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2016年06月 アーカイブ

2016年06月02日

2016モロッコ・スペイン・ポルトガルの旅 第11章 3/3 セビージャからリスボン

第11章 3/3 セビージャからリスボン

今日は、セビージャを出発してバスでポルトガルのファーロまで行き、更に列車でリスボンまで移動するという行程だ。
昨日調べてあったArmasの長距離バス乗り場から7時半のバスに乗る予定。

5時半には起きて昨夜買ってあったパンで朝食を済ませる。
6時半頃ホテルを出発。まだ真っ暗。
6時45分頃には長距離バス乗り場に到着。とても立派な建物だ。
バス会社DAMASの窓口はまだ閉まっている。

7時に窓口が空いてチケットを購入。
モロッコ入国以来ここまでかなりの距離をバスで旅してきたが、今日でバスの旅も終了する。
ポルトガルに入ってからは列車で移動する予定だ。

さて、定刻に出発したバスは、アンダルシアの長閑な風景の中を快調に走って、ポルトガル国境付近のアヤモンテに到着して小休止。
ここでほとんどの乗客は降りてしまう。

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国境ではポルトガル警察が乗り込んでくるがパスポートをチェックするだけの簡略さ。
さすがシェンゲン協定加盟国だ。
テロリストが入国するのは防げないだろうな。

ポルトガル国境
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無事ポルトガルに入国して、10時半頃にはファーロに到着した。
とても良い天気で暑くなりそうだ。

早速鉄道駅へ列車の時間を確認しに行く。
すぐ近くに鉄道駅はあった。
とても立派なバスターミナルに比べると、あっけないくらいの田舎の駅。

ファーロ鉄道駅
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リスボン行きは13時55分。
3時間以上あるので、ファーロの街を散策することにする。
しかし、荷物があっては動けないのだが、運よく隣接する観光案内所で荷物を預かってくれるサービスをしていた。

ファーロは海辺のリゾート地。
ヨットハーバーには多数のヨットが係留し、海辺にはリゾートホテルもある。
葉山とか逗子あたりの印象だ。
ポルトガル国内からの観光客も多そうだ。

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ハーバーを歩いていたら、遊園地の列車型市内周り観光バスがまさに発車しようとしている。
時間も限られているし、これは渡りに船と乗車させてもらった。
3両編成でおばさんが運転してゴトゴトと道を走ってスポットに来ると停車する。
観光案内のアナウンスが流れて、のんびりと過ごすことができて、これはなかなか良いアイディアだと感心した。

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歴史的建造物は地味だなと感じるが、セビージャからやってきた直後だから当然そうなる。
旧市街に通じる門から入って、新市街地へ周って行く。

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ファーロはとてもこじんまりした街だが、新市街地は近代的な建物も多くビジネス街という印象も受ける。
ひなびた旧市街地と近代的な新市街、立派な長距離バス乗り場と田舎駅という面白いバランスを保っている。

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小一時間の観光を楽しんで、お昼はハーバーの周りのレストランでいただく。
陽光がとてもまぶしい。
海辺のリゾート地だ。

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海岸線沿いを列車が走っている。

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そうこうしているうちに13時をまわったのでそろそろ駅へ行ってみる。
既にリスボン・オリエンテ行きは入線している。
インテル・シダーデ(I.C.)という立派な名前の急行列車だが、3両編成の地味な車両だ。
電気機関車が牽引する。

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海側に停まっている列車は落書きだらけ。

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定刻に発車。
約4時間の列車の旅だ。
スピードは相当出ていて、早い時は時速150~180km位は出ているのかなと思う。
ただ、牽引されての高速運転なのでかなり揺れる。
特に減速する際のガクガクとくる揺れはあまり心地よいものではない。

リスボンに近づくにつれて、建物、列車、壁等いたるところ、また橋の側面とかありえないところに意味不明の落書きが目立つようになる。日本でも時折見かけるやつだ。
駅近くは落書きオンパレード。
落書きの街だ。

18時頃リスボン・オリエンテ着。

オリエンテ駅
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ここからメトロのブルーライン(地下鉄は赤、青、黄、緑の4つの路線なので分かりやすい。)に乗り換えてアベニーダ駅まで行くという簡単な行程なのだが、切符の買い方が良く分からない。
紙のカードを買うのだが、何種類かあって迷う。
居合わせた青年に聞いて買うことができた。

