ポルトガルに入国して、10時半頃にはファーロに到着した。
とても良い天気で暑くなりそうだ。
早速鉄道駅へ列車の時間を確認しに行く。
すぐ近くに鉄道駅はあった。
とても立派なバスターミナルに比べると、あっけないくらいの田舎の駅。
ファーロ鉄道駅
リスボン行きは13時55分。
3時間以上あるので、ファーロの街を散策することにする。
しかし、荷物があっては動けないのだが、運よく隣接する観光案内所で荷物を預かってくれるサービスをしていた。
ファーロは海辺のリゾート地。
ヨットハーバーには多数のヨットが係留し、海辺にはリゾートホテルもある。
葉山とか逗子あたりの印象だ。
ポルトガル国内からの観光客も多そうだ。
ハーバーを歩いていたら、遊園地の列車型市内周り観光バスがまさに発車しようとしている。
時間も限られているし、これは渡りに船と乗車させてもらった。
3両編成でおばさんが運転してゴトゴトと道を走ってスポットに来ると停車する。
観光案内のアナウンスが流れて、のんびりと過ごすことができて、これはなかなか良いアイディアだと感心した。
歴史的建造物は地味だなと感じるが、セビージャからやってきた直後だから当然そうなる。
旧市街に通じる門から入って、新市街地へ周って行く。
ファーロはとてもこじんまりした街だが、新市街地は近代的な建物も多くビジネス街という印象も受ける。
ひなびた旧市街地と近代的な新市街、立派な長距離バス乗り場と田舎駅という面白いバランスを保っている。
小一時間の観光を楽しんで、お昼はハーバーの周りのレストランでいただく。
陽光がとてもまぶしい。
海辺のリゾート地だ。
海岸線沿いを列車が走っている。
そうこうしているうちに13時をまわったのでそろそろ駅へ行ってみる。
既にリスボン・オリエンテ行きは入線している。
インテル・シダーデ(I.C.)という立派な名前の急行列車だが、3両編成の地味な車両だ。
電気機関車が牽引する。
海側に停まっている列車は落書きだらけ。
定刻に発車。
約4時間の列車の旅だ。
スピードは相当出ていて、早い時は時速150~180km位は出ているのかなと思う。
ただ、牽引されての高速運転なのでかなり揺れる。
特に減速する際のガクガクとくる揺れはあまり心地よいものではない。
リスボンに近づくにつれて、建物、列車、壁等いたるところ、また橋の側面とかありえないところに意味不明の落書きが目立つようになる。日本でも時折見かけるやつだ。
駅近くは落書きオンパレード。
落書きの街だ。
18時頃リスボン・オリエンテ着。
オリエンテ駅
ここからメトロのブルーライン(地下鉄は赤、青、黄、緑の4つの路線なので分かりやすい。)に乗り換えてアベニーダ駅まで行くという簡単な行程なのだが、切符の買い方が良く分からない。
紙のカードを買うのだが、何種類かあって迷う。
居合わせた青年に聞いて買うことができた。
さて、アベニーダ駅で降りて、リベルダーデ大通りから二本目の裏道をちょっと登った方向にホテルはある筈で簡単に行くことができそうなのだが、グーグルがまさにここだよと示している処には、ホテルらしきものは一切見当たらない。
リベルダーデ大通り
何回かチャレンジしてみたがホテルのホの字もない。
生憎、ホテルの住所は通りの名前だけで番地が入っていなかった。
これは本当に行きつけるのだろうかと不安が頭をよぎる。
幸いにしてまだ明るいので気分的に余裕はある。
通行人に聞いても分らない。
そうこうしているうちに、たまたま顔を覗かせた民家のおじさんに聞いてみる。
分からないと言う。
近所のカレー屋や定食屋の親父さんたちも出てきて頭をひねる。
こういう時は電話を切っているのがマイナスになる。
ホテルの電話番号を示すと、親切にも親父さんの一人が電話をかけてくれた。
ようやく宿のオーナー、フェリペさんとつながって一件落着。
皆さんの親切に本当に感謝した。
で、ホテルの場所はまさにグーグルが示していた場所。
普通のアパートだ。これじゃあ分からないよ。
入り口を入って急な階段を昇って2階の部屋。
この22番。これではまず見つからない。
普通に日常生活ができるアパートで、それもかなりグレードが高い。
台所に調理道具は完璧に揃っているし、洗濯機もあるし二部屋ある。
これは素晴らしい。
探し迷った疲れがいっぺんに飛んだ。探したかいがあったというところだろう。
フェリペはまだ青年と言って良いだろう。
感じの良い好青年だ。
細かな説明をしてくれて、ご丁寧にもブレーカーが落ちたときの対処方法も教えてくれた。
過去にあったんだろう。これが後に役に立った。
要は、自分が所有しているアパートを旅行者に提供しているということなのだ。
最近、日本でも何かと話題になっているスタイルだろう。
早速洗濯をして窓から外に干してみる。
石畳の上、二階の窓から洗濯物を干すなんてのは、ちょっと粋だ。
周りを歩いてみると、メトロが通っているリベルダーデ大通りから二本裏手の通りで、まず間違えようはない。
夕食は先程色々と助けてくれたインド人のカレー屋へ。
そこそこに美味しいが、日本にあるインド人もしくはネパール人のカレー屋さんの方が美味いと感じた。
ただ、ライスはインディカ米で、日本でもインディカ米で食べれたらなあとは思うのだ。
切れているナンというのは初めて見た。食感はイマイチ。それにしても、かなりの量。
セビージャとは異なって、あちこちにある食料品店でワインを買って帰る。
こちらではセビージャよりさらに安く、1.2€位で買える。
水並みの安さだ。
それでもそこそこに美味い。
これを買って家飲みが一番お得感があるし、寛げる。
早起きと移動の疲れもあって、ワインを飲んだら眠くなってきた。
明日はゆっくりとリスボンを散策しよう。