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さて、アベニーダ駅で降りて、リベルダーデ大通りから二本目の裏道をちょっと登った方向にホテルはある筈で簡単に行くことができそうなのだが、グーグルがまさにここだよと示している処には、ホテルらしきものは一切見当たらない。

リベルダーデ大通り
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何回かチャレンジしてみたがホテルのホの字もない。
生憎、ホテルの住所は通りの名前だけで番地が入っていなかった。
これは本当に行きつけるのだろうかと不安が頭をよぎる。
幸いにしてまだ明るいので気分的に余裕はある。

通行人に聞いても分らない。
そうこうしているうちに、たまたま顔を覗かせた民家のおじさんに聞いてみる。
分からないと言う。
近所のカレー屋や定食屋の親父さんたちも出てきて頭をひねる。
こういう時は電話を切っているのがマイナスになる。
ホテルの電話番号を示すと、親切にも親父さんの一人が電話をかけてくれた。
ようやく宿のオーナー、フェリペさんとつながって一件落着。
皆さんの親切に本当に感謝した。

で、ホテルの場所はまさにグーグルが示していた場所。
普通のアパートだ。これじゃあ分からないよ。
入り口を入って急な階段を昇って2階の部屋。

この22番。これではまず見つからない。
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普通に日常生活ができるアパートで、それもかなりグレードが高い。
台所に調理道具は完璧に揃っているし、洗濯機もあるし二部屋ある。
これは素晴らしい。
探し迷った疲れがいっぺんに飛んだ。探したかいがあったというところだろう。
フェリペはまだ青年と言って良いだろう。
感じの良い好青年だ。
細かな説明をしてくれて、ご丁寧にもブレーカーが落ちたときの対処方法も教えてくれた。
過去にあったんだろう。これが後に役に立った。
要は、自分が所有しているアパートを旅行者に提供しているということなのだ。
最近、日本でも何かと話題になっているスタイルだろう。

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早速洗濯をして窓から外に干してみる。
石畳の上、二階の窓から洗濯物を干すなんてのは、ちょっと粋だ。
周りを歩いてみると、メトロが通っているリベルダーデ大通りから二本裏手の通りで、まず間違えようはない。

夕食は先程色々と助けてくれたインド人のカレー屋へ。
そこそこに美味しいが、日本にあるインド人もしくはネパール人のカレー屋さんの方が美味いと感じた。
ただ、ライスはインディカ米で、日本でもインディカ米で食べれたらなあとは思うのだ。

切れているナンというのは初めて見た。食感はイマイチ。それにしても、かなりの量。
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セビージャとは異なって、あちこちにある食料品店でワインを買って帰る。
こちらではセビージャよりさらに安く、1.2€位で買える。
水並みの安さだ。
それでもそこそこに美味い。
これを買って家飲みが一番お得感があるし、寛げる。

早起きと移動の疲れもあって、ワインを飲んだら眠くなってきた。
明日はゆっくりとリスボンを散策しよう。

2016年06月09日

2016モロッコ・スペイン・ポルトガルの旅 第12章 3/4 リスボン

第12章 3/4 リスボン

朝食は、近所のパン屋で買ってくる。

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この辺りは下町っぽい感じがして商店も色々と揃っているし、メトロの駅も近い。

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リベルダーデ大通りは海へ向けて真直ぐに下っている。
海辺の手前の繁華街の中心、バイシャ・シアード駅までは2駅しかないので海辺まで散策がてら歩いて行くことにする。

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やはり歴史的建造物多数で見どころは多い。
道はセビージャより分かりやすい気がする。
途中、エレベーター付き展望台があったので昇ってみる。もちろん有料だ。

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東に見える小高い丘に城塞のようなものがある。

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何だかとても見晴らしが良さそうだし面白そうな建物だ。
地図でチェックすると、サンジョルジュ城ということだ。
あそこへ行ってみたい。
このエレベーターは昇っていった先の丘の上とつながっていて、丘側から入ればただということが分かりちょっと拍子抜け。

とてもレトロな市電の線路を横切って海辺のコメルシオ広場へ。
市電の集積地区らしくて、何台かの車輌が待機しているが、新しい2両編成の車輌もあれば、とてもレトロな車両もあって車輌好きには嬉しい光景だ。

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今晩ファドを聴きに行こうと見当をつけてあったアルファマ地区まで歩いてみる。
海辺の道を東へ歩いて行けば北にある筈なので分かりやすい。
ファド博物館なる施設もある。ここでもショーがあるようだ。

真直ぐに行くとサンタアポローニャ駅に着く。
ここで線路が終わっている終着駅のようだ。
明日はここから列車乗ってポルトに向かう予定だ。
ポルト行きの列車の時刻をチェックする。

アルファマ地区は細い路地が行きかう、いかにも下町といった風情の街だ。
ファドハウスがあちらこちらにある。
ファドハウスが集まっている地区のようだ。
この地区は坂と石畳の細道と迷路。
シェフシャウエンの街を思い出した。
好きな雰囲気だ。

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目当ての店、パレイリーニャ・ド・アルファマの位置を確認する。
20時開店で、ショーは21時からとなっている。
店も確認できたので一旦戻って昼食にしようと、また歩き始める。
先程見たサンジョルジュ城はこの地区の坂の上にある筈なので、そっちも確認しようと坂を上っててみたがうまく行き着けなかった。
リスボンは、ポルトから戻ってもう一泊する予定なので、その時の楽しみに残しておくことにした。

散策しながらゆっくりと歩いて戻ると昼時だ。
昨日宿を探す時にお世話になった親父さんのいる定食屋へ行ってみる。
頑固親父を絵に書いたような怖い顔をしたおじさんだ。
Plato do diaの魚料理があったのでそれを頼んで見た。
これはアジの塩焼きだな。ご飯が食べたくなる。
日本人の常として頭と骨だけを残してきれいに食べたら感心された。

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ホテルへ戻って小休止、次の行き先を決める。
コメルシオ広場から海沿いを西へ行ったところにあるベレン地区にあるジェロニモ修道院へ行ってみよう。
その後は、一度は乗ってみたい28番の市電に乗ってどこか適当なところまで行く。
後は時間と場所によってその時考えるという感じだ。
天気が微妙だ。

洗濯物は取り込んで、傘を持って出かける。
先程地下鉄、市電、バス24時間乗り放題というお得なチケットを買ったので面倒がない。
コメルシオ広場から15番の2両編成の新型の市電で約20分。
巨大な建築物のジェロニモ修道院に到着。

観光名所なのだろう、遠足と思われる多分中学生か、多数いて大騒ぎをしている。
どこも変わらないものだ。
ここは歴史的建造物と他に、発掘物等の博物館が建物内に在る。
遠足の連中があまりにうるさいので建築物の見学は外側だけにした。
それでもその壮大なスケールには圧倒された。

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15番の市電で一旦コメルシオ広場に戻り28番の市電に乗ってみる。
28番はアルファマ地区等の趣のある旧市街を縫うように走る路線として、観光客に人気の高い路線らしい。

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確かに15番とは異なって古い車輌。内壁も床も木造だ。
こんなところも走るのかと驚くような狭い路地を走る。
車輌1台走るのがギリギリの道幅だから、違法駐車はあり得ない筈だ。
古い車輌だけあって結構揺れる。
しかし、料金は共通カードでOKだし、ワンマン運転、乗降システムは現代的なものになっている。

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終点まで乗って一旦乗客は降りて折り返しの電車を待つ。
外は冷たい雨が降ってきた。風も吹いてくる。
停留所には雨よけなどはない。
待機している車両に早めに乗せてあげればいいのになどと思ったりする。
車内は結構込み合っている。
車輌の外の取っ手につかまって乗車というか移動している男がいるのだが、当然無賃乗車だ、運転手は見てみぬふり。こんなのもありなのか。
結構いい時間になってきたので、バイシャ・シアードのあたりで下車してメトロでアベニーダ駅まで戻ってくる。

バイシャ・シアード周辺
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バイシャ・シアードメトロ駅へ降りるとても長いエスカレーター
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宿へ帰る前に水とワインを買おうと思って財布を出そうとしたら、ショルダーバックのチャックが空いていて財布だけがなくなっていた。
やられた。

財布自体は現金しか入っておらず、しかも大した金額ではなかったので被害は少なかったのだが、バッグも目に付く位置に携帯しているにも拘らず全く覚えがないというところに驚いた。
プロフェッショナルの技だ。
以前ハノイでやられたことがあったが、あの時はリュックを背にしていてしかも鍵もかかっていないという油断した状況だった。
モロッコでかなり警戒していて、ヨーロッパに入って気が緩んだということもあるのだろう、ここは再度気を引き締めてかからなければいけない。
ショルダーバッグのチャックが体の後ろ側にあるのがいけないので、体の前の眼に着く位置に持って来れば良いわけだ。
更に一回チャックを開けただけでは取れない位置に貴重品を置くべきだろうと考えた。

気を取り直して、水と水のように安いワインを買ってアパートで休息。
今夜は、午前中に訪ねたアルファマ地区のパレイリーニャ・ド・アルファマで夕食をとりながらファドを楽しむという少しの贅沢をしようと思っている。
人気のファドハウスはすぐに満員になると聞いているし、予約はしていないので開店直後の20時過ぎには着くように出発した。
今回は歩かずにサンタアポローニャ駅までメトロで行ってすぐがアルファマ地区だ。

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アルファマ地区は、夜になって昼間とは異なるロマンチックな佇まいを見せている。
席は確保できたが、徐々に埋まってくる。
21時のショー開始前に食事を終えてしまった。
これがかなりの量でかつ美味しかった。

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バンドはギターとポルトガルギター、女性、男性歌手の編成。
客席が取り囲む同じフロアーで演奏する。
1回のステージは約20分と短いが15分位のインターバルを置いて何ステージもやるようだ。
ステージがはねるのは深夜の1時頃だと聞いている。

演奏が始まると明かりが消えて真っ暗。
これはよくある風景だが、演奏者にも光が当たらず真っ暗。
これでは演奏者が見えない。

本当に真っ暗。
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ファドでイメージしていたのは、ゆっくりしたテンポでマイナーで悲し気なメロディ。
しかしそうでもなかった。
とてものんびりした明るいメロディも沢山あり、フォークソングのようにも聴こえた。
セビージャで聴いたモダンなコードの響きというものはあまりなく、聴きとることができるくらいの素朴なコードの流れが多かったように思う。
これは伝統的なスタイルなのだろうか、パレイリーニャ・ド・アルファマという店がこのスタイルのファドハウスということなのかもしれない。
他の場所ではモダンなファドが聴けるのかもしれない。
ポルトガルギターはバンドリンと形も役割も似ている(おそらくこちらがルーツなのだろう。)。
ショーロのスタイルの原型はこの辺りにあるのだろうか。
全てが生音だがとても良く響く。
石造りの建物というのも音が良く響くものだ。
歌手の声量は相当なものだった。

セルベージャだけではもたないので、ワインのハーフボトルを頼む。

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段々眠気も襲ってくる。
地下鉄の終電は何時だったかと、日本と同じようなことを考えてしまう。
歌手が入れ替わって何ステージも進んでいる。
結局0時近くまでいてまだ十分にあるメトロで帰ることができた。
食事も付いたのでそれなりの値段はしたがとても楽しかった。
雰囲気もサービスもファドも満足のいくものだった。

財布は失敗だったが、これから気をつければよいことだ。
これもインシャラーと考えよう。

2016年06月17日

2016モロッコ・スペイン・ポルトガルの旅 第13章 3/5 リスボンからポルト

第13章 3/5 リスボンからポルト

今日はポルトガルの北部の古い街、ポルトへ移動する予定だ。

昨日、何回か行ったアルファマ地区のサンタアポローニャ駅から11:30発のインテルシダーデに乗る予定で準備をする。
チェックアウトの連絡をすると部屋の主、フェリペが大きい登山用のリュックを担いでやってきた。

どこかへ旅行していたのかと聞くとシーツとか毛布とか掃除機とか、要は掃除道具を担いできて掃除をするとのことだった。
話してみると、彼はブラジル生まれで、母親が日本の神道に傾倒していて、なおかつ生け花をやっているという。
来年は日本に行くそうだ。
このアパートは初めこそ探すのを苦労したが、広くてきれいで外出にも便利、とても快適に過ごせた。
またリスボンに来る機会があれば利用したい。

サンタアポローニャ駅まではメトロ。
国鉄駅には改札がない。出入り自由だ。
ファロからリスボンまでもインテル・シダーデだった。
あの時は3両編成で客車も地味だったが、今日は8両編成で客車もきれいだ。

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特急アルファペンデューラも停まっている。
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定刻に出発。
電気機関車牽引の客車列車だが速い。
スピードが出る区間では180kmくらい出しているような気がする。
ただし減速するときのがくがく来る揺れは相変わらずで、乗り心地はそんなに良いとは言えない。
車窓は時々現れる石造りの農家の建物と田園風景。
コインブラB駅を経てポルトに近づくと大西洋の海岸線を走る。

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そして大きな川にかかる橋を渡ってポルト・カンパーニャ駅到着。

外は冷たい雨が降っている。
ここはポルトの中心街ではなく中心街の駅は一つ先のサンベント駅。
長距離列車は全てカンパーニャ駅が終点なので、国鉄でサンベント駅まで行くにはここで乗り換えなくてはいけない。
今回は、宿近くのトリンダーデ・メトロ駅まで行くのでメトロのカンパーニャ駅を探す。

国鉄の駅を出なくてはいけないようだが、よく見ると国鉄駅ホームから外へ出ずに行けたようだ。
改札が存在しないから却って分りにくい。
事前に調べた感じではチケットの買い方がちょっと旅行者には分りにくいようだ。

andanteというカードがチケットになっているのだが、ゾーン制でチャージ制だ。

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アンダンテを買ってゾーンごとに異なる現金を払わなくてはいけないような説明だったので、カードを買ってチャージしたのに、なぜこの上現金を払わなくてはいけないのか疑問だったが、実はそんな面倒なことはなく、カードをそこここに立っている、日本でいえば路上駐車チケット販売機のようなものにピッと触れればOKなのだ。
改札はないし、車内でのチェックもない。
券売機付近に係員がいたのでスムーズに買うことができた。

ポルトのメトロは5路線あってリスボンのように色分けされている。
緑、赤、オレンジ、紫、青だ。
メトロとは言うものの殆ど地上を走るライトレールのようだ。

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5つの路線がすべて通っているトリンダーデ駅で下車。
宿はここから近いはず。
グーグルは大通りからちょいと入った裏道を示している。
例によってホテルのホの字もないのだが、今回は住居番号が分かっている。
何やら工事の人達が大声でしゃべっているところに、おばさんがドアから顔を覗かせている。
まさにそこだった。

宿のある裏通り
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今度は普通の家のようだ。
部屋は広くて天井がやたらに高い。
奥はダイニングキッチンで二階にも部屋はあるようだが、家族が住んでいるようだ。
気に入った。

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いつも自分でやるウエルカムドリンク
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荷物を降ろして早速近所の散策へ。
大通りへ出てみると建築物が何というか荘厳な風景とでも言おうか、全体的に黒っぽい落ち着いた色彩が中心で、古そうで凝った建築物が並んでいる。
そこに青タイル、アズレージョの装飾が所々に施されている。
原色の色彩はあまり見られず青と黒、灰色、白が目に着く街だ。

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このオブジェは何だろう。
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アズレージョで有名な国鉄サンベント駅も近い。
駅構内に入ると噂通りの素晴らしいアズレージョに目を奪われる。

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暗くなってからのサンベント駅のライトアップした様子もとても美しい。

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この街もセビージャやリスボンにひけを取らない美しい街と見た。
どこをとっても絵になる。

裏通りにある宿は中心街にとても近いことが分かった。
ミニスーパーでワインを買って帰る。
1.5€。水並みに安い。でもそこそこに美味しい。
宿に置いてあったパンフに食事、ファドの演奏が付いて23€という近所のレストランが紹介されていたので、夕食はそこに行ってみた。
ところが今日はライブは休み。
仕方ないので食事のみ。

Francesinhaという不思議なメニューを頼む。
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出てきたものは四角くて白い箱のような物体の上に目玉焼きが乗っている。
食べてみるとハムとか肉とかジャガイモとかをサンドイッチにして焼いてその上からとろとろのチーズをコーティングして頂上に目玉焼きを乗せたものだった。
カロリーが高そうだ。
後で調べてみたらポルトで生まれて、はやっているB級グルメだとのこと。
これがなかなか美味しくて、とても印象に残った一品だった。

Francesinha(直訳:フランス娘)の説明
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帰ってワインを楽しんでから寝ようと思ったら、このコルク栓が開かない。
原始的な栓抜きしかないので、力任せにやっていると手が痛くなってくる。
こんなに開かないのは安いからかと思ってみたりしたが、そうなのか。
15分位格闘して、いっそ押し込むかと思ったあたりでようやく抜けた。
栓抜きで汗をかくなんてのは珍しい。

苦労した分美味しいかも。
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何はともあれ美味しく味わって就寝。

2016年06月25日

2016モロッコ・スペイン・ポルトガルの旅 第14章 3/6 ポルト

第14章 3/6 ポルト

今日の大まかな予定は、午前中ドウロ川を渡ってワイン蔵群を訪ねて、見学が良さげなFERREIRAというワイン蔵を見学して、午後は歴史地区を娘の誕生日プレゼントの買い物がてら散策してみようと思う。

この宿、Almadaは安い割に広い。
天井も高くてとても快適だ。
おばさんはポル語オンリーだが、とても感じが良い。
何よりもロケーションが抜群だ。
サンベント駅やトリンダーデ・メトロ駅にも近く賑やかな地区にありながら、一本裏通りなので静かだし、食堂やスーパーも近くにあってとても便利。

概して今回の旅の宿は殆ど当たりだったように思う。

さて、ドウロ川はサンベント駅を通り越して真直ぐ行けばよいわけだから簡単だ。
川の手前の歴史的建築物等を訪問しつつ、歩いて行く。

こういう大道芸も色々なところでやっているが、これは本物のオブジェだからややこしい。
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ドウロ川に架かるドン・ルイス一世橋は二層に分かれていて、上はメトロと人、下は車だ。
この橋からの見晴らしは抜群で、川面からどのくらいの高さがあるのだろう、50m位はありそうだ。
それでも欄干は案外と低く、下を覗くと目がくらみそうな高さ。
高いところに弱い人は多分厳しいだろう。

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橋の中央部を走るメトロとの仕切りは、歩道と区別するポールがあるだけで柵等の安全対策はなされていない。
要は路面電車状態のところを立派な車両が走っている状態だ。

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これは酔っぱらいなんかは時々橋から落ちるんじゃなかろうか。
酔っ払ってふらふらと歩いていてやって来るメトロに気付いて避けて勢い余ってなんて、余計な心配をしてしまう。
この高さからだと、よほどうまい落ち方をしないと助からないんじゃないか。

川向うにはワイン蔵と思われる赤茶色の屋根が並んでいる。
川は濁った緑色で、かつてはワインの詰まった樽を運んで行き来したであろう帆船が係留されている。
現在の輸送手段は当然のことながら車だから、広告塔としての役割と、イベントに使われているということらしい。
ただ、素晴らしい趣はある。

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対岸は新市街地だ。
渡って左側にあるノッサ・セニョーラ・ピラール修道院へ。
ここからは橋を更に上から臨める。
今日は日曜で天気も良いということもあるのだろう、ジョガーが多数見受けられる。
ジョギング・ハイクみたいなグループもいる。

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ここら辺りでトイレの要求。
このトイレというのは一人旅にとってはかなりな問題で、今のように荷物が無ければ探すのも楽なのだが、大荷物を抱えて移動中の場合にはプランが必要だ。

荷物を席に置いて行くというのは、盗んでくださいと言っているようなものだし、荷物を全部持ってというのは、たとえ一部を背負っていたとしてもとても難儀なもの。
交通機関で移動中は、長距離バスを除いてとにかく使わないようにするしかない。
そのためには、水分の摂取を減らしておくとか、ビールとかの酒類を移動中には飲まないとか、チャンスがあれば必ず用を足すとか、体調を良くしておくとか色々と気を使う。
まあ、今は軽装なのでどこか探せそうだ。

橋を渡っていたら対岸にワインセラー地区へ降りていくロープウェイが見えた。
これが面白そうだし、ワインセラー地区は真直ぐ行けそうだ。
先程ワインセラー地区へ降りていこうとして住宅街をさまよってしまったのだ。
ロープウェイ駅は橋のたもとにあり、トイレはそこにあったので、そちらの問題も解決。

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ロープウェイという乗り物は久しぶりに乗ったのだが、街中のロープウェイというのもとても楽しいものだ。
到着駅はドウロ川のほとり。
バイクのイベントがあるらしくて大型バイクが多数駐車している。
珍しいものもありそうだ。
相変わらず天気は良くて、屋外のカフェも日曜日ということもあって繁盛している。

目指すは、FERREIRAというワインセラー。
これだけ沢山あるのだから探すのは大変かなと思っていたら、川沿いを歩いていたらすぐにみつかった。

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運良く開いている。
ガイド付きの蔵内ツアーは5分後に始まるという。これもラッキーだ。
2杯か3杯、試飲できるグラスの数でツアー料金が異なる。
迷わず3杯を選ぶ。

蔵の中へ進んで行くとどんどん温度が下がっていく。
ポルトワインの特徴、歴史、製造工程等分りやすい展示があって、何より現役の蔵を見学しているということが雰囲気を作っている。
この辺りは日本の酒造博物館や山梨県に多数あるワイン工場の見学と同じだ。
解説はポル語でなされるので殆ど分らないが、創業者のドナが偉かったということだけは強調されていたので分った。

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ポルトワインは発酵途中でブランデーを加えてアルコール度数を高めて保存期間を長くするということだが、その結果甘くなる。
日本の赤玉ポートワインというのはこれを真似たものだろう。
ヴィンテージ物のワインも保管してあって、19世紀から保管されているなんていうものもあった。

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ツアー最後のお楽しみはやっぱり試飲。
3杯は、ロゼ、白、ルビーと用意されていた。
やはり甘い。
50年くらい前の日本産のワインは甘かったような気がするが、現在飲んでいるものからすればかなり甘い。
その中でも、ルビーという種類がとても上品な甘さで気に入った。

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お土産用のポルトワインも丁寧に置かれているが、値段がかなり安い。
日本で丁寧に置かれているものと比べたら一桁違う感じだ。

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スペイン、ポルトガルはワインが安い。
特にポルトガルは水並みだ。
宿代とワインが安くて外食が高い。
交通機関が安くて入場料は高い。
外食が、普通の食堂でも一食軽く1000円を超えるというのは、高いと感じる。

さて、楽しい蔵内見学ツアーにとても満足して外へ出たら、雨が降ったようだ。
雨上がりのドウロ川河畔の散歩も悪くない。

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ちょっと河畔を散歩してから、再びロープウェイに乗ってドン・ルイス一世橋へ。

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昼食は、宿の近くにいくらでもある食堂でバカリャウ(タラ)を食べてみる。

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これはフリッターだな。
沖縄の天ぷらの方が美味しい。
魚料理は凝ってはいるけれど、日本の方が美味しいと感じた。
帰り際に今夜のワインも買っておく。
約250円。これでもそこそこ美味しいのだ。
モロッコを出てから毎晩1本づつ開けている。

宿へ戻って一休みしてから、娘の誕生日プレゼントやお土産の買い物を兼ねて、歴史地区を歩いてみる。

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サンタカタリーナ通りという、ポルトでは一番のショッピング街を目指す。
古い言い方だとポルト銀座だ。

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市場好きとしては、この近くにあるボリャオン市場にも行ってみたかったのだが、今日は日曜日で休みだった。残念。
さすがに一番のショッピング街、賑やかな通りだ。

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あちらこちらに大道芸人がいる。
乞食、物乞いも結構いる。
スペインではあまり見なかったのだが、ポルトガルに入ってからは目立つ。
メトロ内でも物乞いはいる。
車内でカーン、カーンと前から金属音が聞こえて来たと思ったら、盲目の物乞いが杖で車内のポールを叩いてアピールしながら歩いてくる音だったということもあった。

さて、このような買う物が決まっていない探しながらのショッピングというものは、自分にとっては行列と並んで最も苦手な分野の一つで、日本であれば難行苦行なのだが、外国で散策しながらというのは楽しいものだ。

ヴィア・カタリーナというデパートのような集合店舗を覗いてみる。
1、2階がファッション関係で3階は食堂関係のようだ。
ここで良さげな皮のバッグを見つけた。
これならば持って帰るのも楽そうだ。
他も一応当たってみたが、やはりこういうのは第一印象が当たりのことが多い。
ここで購入。

この近辺には見事なアズレージョの壁面を持つ建物があちらこちらに見られる。
リスボンよりアズレージョが所々にあるような気がする。
それと、落書きがそれほど多くない。
落ち着いた古い街なのだ。

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夕食は、昨日ライブが休みだったレストランに行くという手もあるが、昨日ライブが見れなかったということは、見なくていいという流れの中にあると考えて、もう一回行くというのは気が進まなくなっている。
この旅をしているうちに、流れに身を任せるという気分になってしまっているのだ。
ということで、近所の食堂で鳥料理。
野菜としてのインディカ米がつく。
味はまあまあ。

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デザートは美味しい。
ポルトガルのスイーツはとても美味しい。
日本ではまず食べないからそう感じるのだろうか。

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連日歩き回っている。
夜はワインで気持ち良く就寝。
明日はリスボンに戻って明後日のフライトに備えるだけだ。

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旅もそろそろ終わりを告げつつある。

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